OTRSの変更管理(前編)

2012年2月17日(金)
櫻井 耕造

変更のグループの権限設定

変更を利用するには、担当者に対して役割に応じた権限を付与する必要があります。デフォルトで用意されているグループは、表4のようになっています。設定方法は、「第3回 OTRSの基本設定」の「担当者とグループの権限設定」を参照してください。

グループ名 説明
itsm-change 変更の携わるメンバーすべての担当者グループ。
Itsm-change-builder 変更を作成する担当者のグループ
Itsm-change-manager 変更を承認するグループ
表4:変更のグループ定義

変更の通知設定

変更のRFCなどを作成し、ステートマシーンが変更の承認待ちに変化したとき、承認者に承認依頼のメールを通知したい場面があります。そのようなイベントの発生をメール通知するには、「管理」の「通知(ITSM変更管理)」から通知ルールを作成します。ここにはデフォルト値が入っているので、そのままでも利用可能です。

設定項目 説明
名前 通知名を記入します。
イベント 指定したイベントがあったら、以下の属性、ルール、受信者の項目に従い、メールで通知します。
属性 条件となる属性項目があれば指定します。
ルール 属性の値とマッチした時のみに通知します。
受信者 通知グループを指定します。
有効 有効か無効を選択
コメント ※任意で入力
* 必須入力
表5:変更の通知設定

変更の作成

ここから変更プロセスの作成に入ります。最初に汎用的なテンプレートを作成して、そのテンプレートを元に変更を起案することをお勧めします。「変更」の「新規」をクリックすると、変更を作成する画面に移ります。OTRSのインストール後は変更のテンプレートがないので、「変更テンプレートを選択」の欄は未記入となります。

項目 説明
タイトル * 変更の名前を入力します。
説明 * 変更に関する説明を入力します。
正当性 * 変更の背景にある理由の説明を入力します。
カテゴリ 変更のタイプを定義します。
影響度 変更が持つ影響度を定義します。
優先度 変更の優先度を定義します。
要求があった日時 顧客が望んだ実装日を入力します。
添付ファイル 関連するファイルやドキュメントを添付させます。
* 必須入力
表6:変更の作成の属性

変更の関係者の登録

「変更」の「一覧」をクリックして作成した変更を選択すると、図6が表示されます。ここで「関係者」をクリックします。

図6:関係者を選択

ここでは、変更に関係する変更マネージャー、変更実施者、変更諮問委員会(CAB)を登録します。入力が終わったら、「送信」をクリックします。

※2ページ目の「変更のグループへのアサイン」の設定を行わないと、変更マネージャー、変更諮問委員会(CAB)を登録できません。

項目 説明
変更マネージャー* 変更マネージャーを入力します。「**」を押下すると、登録されている変更マネージャーグループの候補者が表示されます。
関係実施者 * 変更実施者を入力します。「**」を押下すると、候補者が表示されます。
CABテンプレート * テンプレートがあれば、テンプレートからCABを登録できます。
CABに追加する。 CABに追加したい該当者を入力します。そのCABのメンバーをテンプレート化したいときは、「このCABをテンプレートとして保存する」をクリックします。「**」を押下すると、登録されている変更マネージャーグループの候補者が表示されます。
* 必須入力
表7:変更の関係者の登録

続きは、次回の「OTRSの変更管理(後編)」で解説します。

TIS株式会社 IT基盤サービス本部 DCアウトソーシング第1部 主任

システム運用、システムインテグレーションなどを経験後、TISの先端技術センターにてOTRSのR&Dを実施。OSS保守サービス「Tritis」の事業を企画し、事業の中核であるOTRSを2011年8月にOTRS AG(ドイツ)による国内初のOTRS認定技術者となる。

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