WWWサーバーのネットワーク設定

2015年3月20日(金)
大月 宇美(おおつき たかみ)できるシリーズ編集部

静的なネットワーク設定

レッスン1-9では、CentOSのインストールを最後まで行いました。この状態で、Webブラウザを起動して、インターネットとの接続が確認できれば成功です。ここでは、今回のイントラネットのネットワーク設定をまとめて行います。といっても、いくつかの設定ファイルを変更するだけです。イントラネットの設定が終了すると、Windowsクライアントから、仮想マシンにインストールしたCentOSにアクセスできるようになります。また、たとえ設定に失敗しても、ここの内容を見直すことで、ほとんどの問題は解決できるでしょう。

イーサネットの設定を確認する

CentOSを起動してサーバーのネットワーク設定を変更する。

  1. コマンドを入力。viが起動した
  2. 「dhcp」を「static」に変更
  3. この行を削除
  4. この行を削除
  5. いったん上書き保存して終了
[root@www ~]# vi /etc/sysconfig/network-scripts/ifcfg-eth0⏎ (1)

DEVICE=eth0
TYPE=Ethernet
UUID=a8cc79bd-38c5-4fbc-9a9e-59b59989cbd6
ONBOOT=yes
NM_CONTROLLED=yes
BOOTPROTO=dhcp (2)
HWADDR=00:0C:29:B2:6C:46
DEFROUTE=yes
PEERDNS=yes (3)
PEERROUTES=yes (4)
IPV4_FAILURE_FATAL=yes
IPV6INIT=no
NAME="System eth0" (5)

[root@www ~]#

【注意】CentOSの設定に関する作業は、端末を起動し、rootに切り替えて作業してください。

エディタの使用について

設定手順では、エディタとしてviを使用していますが、viの操作に慣れていない方は、CentOSにrootでログインして、[アプリケーション]メニュー−[アクセサリ]−[geidtテキストエディタ]を使うとよいかもしれません。

ネットワーク設定の変更

サーバーのネットワーク設定を静的なアドレスに変更する。

  1. コマンドを入力。viが起動した
  2. 「BOOTPROTO=static」に変更されている
  3. 「IPADDR=192.168.1.254」を追加
  4. 「PREFIX=24」を追加
  5. 「GATEWAY=192.168.1.1」を追加
  6. DNS1=192.168.1.1」を追加。上書き保存して終了
[root@www ~]# vi /etc/sysconfig/network-scripts/ifcfg-eth0⏎ (1)

DEVICE=eth0
TYPE=Ethernet
UUID=a8cc79bd-38c5-4fbc-9a9e-59b59989cbd6
ONBOOT=yes
NM_CONTROLLED=yes
BOOTPROTO=static (2)
HWADDR=00:0C:29:B2:6C:46
DEFROUTE=yes
IPV4_FAILURE_FATAL=yes
IPV6INIT=no
NAME="System eth0"
IPADDR=192.168.1.254 (3)
PREFIX=24 (4)
GATEWAY=192.168.1.1 (5)
DNS1=192.168.1.1 (6)

[root@www ~]#

それぞれの指定値は、前々回を参考に実際の使用環境に合わせて設定してください。

networkファイルの設定

/etc/sysconfig/networkファイルにゲートウェイとホスト名を設定する。

  1. コマンドを入力。viが起動した
  2. 「GATEWAY=192.168.1.1」を追加
  3. 上書き保存して終了
[root@www ~]# vi /etc/sysconfig/network⏎ (1)

NETWORKING=yes
HOSTNAME=www.dekiru.gr.jp
GATEWAY=192.168.1.1 (2)
NTPSERVERARGS=iburst (3)

[root@www ~]#

hostsファイルの設定

/etc/hostsファイルに、www.dekiru.gr.jpの設定を追加する。

  1. コマンドを入力。viが起動した
  2. 固定IPアドレスを追加。固定IPアドレスに対応するホスト名を入力
  3. 上書き保存して終了
[root@www ~]# vi /etc/hosts⏎ (1)

127.0.0.1   localhost localhost.localdomain
192.168.1.254   www.dekiru.gr.jp (2)
::1         localhost localhost.localdomain localhost6 localhost6.localdomain6 (3)

[root@www ~]#

Windowsクライアントのhostsファイルを修正する

サーバーへ接続するWindowsクライアントのhostsファイルに、www.dekiru.gr.jpの設定を追加する。

  1. 「C:¥Windows¥System32¥drivers¥etc¥hosts」をエディタで開く
  2. 固定IPアドレスと、対応するホスト名を入力。上書き保存して終了
# Copyright (c) 1993-2009 Microsoft Corp. (1)
#
# This is a sample HOSTS file used by Microsoft TCP/IP for Windows.
#
....省略....
#
# localhost name resolution is handled within DNS itself.
#       127.0.0.1       localhost
#       ::1             localhost
192.168.1.254   www.dekiru.gr.jp (2)

【注意】Windowのhostsファイルをメモ帳などのプログラムで編集する場合、プログラムを「管理者として実行」したうえでファイルを開く必要があります。

SELinuxの設定を変更する

CentOSサーバーでSELinuxを無効にする

  1. コマンドを入力。viが起動した
  2. 「SELINUX=disabled」に変更
  3. 上書き保存して終了
[root@www ~]# vi /etc/selinux/config⏎ (1)

