Googleのエンタープライズ戦略はオープンソースを主力に、Ubuntu Linuxがクラウド分野で高いシェアを維持、ほか
こんにちは、日立ソリューションズの吉田です。
今年は8月後半から秋雨前線が活発で、まるで梅雨のようなすっきりしない空模様が続いています。さわやかな秋晴れまではもう少し我慢しなければいけないようです。9月で上半期が終わる会社も多いと思いますが、残り1ヵ月頑張りましょう。
今週も注目すべきトピックをとりあげましたので、ゆっくりとご覧ください。
「Linuxカーネル4.2」リリース
8月30日、Linus Torvalds氏は最新のLinuxカーネルとなる「Linuxカーネル4.2」のリリースを発表しました。特に問題があったわけではないようですが、当初の公開予定よりも1週間遅れのリリースとなりました。変更点はいろいろありますが、全体的に暗号化機能が強化されており、セキュリティのエンハンスにポイントが置かれたリリースとなっています。Linus Torvalds氏は、すでに次バージョンのプルリクエストの受付も開始しています。現在の予定では、Intel社のグラフィックボードのサポート強化やNouveauの改善などが次バージョンで実施されることになっています。
(参照記事:https://osdn.jp/magazine/15/09/02/065600)
NECがホートンワークスのHadoop有償サポートを販売、ビッグデータビジネス強化
日本電気株式会社(以下、NEC)と米国Hortonworks社は9月1日、ビッグデータの分散処理領域で協業すると発表しました。この提携に伴いNECは、Hortonworks社の有償サポートサービス「HDP Support Subscription」を2015年10月から販売すると発表しました。日本国内で「HDP Support Subscription」を販売するのは、NECが初めてです。バッチ処理に関するコンポーネントをサポートする「Enterprise」と、バッチ処理に加えてリアルタイム処理に関するコンポーネントまでサポートする上位版の「Enterprise Plus」の2種類のコースを用意しています。
(参照記事:http://itpro.nikkeibp.co.jp/atcl/news/15/090102829/)
Google曰く:営業力でもコネでもない、これからのエンタープライズ戦略の主力はオープンソース
8月26日に米国Mountain Viewで開催された「OpenStack Silicon Valley 2015」で米国Google社のCraig McLuckie氏が『Googleはエンタープライズ企業ではないが、エンタープライズのニーズを知るための努力はしている』と述べました。また、Googleは、今後もっとオープンであることに賭けようとしており、それがエンタープライズに食い込む契機になるだろうと考えているようです。今後の積極的な攻めの基本戦略として、Googleの“秘密のソース”をオープンソース化していくべきだ、という説に、周囲は納得しませんでしたが、今ではそれが、全社的なコンセンサスになっているようです。最後にMcLuckie氏は、“オープンソースでソフトウェアを構築しない者は、そうである者に対し競争上の不利を背負うことになる”と語っています。
「Ubuntu Linux」、クラウド分野で高いシェアを維持
「Amazon Elastic Compute Cloud(EC2)」上のOSを対象とした米国The Cloud Marketの最新調査結果によると、「Ubuntu Linux」のインスタンス数はおよそ13万5,000です。2位は、Amazon自身の「Linux Amazon Machine Image(Linux AMI)」の5万4,000インスタンスです。そのあとには、大きく離れて「Windows」、「CentOS」、「Red Hat Enterprise Linux(RHEL)」が続いています。また、米国RightScale社のレポート「2015 State of the Cloud Report」によると、AWSがパブリッククラウド市場の57%を占めており、クラウド上で最も人気のあるOSは、「Ubuntu Linux」であると言って良いでしょう。クラウド上のOSとして、Linusが人気が集まるのは不思議ではありませんが、「Ubuntu Linux」がトップに君臨しているのは、少し驚きです。
(参照記事:http://japan.zdnet.com/svc/nls/?id=35069640)
「Asianux Server 4」がAzure Marketplaceで販売開始
ミラクル・リナックス株式会社は9月1日、Microsoft Azureの認証テストで、自社のエンタープライズ向けLinux OS「Asianux Server 4(MIRACLE LINUX V6)」が全テストをクリアしたと発表しました。これに伴い、米国子会社のMIRACLE LINUX AMERICAを通じて、Azure Marketplaceでの販売を開始するとともに、同製品のサポートメニューとして「Asianux for Cloud Standard Support」を提供します。なお「Asianux Server 4」は、Azure認証エンタープライズLinux OSとして、国産初の動作保証済み製品になります。
(参照記事:http://cloud.watch.impress.co.jp/docs/news/20150901_719014.html?ref=rss)
今年の秋は、さまざまなIT関連のイベントが開催される予定ですが、その第一弾ともいえる「SoftLayer Bluemix Summit 2015」が今週開催されました。多くの方が参加し、盛り上がっていました。今後もさまざまなイベントが企画されていますので、積極的に参加して、新しい情報やさまざまな方たちと交流したいと思います。
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