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提供されるソフトウエアと構築活用のポイント

2009年9月10日(木)
米持 幸寿

構築済みのアプライアンス CloudBurstシリーズ

 プライベートクラウドを構築するために、構成済みのハードウエア(アプライアンス)2製品が、「CloudBurstシリーズ」として発表されています。

 「IBM CloudBurst」は、ブレードサーバー群、ストレージ、制御プロセッサー、仮想化ソフトウエア、制御ソフトウエアなどを組み込んだ、ラックマウント型のサーバー製品です。プライベート・クラウド環境が構築済みで出荷されますので、購入・設置後、すぐにプライベート・クラウドとして利用できます。当製品には、Tivoliプロビジョニング・テクノロジーが活用されています。

 「WebSphere CloudBurst Appliance」と「WAS Hypervisor Edition」(以降WAS HV)は、WebSphere環境に特化した、クラウド向けの仮想アプライアンス配信機能を提供する物理アプライアンスです。

 情報システム構築において、ソフトウエアの導入構成作業を避けて通ることはできません。Webアプリケーション・サーバーを例に取ると、少なくともOSやWebサーバー、WebSphere Application Server(以降WAS)などのアプリケーション・サーバーを、開発/テスト機、本番機に繰り返し導入することになります。単純作業とはいえ回数が増えればそのコストは無視できません。

 WAS HVは、SUSE Linux Enterprise Server、WAS、IBM HTTP Serverをパッケージングしたソフトウエア・アプライアンスで、VMWare ESXのようなType1ハイパーバイザー上に導入すれば、即、稼働させることができます。

 一方、WebSphere CloudBurstは、WAS HVからなる仮想イメージを、各サーバー(ハイパーバイザー)に配布するハードウエアです。

 運用担当者は、WebSphere CloudBurstに格納されているWAS HVやパターンをあらかじめモディファイし、WASやクラスターの構成、WAS HVに導入するアプリケーションを指定しながら、配布環境に合った仮想イメージを作成、保管します。

 そしてWebアプリケーション・サーバーが必要になったら、WebSphere CloudBurstから仮想イメージを配布することで、WebSphereのクラスタリング環境をクラウド上に素早く構築できるようになるのです。

 加えて、仮想イメージの集中管理により、稼働アプリケーションや稼働環境の『標準化』に役立てることができます。

 WebSphere CloudBurstでは仮想アプライアンスのフォーマットとしてOVFを採用しており、将来、ほかのクラウドとの相互運用も視野に入れています。

ソフトウエアはクラウド型運用形態へ向かう

 クラウド向け製品として発表されているわけではありませんが、近年のWeb系ソフトウエア製品の多くがクラウドで実行されるソフトウエアのスタイルで作られています。その特徴は次の3点です。

・Webブラウザーでアクセスし、アプリケーションは自動配布される
・セルフサービスで開始
・データがサーバー(クラウド)上に保存される

 例えば、マッシュアップに関連するソフトウエア製品2製品「IBM MashupCenter」と「WebSphere sMash」は、どちらも開発画面がWebブラウザーベースです。アプリケーションはWebブラウザーで実行されるAjaxなどのRIA(リッチ・インターネット・アプリケーション)で作られており、パソコンに開発ツール・ソフトウエアをインストールしません。

 また、マッシュアップの技術に「ウィジェット」という技術も幅広く使われ始めています。ウィジェットはウインドー・ガジェットの省略造語で、PC、携帯電話、家電製品などさまざまなデバイスで稼働可能なUI(ユーザー・インターフェース)部品です。ウィジェットは、今後クラウドの標準的なUIパッケージング技術として注目されており、OpenAjaxなどで標準化作業も進められています。

 プロジェクト管理をするためのRational製品群のサーバー・プラットフォームとなる「Jazzプラットフォーム」では、開発プロジェクトを開発者自ら開始し、タスクやソースコードをクラウド上で管理していきます。

 また、クラウドの世界では、超スケールシステムがしばしば活躍します。そういった技術をエンタープライズ・システムにも取り入れる流れがあります。「WebSphere eXtreme Scale」では、クラウドの世界で広く使われ始めているキーバリュー・ストアやMapReduceといった技術がWASのクラスター環境で利用可能です。

 今回は、パブリック・クラウドで提供されているソフトウエア機能や、プライベート・クラウドを構築するために利用されるソフトウエア製品やアプライアンスをご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。

 次回からは、構築や設計のノウハウについて解説を続けていきます。

日本IBM
ソフトウェア関連テクノロジーの推進役「エバンジェリスト」。国内テクノロジー推進戦略を策定するソフトウェア・テクノロジー・カウンシル議長。「クラウドを実現する技術」など著書多数。

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