SAP基幹システムの高可用性を低コストで 2

Oracle 11gへのアップグレード

Oracle 11gへのアップグレード

SAPカーネルの更新

Oracle 11gに対応したSAPカーネルに更新するため、最新版のカーネルをSAP Marketplaceから入手し、入れ替えます。旧バージョンはバックアップしておきましょう。

アップグレード後の環境変数の設定

admユーザーとoraユーザーの環境変数設定ファイル(.dbenv.csh、.dbenv_.csh)を変更する必要があります。バージョン10.2のパスが指定されている部分を、アップグレード後のバージョン11.2のパスに変更します。この変更個所として、例えば、ORACLE_HOMEパラメータが挙げられます。

SAP Enqueue Replication Serverのインストール

SAP Note 897933に記載してある通り、エンキュー・レプリケーション・サーバーは、ASCSインスタンスよりも前に起動し、後に停止する必要があります。しかし、LifeKeeper環境でSAP ARKに制御させる場合は、起動停止順序に気を使う必要がありません。さらに、startsapやstopsapなどのコマンドを用いた手動オペレーションも不要です。逆に、手動で起動してしまうと、LifeKeeperによる制御がされなくなる可能性があります。

LifeKeeper設定(アプリケーション) [1]

Oracleリソースの設定

Oracleリソースを設定するにあたり、まずはOracleインスタンスを起動しておく必要があります。リソース作成後は、データ・ファイル、ログ・ファイルを格納するファイル・システムだけがOracleリソース配下に自動で設定されます。これ以外のファイル・システムと、Oracle用の仮想IPアドレスは、手動で設定します。さらに、Oracleリスナーのリソースも別途作成し、Oracleリソースの配下とします。

図7: Oracleリソースの配下となった各リソース(クリックで拡大)


次回は、SAPリソースの設定や、フェール・オーバーの検証結果を紹介します。

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