Kinect v2のIRセンサーから赤外線画像を読み込む

2014年9月24日(水)
薬師寺 国安

ウインドウが読み込まれた時の処理

次は、ウインドウが読み込まれた際の処理を記述します。

リスト3 ウインドウが読み込まれた際の処理(MainWindow.xaml.vbの一部、リスト2の続き)

    Private Sub MainWindow_Loaded(sender As Object, e As RoutedEventArgs) Handles Me.Loaded
        myKinectSensor = KinectSensor.GetDefault   (1)
        myInfraredDescription = myKinectSensor.InfraredFrameSource.FrameDescription   (2)

        myInfraredFrameReader = myKinectSensor.InfraredFrameSource.OpenReader   (3)
        myInfraredBitmap = New WriteableBitmap(myInfraredDescription.Width, myInfraredDescription.Height, 96.0, 96.0, PixelFormats.Gray16, Nothing)   (4)
        AddHandler myInfraredFrameReader.FrameArrived, AddressOf myInfraredFrameReader_FrameArrived   (5)
        myKinectSensor.Open()
    End Sub
  1. まずKinectセンサーを使用可能にします。
  2. myKinectSensor.InfraredFrameSource.FrameDescriptionで、赤外線フレームソースの赤外線フレームのプロパティを取得して、メンバー変数myInfraredDescriptionで参照します。
  3. InfraredFrameSource.OpenReaderメソッドで、赤外線フレームを開きます。
  4. 次に、WriteableBitmapのパラメータで初期化された、新しいインスタンス、myInfraredBitmapオブジェクトを作成します。WriteableBitmapの書式については第2回目を参照してください。今回は、PixelFormatsに「Gray16」を指定しています。「PixelFormats.Gray16」は、ピクセルあたりのビット数が「16」(65536段階)のグレースケールチャネルを表示できるピクセル形式を取得します。
  5. AddHandlerステートメントで、InfraredFrameReaderのFrameArrivedイベントにイベントハンドラを指定します。FrameArrivedイベントは、赤外線フレームが到着した時に発生するイベントです。
  6. OpenメソッドでKinectセンサーを開きます。

赤外線フレームが到着した時に発生するイベント

リスト3の(5)で指定したイベントハンドラの内容を記述します。

リスト4 赤外線フレーム到着時の処理(MainWindow.xaml.vbの一部、リスト3の続き)

    Private Sub myInfraredFrameReader_FrameArrived(sender As Object, e As InfraredFrameArrivedEventArgs)
        Using myInfraredFrame As InfraredFrame = e.FrameReference.AcquireFrame   (1)
            If myInfraredFrame Is Nothing = True Then
                Return
            End If

            Dim myInfraredBuffer As UShort() = New UShort(myInfraredDescription.Width * myInfraredDescription.Height - 1) {}   (2)
            myInfraredFrame.CopyFrameDataToArray(myInfraredBuffer)   (3)
            myInfraredBitmap.WritePixels(New Int32Rect(0, 0, myInfraredBitmap.PixelWidth, myInfraredBitmap.PixelHeight), myInfraredBuffer, myInfraredBitmap.PixelWidth * myBytesPerPixel, 0)   (4)
            Image1.Source = myInfraredBitmap   (5)
        End Using
    End Sub
  1. e.FrameReference.AcquireFrameメソッドで赤外線フレームを取得し、myInfraredFrameで参照します。
  2. UShort型の配列変数myInfraredBufferを宣言します。この配列変数の要素数はWidth(512)とHeight(424)の値を乗じた値となります。Color画像以外のDepth画像と赤外線画像の解像度は、512×424になります。
  3. CopyFrameDataToArrayメソッドで、赤外線フレームデータをUShort型配列にコピーします。書式は下記の通りです。

    CopyFrameDataToArray (frameData)

    frameDataには赤外線フレームデータをコピーする先の配列を指定します。この場合はUShort型の配列変数myInfraredBufferを指定しています。
  4. myInfraredBitmap(WriteableBitmapクラス)のWritePixelsメソッドで、ビットマップの指定した領域内のピクセルを更新します。書式については第2回目を参照してください。
  5. Image1のSourceプロパティにmyInfraredBitmapオブジェクトを指定します。これで赤外線センサーからの画像が表示されます。

ウインドウが閉じられる時の処理

最後は、ウインドウが閉じられる際の処理を記述します。

リスト5 ウインドウを閉じる際の処理(MainWindow.xaml.vbの一部、リスト4の続き)

    Private Sub MainWindow_Closing(sender As Object, e As ComponentModel.CancelEventArgs) Handles Me.Closing
        If myInfraredFrameReader Is Nothing = False Then
            myInfraredFrameReader.Dispose()   (1)
            myInfraredFrameReader = Nothing
        End If
        If myKinectSensor Is Nothing = False Then
            myKinectSensor.Close()   (2)
            myKinectSensor = Nothing
        End If
    End Sub
End Class
  1. myInfraredFrameReaderをDisiposeし、全ての関連付けから解放します。
  2. Kinectセンサーも閉じ、全ての関連付けから解放します。

プログラムを実行すると、図2のように表示されます。

図2: 暗闇の中で取得した赤外線センサーからの画像が表示された(クリックで拡大)

次回からは、ゲームや3Dコンテンツの統合開発エンジンであるUnityからKinect v2を利用する方法をご紹介します。

  • Kinect v2で赤外線画像を取り込むサンプル

    『速攻攻略 Kinect v2 プログラミング入門』 第4回のサンプルプログラムです。
薬師寺国安事務所

薬師寺国安事務所代表。Visual Basic プログラミングと、マイクロソフト系の技術をテーマとした、書籍や記事の執筆を行う。
1950年生まれ。事務系のサラリーマンだった40歳から趣味でプログラミングを始め、1996年より独学でActiveXに取り組む。1997年に薬師寺聖とコラボレーション・ユニット PROJECT KySS を結成。2003年よりフリーになり、PROJECT KySS の活動に本格的に参加、.NETやRIAに関する書籍や記事を多数執筆する傍ら、受託案件のプログラミングも手掛ける。Windows Phoneアプリ開発を経て、現在はWindows ストア アプリを多数公開中

Microsoft MVP for Development Platforms - Client App Dev (Oct 2003-Sep 2012)。Microsoft MVP for Development Platforms - Windows Phone Development(Oct 2012-Sep 2013)。Microsoft MVP for Development Platforms - Client Development(Oct 2013-Sep 2014)。Microsoft MVP for Development Platforms-Windows Platform Development (Oct 2014-Sep 2015)。

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