モチベーション別サイト構築の重要性
ニーズを知るために現状サイトを把握する
現状のWebサイトを理解するのに役立つのがログ解析です。現状のWebサイトと今回のモチベーション別サイト構築(MTO)を実装したときの比較をするためにも必要になりますのでぜひやってみましょう。
まず、現状のWebサイトにどのようなモチベーションで訪問しているのか調査します。
検索エンジンからの検索キーワードと訪問するページの相関関係を見ることでわかることができます。先ほどの短期・中期・長期3つの属性に向けたコンテンツページを作っておきます。
「求人検索、求人詳細(短期)」「年収査定、転職時期(中期)」「本サイトの強み、提供サービス、キャリアプランニング(長期)」の3つのコンテンツにどのような検索キーワードで訪問しているのかを調査することで現状Webサイトに訪問しているユーザーを属性化し把握します。さらに、日・週・月のリピーターもクロス集計をすればもっと精度が上がります。
検索エンジンキーワードを見るポイントは2つあります。
1つ目は、「各コンテンツに訪問するトップキーワード50位の比率」です。ほかのコンテンツと比べて、どんな検索キーワードで訪問しているのかの傾向をつかむことができます。リニューアル後と比較するために比率を確認してください。
2つ目は、「100位以下の特徴的なキーワード」です。時系列で少しずつ増えてきている検索キーワードは、今後の隠れたニーズがでている場合がありますので注意深く見てください。
今回は例としてキーワード分類を挙げましたが、SEO対策やリスティングの状況により大幅に変わるため、調査時期の状況も把握して参考程度と考えてください。
サイトに求められるニーズ群をアンケートで調べる
Webサイトでどんなことが求められ、何を目的として訪問しているのかアンケート調査も使いましょう。
アンケート調査で陥りやすい失敗のポイントを簡単に5つ列挙しておきます。
1つ目は、「調査対象は自社会員のみではやらない」ことです。自社会員で実行することで費用は抑えられますが、サンプリングバイアス(偏り)がでますので、自社会員でやる場合はバイアスがかからない一般ユーザーもセットに調査し、会員と非会員の差を見ることが重要です。
2つ目は、「調査票のテーマは絞る」ことです。いろいろなことを聞きたいのはわかりますが、設問が多岐にわたれば調査結果がぶれてしまい、集計時間が膨大にかかります。
3つ目は、「フリーアンサーはあくまで参考程度にする」ことです。定量調査といってもフリーアンサー欄で「○○が多いから重要だ!」というのは見るべきポイントですが、偏る可能性があるのであくまで参考程度にするとよいでしょう。
4つ目は、「集計結果の差は誤解が存在する」ことです。集計結果で「大きな差」がでるときもあれば「小さな差」になるときもあります。人はときとして矛盾した行動をとり、そのときの気分や環境により結果が変わるものです。「小さな差」のときは、なぜそうなったのかを考えるようにしましょう。
5つ目は、「厳しい評価を冷静に受け取る」ことです。アンケートに答える人は心理的に「よく思われたい」と行動する人が多いものです。良い意見ばかりをうのみにせず「厳しい意見」にこそ見るべきポイントがあります。
今回紹介したアンケートサンプルをダウンロード(http://www.thinkit.co.jp/images/article/114/1/11411.zip)できますので、参照ください(11411.zip/5.77 KB)。
次回は、今回のログデータとアンケート調査を基にモチベーション別にどのようなコンテンツを掲載すべきかを説明します。