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コンテナー技術で生まれ変わったOpenShift Enterprise 3は遂に離陸するか? - vol.03

2015年7月7日(火)
松下 康之 - Yasuyuki Matsushita

Red Hat Summit 2015、3日目の記事は今回の目玉、OpenShift Enterprise 3だ。OpenShiftを統括するVPのアシェシ・バダニ氏(Ashesh Badani、Vice President & General Manager, OpenShift)に単独でインタビューを行った。

OpenShift担当のVP、アシェシ・バダミ氏。

OpenShift担当のVP、アシェシ・バダミ氏。

OpenShiftは日本ではそれほど広がっていないという状況について、それを如何に克服するのか、具体的に言えばCloud Foudryに如何に勝つか?という部分をお聞きしたいと思います。

まずOpenShiftはLinuxが辿った道をなぞっていると考えてもらえると良いと思います。linuxは様々なコントリビュータが毎日コードを書いて機能を実装しています。それと同じようにOpenShiftも真のオープンソースソフトウェアとして様々な企業が貢献をしています。例えばKubernatesはもちろんグーグルが一番の貢献を行っていますが、Red Hatは企業として2番目に大きな貢献をしているのです。そしてDockerやKubernatesのようにオープンなソフトウェアによって構成されているのがOpenShiftであると言えます。引き合いに出されたCloud Foundry(以下、CF)について言えば、CFのコードを書いているのは2つの企業が大部分を占めています。それはPivotalとVMwareです。そのような状態で革新が期待できるのかはいささか疑問です。

しかし既にIBMやHPがCFを自社のPaaSとして採用しています。顧客数という意味では遅れを取っていますよね?

それは正しくありません。我々はIBMやHPよりも多くの既に稼動中のお客さまを持っています。例えば、金融機関のバークレイやDreamworksなどを始めてして、CAやFICOなど今回のサミットでも紹介されている様々なOpenShiftの採用事例があります。ですので、決して遅れているとは思いません。そして我々は最新のコンテナー技術をいち早く導入することで、これからスケーラブルでモバイルをフル活用したアプリを使いたいという企業に対して最適な環境を提供出来ると思います。ただし、OpenShiftはコンテナーベースのアプリケーションだけではなく従来型のアプリケーションもサポートしていますので、これまで通りのソフトウェア開発を続けたい場合にも活用出来るのです。

例えば、今回OpenShift 3の事例として発表を行ったAmadeusは航空業界では非常に著名な企業であり、ピーク時には秒間21万ものリクエストを処理しなければならないヘビーなトランザクションを担っているミッションクリティカルなシステムですが、昨年のRed Hat Summitの際にOpenShift 3の発表を行った時に、その場で我々が提唱するコンテナーベースのPaaSに対して大変興味を持ってくれたのがきっかけだったのです。それから実際にAmasdeusとはお互いにエンジニアを派遣して共同でOpenShiftを開発してきたと言っても過言ではありません。ですので、今回のサミットに合わせてOpenShiftの正式な発表とAmadeusのシステムの稼動開始が同時に発表出来たのです。つまり顧客と一緒になって必要と思われる機能を開発する、そういう姿勢がRed Hatのカルチャーなのです。そういう方法論はCFやPivotal、VMwareにはあるのかどうか、是非彼らに訊いてきて下さい(笑)Amadeusの事例はこのプレゼンテーションで概要が理解出来るので、是非見て頂きたいと思います。

Amadeusが発表したプレゼンテーション
http://videos.cdn.redhat.com/summit2015/presentations/12206_amadeus-uses-next-generation-containerized-application-platform-with-openshift.pdf

これまでRed Hatの主導するOSSには必ずコミュニティがリードするUpstreamなソフトウェアと企業が採用する際に懸案となるサポートを充実させたソフトウェアがあったと思います。2年前のボストンでのサミットの際にはOriginとOpenShiftはセットになって発表されていたと思いますが、今回は全くOriginの名前が発表からも無かったのはなぜですか?Originは無くなってしまったのですか?

そんなことはありません。Originは今も最新の機能を実装するUpstreamとして存在しています。ですので、これからもコミュニティ主導のOSSのとRed Hatが保証するOSSという構図は変わりません。

今回のサミット初日のデモがOpenShiftをメインにしたIoT絡みのデモであったことやポール・コーミヤー氏のプレゼンテーションでもOpenShiftが大きく取り上げられていたことを考えるとRed Hatはようやく本腰を入れてOpenShiftを市場に拡げようしているように見える。日本市場での具体的な展開に関しては、この夏と秋にも国内でOpenShift関連のイベントが開かれるという。来年のサミットでは日本の顧客の事例が取り上げられることを期待しよう。

なお2015年1月に行われたセミナーに関してはこの記事を参照して頂きたい。
http://thinkit.co.jp/story/2015/02/10/5601

著者
松下 康之 - Yasuyuki Matsushita
フリーランスライター&マーケティングスペシャリスト。DEC、マイクロソフト、アドビ、レノボなどでのマーケティング、ビジネス誌の編集委員などを経てICT関連のトピックを追うライターに。オープンソースとセキュリティが最近の興味の中心。

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