# This file controls the state of SELinux on the system.
# SELINUX= can take one of these three values:
#     enforcing - SELinux security policy is enforced.
#     permissive - SELinux prints warnings instead of enforcing.
#     disabled - No SELinux policy is loaded.
SELINUX=disabled (2)
# SELINUXTYPE= can take one of these two values:
#     targeted - Targeted processes are protected,
#     mls - Multi Level Security protection.
SELINUXTYPE=targeted (3)

[root@www ~]#

CentOSを再起動する

rebootコマンドを入力して実行する。

[root@www ~]# reboot⏎

Linuxサーバーのネットワーク設定を確認する

再度CentOSにログインして、端末を起動し、suコマンドでrootに切り替えておく。hostnameコマンドでホスト名を確認する。

[root@www ~]# hostname⏎
www.dekiru.gr.jp
[root@www ~]# ifconfig⏎
eth0      Link encap:Ethernet  HWaddr 00:0C:29:2F:6E:CD
          inet addr:192.168.1.254  Bcast:192.168.1.255  Mask:255.255.255.0
          inet6 addr: fe80::20c:29ff:fe2f:6ecd/64 Scope:Link
          UP BROADCAST RUNNING MULTICAST  MTU:1500  Metric:1
          RX packets:144 errors:0 dropped:0 overruns:0 frame:0
          TX packets:88 errors:0 dropped:0 overruns:0 carrier:0
          collisions:0 txqueuelen:1000
          RX bytes:24343 (23.7 KiB)  TX bytes:7086 (6.9 KiB)

ifconfigコマンドでネットワークインターフェイスの状態を確認する。

[root@www ~]# ping -c 4 192.168.1.1⏎
PING 192.168.1.1 (192.168.1.1) 56(84) bytes of data.
64 bytes from 192.168.1.1: icmp_seq=1 ttl=255 time=0.567 ms
64 bytes from 192.168.1.1: icmp_seq=2 ttl=255 time=0.621 ms
64 bytes from 192.168.1.1: icmp_seq=3 ttl=255 time=0.622 ms
64 bytes from 192.168.1.1: icmp_seq=4 ttl=255 time=0.602 ms

--- 192.168.1.1 ping statistics ---
4 packets transmitted, 4 received, 0% packet loss, time 3002ms
rtt min/avg/max/mdev = 0.567/0.603/0.622/0.022 ms
[root@www ~]#

4パケットをネットワーク上のゲートウェイ(ルーター)に送る。

Windowsクライアントからのネットワーク接続を確認する

コマンドプロンプトを起動して、pingを実行。コマンドプロンプトでLinuxサーバー(www.dekiru.gr.jp)にpingを実行する。

(クリックで拡大)

4パケットを送り、応答が返ってきた。

CentOSのインストールが終わったら

以前の記事では、CentOS 6.6(最終版)をインストールしました。このリリースは、2014年10月下旬ですが、リリース後のバグフィックスなどもありますので、最新のパッケージを入手し、インストールを行っておいたほうが、セキュリティ面でも安心できます。パッケージのアップデートを行うには、以下のコマンドを実行します。

# yum install update⏎

また、CentOSに含まれているyumコマンドのリポジトリは、必ずしも最新バージョンをインストールできるわけではありません。たとえば、MySQLはyumコマンドでアップデートしても、5.1までしかインストールされませんが、2014年末のGA(General Available)リリースは、5.6になっています。最新版が常に安定していて望ましいパッケージであるとは限りませんが、MySQLに関していえば、5.6はいろいろな機能が拡張され、処理速度も5.1と比べて向上しています。最初のうちはハードルが高いかもしれませんが、慣れた頃にMySQLのバージョンアップにもチャレンジしてみてください。

詳細は、次のURLを参照してください。
http://dev.mysql.com/doc/refman/5.6/en/linux-installation-yum-repo.html

CentOSのコマンドでわからないことが出てきた場合は、manコマンドを利用しましょう。manコマンドに続けてコマンド名を入力すると、コマンドの機能や書式が調べられます。コマンド名がわからない場合でも、-kオプションを指定すると、キーワードで調べられます。

# man man⏎

man(1)                                                                  man(1)

名前
       man - オンラインマニュアルページを整形し表示する。
       manpath - ユーザー個々のマニュアルページの検索パスを決める。

書式
       man  [-adfhktwW]  [-m  system]  [-p string] [-C config_file] [-M
       path] [-P pager] [-S section_list] [section] name ...

説明
       man はオンライン・マニュアル・ページを整形し表示する。このバージ
       ョンの man コマンドでは環境変数 MANPATH と (MAN)PAGER を設定でき...
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著者
大月 宇美(おおつき たかみ)

1964 年、茨城県生まれ。コンピュータ商社、出版社勤務を経て1999 年に独立。コンピュータ書籍を中心に、執筆・編集・校正などを幅広く手がける。著書に『ひと目でわかるOutlook2013』(日経BP 社)、『新標準HTML & CSS3 辞典』(インプレスジャパン)ほか。

著者
できるシリーズ編集部

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