Hyper-Vの注目すべき新機能 動的追加・動的削除
2.稼働中の仮想マシンに対してネットワークアダプタの追加、削除が可能に
ネットワークアダプタの「動的追加」と「動的削除」機能は、WIN2012R2 のHyper-Vでは実装されていなかった機能です。この機能がサポートされるは、vNext のHyper-Vと、その上で稼働する第2世代の仮想マシンで、vNext、WIN2012R2、WIN2012、64ビット版Windows 8.1、64ビット版 Windows 8となります。仮想マシンのバージョンは5.0、6.0どちらでもサポートされています。メモリの動的サイズ変更とはサポート要件が異なるようです。メモリの動的サイズ変更は、最新OSの組み合わせで実現できる機能といった感じですが、ネットワークアダプタの動的追加・削除は、第2世代の仮想マシンと、最新のHyper-Vで実現できる機能となります。
ネットワークアダプタの動的追加・削除の要件 | 対応バージョン |
---|---|
Hyper-Vホスト | Windows Server Technical Preview Hyper-V |
仮想マシン OS | Windows Server Technical Preview Windows Server 2012 R2 Windows Server 2012 Windows Server 2008 R2 64ビット版Windows 8.1 64ビット版 Windows 8 Linux |
仮想マシン バージョン | 5.0以上 |
仮想マシン 世代 | 第2世代 |
以上の2つの機能が追加されたということは、最新のHyper-Vでは仮想プロセッサ以外の仮想ハードウェアは仮想マシンの稼働中でも追加、削除ができるようになったということです(さすがに仮想プロセッサの増減は難しいのか、それとも、登場はもう間近か?)。
vNextのHyper-Vでサポートされる動的機能は、次に示すように、さまざまなリソースに対応しています。
動的機能 |
---|
固定メモリのサイズ変更 |
動的メモリ(ダイナミックメモリ)の追加 |
ネットワークアダプタの追加・削除 |
SCSIディスクドライブの追加・削除 |
DVDドライブの追加・削除 |
仮想ハードディスクのIOPS制御 |
仮想プロセッサのリソース割り当ての変更 |
ディスクサイズの拡大・縮小 |
ディスクの最適化 |
チェックポイントの作成・削除 |
仮想マシンのエクスポート |
ライブマイグレーション |
レプリケーション |
バックアップ |
仮想マシンが稼働中であっても、このように多くの機能が提供されていることは、サービス開発者にとって、またサービスを利用するユーザーにとって大きな利点となります。たとえば仮想マシンをホスティングするサービス提供者にとって、サービスオプションとしてのメモリ追加、削除メニューは当然用意すべきものです。ユーザーの仮想マシンの状態にかかわらず、申し込みと同時にメモリを追加でき、解約と同時にメモリを削除できるのは、複雑化する実行ステップを最小限にすることが可能です。開発の工数を減らすことにもなりますし、エラーの発生ポイントを減らすことにもなります。ユーザーにとっても、メモリ追加の変更を申し込んで、すぐに反映されるのは喜ばしい限りでしょう。反対に、動的削除ができない場合に、メモリ容量を減らす場合を考えてみましょう。メモリの動的削除ができない場合は、サービス開発側としては、強制的に仮想マシンをシャットダウンしてメモリを削除したいところですが、こうした操作はユーザーの都合もありますので、プロバイダー側が勝手に行うのは望ましくありません。ユーザー自身で仮想マシンをシャットダウンしていただき、メモリを削除といった手順になるはずです。月極め契約でサービス利用をしていただいている場合には、「月が変わりましたので本日からメモリを減らさせていただきます。つきましてはお客様の仮想マシンをお客様ご自身で一度シャットダウンしてください。」といったアナウンスを出して、要望通りに仮想マシンがシャットダウンされたユーザーの仮想マシンからメモリを減らします。現実的なシステムロジックではありません。こういった問題も、仮想マシンの稼働状況に影響されない動的機能おかげで、ユーザーからのアクション1つ、もしくは、サービス側からのアクション1つで実現できるようになるわけです。
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