情報の閲覧・活用の工夫とは?
サービスをWebの世界に拡張する
Webの世界の動向はオープン化です。ますます1つ1つのサービスとWebサイト、デスクトップ、携帯などのボーダーが薄くなってきています。
ユーザーやデータを自社サービスに抱え込まないで、シームレスな連携や誘導や拡張のアイデアを取り入れることによって、もちろんユーザーにとっての利便性や楽しさは増しますし、ユーザー接点が増え、トラフィックやブランド認知の向上などに寄与します。
Webサイト内のフィーチャー&ファンクションだけでなく、こうした外部との連携をいかにしていくか、という視点で例を3つ紹介します。
1つ目は、「ウィジェット作成プロセスを提供」です。ユーザーが自分のブログで利用できるようなウィジェットメーカーを提供するというフィーチャーです。単純にウィジェットを提供するだけでなく、それをカスタマイズするプロセスを用意することによってユーザーの期待にこたえることができます。サンプルサイトは「Slide(http://www.slide.com/arrange)」です。
2つ目は、「API公開」です。APIを外部に公開することで自分のサービスでたまったデータの外部利用をしてもらい、ユーザーの誘導やブランドアップ、広告収入のアップが期待できるかもしれません。サンプルサイトは「Freebase(http://www.freebase.com/)」「TokBox(http://www.tokbox.com/view/developer)」です。
3つ目は、「埋め込みコードの提供」です。ビデオやチャットの埋め込みコードの提供することによって、ユーザーが自分のブログなどで紹介できるようにするというフィーチャーです。動画やチャットだけでなくフォーマット化できるものはユーザーに埋め込みの可能性を考えて見ることができると思います。サンプルサイトは「YouTube(http://www.youtube.com)」「Ustream(http://www.ustream.tv)」です。
「サービスをWebの世界に拡張する」のフィーチャー&ファンクションのリストをダウンロード(http://www.thinkit.co.jp/images/article/115/4/11543.zip)できますので、参考にしてみてください(11543.zip/6.96 KB)。
最後に
これまで4回の連載を通してサービスデザインの進め方の基本、発想の仕方、具体的なフィーチャー&ファンクションのパターンを見てきましたが、いかがでしたでしょうか。
実際にほかのサービスで提供されている具体的なフィーチャーやファンクションにたくさ触れて頭のデータベースにストックしておくことが魅力的なサービスを作るためには重要です。もちろん単にマネをするだけでなく、自分たちのサービスにとってどう生かせるか、ユーザーから見てどうなのかという視点や議論を忘れてはいけません。
また、Webのサービスデザインというテーマはとても広く、さらに上位のサービス戦略の考え方やコンセプトの出し方、設計の考え方などさまざまなテーマがありますので、全体のプロセスやコンセプト、根幹にある考え方をきちんと踏まえた上で、具体的なサービス内容やフィーチャー&ファンクションを考えていっていただけたらと思います。
Webのフィーチャーやファンクションは日々進化していますし、タケノコのように新しいサービスが出てきています。そんな中、ユーザーのアテンションを集め続けるためには、常にユーザーに対するサプライズを与え続けることが必要だと思います。サプライズというのは、新しくて期待以上の何かを与えることによって実現されますので、そういった意味でも、常に新しいサービスのチェックを怠らず、よいものがあったら取り入れて永続的に進化させ続けていってください。