SAPリソース設定に向けてのポイント

2010年12月13日(月)
菅野 博貴


NetWeaver 7.0 EHP1 SR1インストール [1]

SAPinstの起動

LifeKeeperのリソース管理対象となるASCSインスタンス、Oracle DBインスタンスをインストールする際には、SAPinstの起動時に「SAPINST_USE_HOSTNAME」オプションを指定して仮想ホスト名でのインストールをする必要があります。

各インスタンスをインストールする順番は、SAPinstメニュー内の順番に従います。上から順に、ASCSインスタンス、DBインスタンス、セントラル・インスタンス、ダイアログ・インスタンスの順となります。

図4: SAPinstの初期画面(クリックで拡大)


Solution Managerキー

セントラル・インスタンスをインストールするタイミングで、Solution Managerキーが必要になります。キー取得時には、ホスト名(この場合、物理ホスト名となります)やインスタンス番号として、セントラル・インスタンスのものを利用します。

別サーバーからの再インストール

今回の検証では、データ・ロード(インポート)の時間を節約するため、システム・コピーを利用しました。これ以外に、新規で再インストールすることも可能です。

システム・コピーでインストールした2台目のサーバー側では、あらかじめ、LifeKeeperで管理するリソースをアクティブにしておきます。

図5: リソースを移動させた状態(クリックで拡大)


SAPinstによって自動作成されるユーザーやグループのID/パスワード、さらにASCSインスタンス番号や各ポート番号は、先にインストールしたサーバーと同一のものを使用してインストールします。

プロファイル変更

LifeKeeperに対してSAPリソースの設定を行うため、デフォルト・プロファイルを以下のように変更します。

変更前 rdisp/msserv = sapms
変更後 rdisp/msserv = 36
/etc/services 内のsapmsのポート番号を確認の上、値を設定します

NetWeaver 7.0 EHP1 SR1インストール [2]

インストール後のSAPシステム稼働確認

今回の検証では、初期段階で、以下に示す2つの問題が発生しました。

  • 1つ目:
    startsapコマンドで起動時、下記のエラー・メッセージが出力される。
    /usr/sap/LK1/SYS/exe/run/startsap: line 1388:
    /usr/sap/LK1/ASCS00/exe/saposcol: No such file or directory
    Start of saposcol failed
    

    対応策:
    ASCSインスタンス・プロファイルに以下を追加し、インスタンスを再起動する。

    exe/saposcol = $(DIR_CT_RUN)/saposcol
    
  • 2つ目:
    SAPGUIを使ってログインした際に、下記画面のようなエラー(Internal error during database access)が出力され、ログインできない。

    図6: ログイン・エラー画面(クリックで拡大)


    対応策:
    下記のコマンド処理後に、ddicユーザー(デフォルト・パスワード: 19920706)またはsap*ユーザー(デフォルト・パスワード: 06071992)でログイン可能となる。ログイン直後にパスワードの変更を要求されるので、新規にパスワードを設定する。

    # su - ora<dbsid>
    oradbsid> sqlplus / as sysdba
    
    SQL> connect / as sysdba
    
    SQL> create sequence sapsr3.ddlog_seq minvalue -2147483640
    maxvalue 2147483640 increment by 1 cache 50 noorder nocycle;
    </dbsid>
日本アイ・ビー・エム株式会社

2001年、日本アイ・ビー・エムに入社。入社当初よりSAP社製品関連テクニカルサポートに従事し、日々東奔西走中。グローバルISVソリューションズ所属。

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