性能検証!速いのはどっち?
lighttpdとApacheの処理性能を比較
「第1回:lighttpdを知っていますか?(http://www.thinkit.co.jp/article/119/1/)」では、軽量Webサーバーであるlighttpdの概要や特徴、機能面の紹介、Apacheとの違いを簡単に解説しました。
その中で、lighttpdは一般的に軽量で高性能と言われていることについて触れましたが、今回は実際にベンチマークツールを使用して、lighttpdがApacheと比較して本当に性能が良いのか、どのくらい性能差があるのかを検証していきます。
検証環境の構成
図1の上に今回の性能試験で利用するサーバーのスペックを、下に検証環境を示します。サーバー機器としては一般的なスペックのものを用意しました。このサーバーの上位にあるスイッチングハブに、クライアントとして、ほぼ同スペックの機器を同一ネットワーク内に接続しました。このクライアント機器で、後述のベンチマークツールを実行します。
また、上記のサーバー機器内で、以下のWebサーバーソフトウエアを稼働させ、さまざまな条件のもと性能を計測することとします。
・Apache 2.2.9(mpm:prefork)
・Apache 2.2.9(mpm:worker)
・lighttpd 1.4.19
Apacheは現行だけでも1.3系、2.0系、および2.2系の3種類のバージョンをサポートしていますが、今回は性能計測という目的であること、および今後の発展性を考慮して、最新版の2.2系を使います。
なお、Apacheはバージョン2.0より、サーバーでリクエストを処理する部分がMPM(Multi Processing Module)というモジュールになっており、数種類の方式から自由に選択できます。今回はよく利用されている「prefork」と「worker」の2種類を比較対象とすることにしました。preforkとworkerの違いについて、以下に簡単にまとめておきます。
まずpreforkは、従来のApache 1.3系のバージョンと同様に、クライアントからのリクエストに対して子プロセスを起動し、それぞれの子プロセスが通信を受け持ちます。そのため、ある子プロセスが何らかの原因でフリーズしたとしても、ほかの子プロセスには影響しないといった特徴があります。
workerは、Apacheの子プロセスがマルチスレッドで動作し、クライアントに対してスレッドが対応する方式です。1つのプロセスがマルチスレッドを利用して複数の通信を受け持つこととなります。そのため、preforkと比べ子プロセスの起動数を少なくできるため、一般的にメモリ使用量を減らすことが可能です。
なお、前提として上記のWebサーバーソフトウエアは、ソースからコンパイルしてインストールを行い、基本的に最初から準備されているデフォルトの設定ファイルを使用するようにしました。コンパイル時のオプションもMPMの設定以外は標準設定とします。
インストール時のオプション設定や、インストール手順は以下の通りです。
Apache(prefork)は以下のようにインストールしました。
# ./configure --with-mpm=prefork
# make
# make install
Apache(worker)は以下のようにインストールしました。
# ./configure --with-mpm=worker
# make
# make install
lighttpdは以下のようにインストールしました。
# ./configure
# make
# make install
なお、筆者が実際に使った検証環境では、各プロダクトを別々の場所にインストールするため、上記のコンパイルオプションに加えて、prefixオプションによるインストール場所の指定を行ってインストールを行いました。
次は試験内容と評価結果を紹介します。