統合運用管理システムとしてのPandora FMSの実力を探る

2014年7月28日(月)
株式会社アールワークス

システム情報の活用

これまで、システム運用における問題点の改善には、

  1. 情報分析が必要であること
  2. 次期システム設計のためにも既存のシステム運用が重要であること

を述べてきた。つまり、日々のシステム運用においては、システムのあらゆる情報を収集することが重要なのである。

第3章「大規模システムやクラウド環境に適した運用設計」でも紹介した通り、Pandora FMSには、それらの情報収集を実施したり、情報を活用したりするための機能が備わっているのだ。具体的な利用例として、SNMPに対応したネットワーク機器の、ネットワークトラフィック情報を収集するための設定方法について、見てみよう。

例えば、対象のネットワーク機器に対応するエージェントが未登録の場合、まず「エージェント」を登録する必要がある。システム管理メニューの「エージェント管理」をクリックすると、エージェント管理画面になる(図3)。この画面にある「エージェント作成」ボタンをクリックすると、エージェントの新規登録画面が表示されるので、エージェント名やIPアドレスなどを適宜埋めて、「作成」をクリックする(図4)。

図3 エージェント管理画面
図3:エージェント管理画面
図4 エージェント作成画面
図4:エージェント作成画面

作成に成功すると、「作成しました」というメッセージが表示され、 画面右上にアイコンメニューが表示されるので、SNMPエクスプローラのアイコン(一番左側のアイコン)をクリックし、SNMPエクスプローラの画面を表示させよう(図5)。

図5 SNMPエクスプローラ
図5:SNMPエクスプローラ

このあと、対象IP、ポート番号、SNMPコミュニティおよびSNMPversionを適宜入力し、「snmpwalk」ボタンをクリックすると、IPアドレスに対して、snmpwalkが実行される。しばらく待つと、インタフェースおよびモジュールの「ドロップダウンリスト」が表示される(図6)。ドロップダウンリストが表示されたら、次に、情報収集したいインタフェースを選択しよう。ここでインタフェースは、複数選択できる。

図6 snmpwalk 実行後のSNMPエクスプローラ画面
図6:snmpwalk 実行後のSNMPエクスプローラ画面

インタフェースを選択すると、そのインタフェースに対して、作成可能なモジュールの一覧がモジュールのドロップダウンリストに表示されるので、作成したいモジュールを選択しよう。このモジュールについても、複数選択できる。ここでの例の「トラフィック情報」収集のためには、入力オクテット数を表す「ifInOctets」と出力オクテット数を表す「ifOutOctets」を選択すればよい。

必要なモジュールを選択したら、「モジュール作成」をクリックしよう(図6右下)。このとき、「モジュールを作成しました」と表示されたら成功である。モジュール一覧を表示させ、選択したインタフェースそれぞれに、選択したモジュールが作成されていることを確認しよう(図7)。

図7  SNMPエクスプローラにより作成されたモジュール一覧
図7:SNMPエクスプローラにより作成されたモジュール一覧

このように、Pandora FMSでは、容易に情報収集項目を追加することが可能となっている。

著者
株式会社アールワークス
1985年に株式会社アステックとして創業。2000年10月の株式会社アールワークス設立を経て、2005年6月より現在の1社体制に移行。同時に、社名を(株)アールワークス(Rworks, Inc.)に変更。
設立以来、IDC事業やITマネージドサービスを行い、そこで培ったネットワークインフラの運用ノウハウや、さまざまなソフトウェアを開発した技術力を結集し、現在、ITシステムのリモート運用サービスをはじめとして、インフラ構築、ハウジングやホスティングサービス、SaaS/ASP型のシステム監視基盤の提供を行う。単純なオペレーターではない技術提供をベースにした24時間365日の統合的なフルマネージドサービスを提供している。

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