「GitHub」の日本法人を設立し企業向けに本格展開、Appleが「Swift 2.0」をオープンソースに、ほか

2015年6月12日(金)
吉田 行男

こんにちは、日立ソリューションズの吉田です。

本格的な梅雨の訪れで、雨の日が多くなってきました。今年は昨年夏から続くエルニーニョがさらに強まる傾向があるようで、その影響で梅雨明けが遅くなる可能性があるといわれています。いやな時期は早く終わってほしいものですが、今年はそううまくいかないようです。

今週も注目すべきトピックをまとめましたので、ゆっくりとご覧下さい。

開発者に人気の「GitHub」日本法人設立、企業向け本格展開

6月4日、ソフトウェア開発共有サービス「GitHub」を手がける米国GitHub社は、初の海外支社である日本支社「ギットハブ・ジャパン合同会社」の設立を発表しました。「GitHub.com」は、ソフトウェアのソースコードリポジトリとして、コードの共有/公開やバージョン管理、開発者間のレビュー、コラボレーション機能などを備えたWebサービスで、ソフトウェア開発者だけでなく、ITエンジニアやWebデザイナーの共同作業にも利用されており、現在、全世界で約970万のユーザに使用されています。企業ユーザ向けには、2012年からオンプレミス環境で「GitHub」をホスティングできるソフトウェア製品である「GitHub Enterprise」も提供しています。日本でもすでにヤフージャパンや日立システムズ、サイバーエージェント、グリーといった大手企業が導入しています。

(参照記事:http://ascii.jp/elem/000/001/015/1015751/

PostgreSQLを透過的に暗号化するソフト、NECがオープンソース版を公開

6月5日、NEC社はPostgreSQLに格納するデータを透過的に暗号化するソフト「Transparent Data Encryption for PostgreSQL」(TDE for PG)を開発し、オープンソース版「Free Edition」をGitHubで公開しました。今回NEC社は、PostgreSQLにデータ暗号化の機能を組み込むライブラリーモジュールを開発し、暗号化のための専用のデータ型を用意しています。テーブル作成時に列(カラム)のデータ型としてこれらを指定することにより、データベースクライアントからは暗号化を意識することなくSQLでデータにアクセスできるようになります。対応している暗号化アルゴリズムはAES128またはBlowfishになります。

(参照記事:http://itpro.nikkeibp.co.jp/atcl/news/15/060501900/

企業におけるデータ活用のハブ的存在をめざす――。トレジャーデータ、2015年度事業戦略を発表

6月4日、トレジャーデータ社は2015年度の事業戦略を発表しました。今後はデジタルマーケティングおよびIoT市場に、より注力していく方針を明らかにしました。2011年にシリコンバレーで創業したTreasure Data社は、クラウド上に構築されたHadoop環境に生データを集約し、データの保管から分析までをワンストップで提供するデータマネジメントサービス「Treasure Data Service(TDS)」を主力事業としています。

(参照記事:http://cloud.watch.impress.co.jp/docs/news/20150605_705588.html

コンテナ開発機能を強化した「Red Hat Software Collections 2」がGAに

米国Red Hat社は、6月4日にRed Hat Enterprise Linux(RHEL)の追加ソフトウェアパッケージスイートの最新版となる「Red Hat Software Collections 2」の一般提供版(GA)を発表しました。このパッケージスイートは、RHEL 6および7、Red Hat Enteprise Linux Atomic Host、OpenShift上でのアプリケーション開発に利用でき、Web開発ツール、動的言語、データベースといったオープンソースソフトウェアを含むRHEL向けのパッケージ集です。最も大きな特徴は、プログラミング言語において異なる複数のバージョンを利用できるようになった点で、開発者は、特定のバージョンを選択し、開発作業を標準化することができます。

(参照記事:http://osdn.jp/magazine/15/06/10/153000

Apple、プログラミング言語「Swift 2.0」をオープンソースに

6月8日、米国Apple社は年次開発者会議であるWWDC 2015の基調講演において、プログラミング言語「Swift」の新版「Swift 2.0」を発表し、オープンソースで今秋にリリースすることも合わせて発表しました。具体的なライセンスなどの詳細は、リリースが近くなってから発表するとしています。「Swift 2」は、iOS、OS X、watchOS向けのアプリを開発するための言語です。オープンソース化するとしているのは、iOS、OS X、Linux向けのコンパイラと標準ライブラリです。

(参照記事:http://www.itmedia.co.jp/mobile/articles/1506/09/news066.html

編集後記

今週は、米国で『Hadoop Summit』やアップル社の『WWDC 2015』など、注目のイベントが開催されています。さすがに出張するわけにもいかず、Webの記事などを参考に最新情報を入手しているわけですが、本当は現地に出張し、熱気を肌で感じることが大事なので、できるだけ出かけるようにしたいと思っています。ですが、これも『次は』という思いだけでまた終わったしまいそうです。

2000年頃からメーカー系SIerにて、Linux/OSSのビジネス推進、技術検証を実施、OSS全般の活用を目指したビジネスの立ち上げに従事。また、社内のみならず、講演執筆活動を社外でも積極的にOSSの普及活動を実施してきた。2019年より独立し、オープンソースの活用支援やコンプライアンス管理の社内フローの構築支援を実施している。

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