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信頼をスケールさせるDevRelの仕事 DevRelCon Tokyo 2018開催

2018年9月28日(金)
高橋 正和
2018年7月に開催されたDevRelCon Tokyo 2018の基調講演から、大西彰氏とDon Goodman-Wilson氏の講演を紹介する。

7月15日に、DevRel(開発者マーケティング)に関するカンファレンス「DevRelCon Tokyo 2018」が開催された。

ここでは前回の記事に続き、4つの基調講演から、IBMの大西彰氏とGitHubのDon Goodman-Wilson氏による講演をそれぞれレポートする。

新規プロジェクトの苦労とそれに耐える回復力

IBMの大西彰氏は、「Envisioning the future with resilience from unknown to great achievement」と題し、「世界初」の新規プロジェクトを進めるときの苦労、特にコミュニケーションについて、IBMや前職のMicrosoftでの経験をまじえて語った。

IBMの大西彰氏

IBMの大西彰氏

想定される場面は、新興技術のプロジェクトに任命されたときだ。世界を変える機会でもあるが、失敗するかもしれない。サンプルコードも事例もない。「夢を追いつつ精力的であることが求められる」と大西氏は言う。

まずはリリース日や、どんな技術を使うか、パートナーは誰か、といったゴールを設定する。この段階ではきちんとした計画を作るのではなく、まだアイデアの段階だ。「これは想像するだけでリスクがないので、簡単だ」と大西氏は語る。

ゴールを設定する

ゴールを設定する

続いてパートナーを探す。「これは重大なプロセス」と大西氏。開発やマーケティングのチーム、内部のエキスパート、外部のビジネスパートナーなどを集める。

パートナーを探す

パートナーを探す

このとき「あなたは孤独ではないが、プロジェクトのさまざまなことを管理する必要がある」と語る。新しい技術を、サンプルコードやドキュメントなしで使えるようにしなくてはならない。「クレイジーな状況だが、王道はない。回復力(resilience)のためにはトライアル&エラーが必要となる」(大西氏)。

回復力(resilience)

回復力(resilience)

「世界初」を狙う場合、プロジェクトはトップシークレットになる。そのためには、まず自分自身が秘密を守れなければならない。さらに外部とNDAを結ぶ場合は、「コアメンバーは、会社の側に立って、フェイス・トゥ・フェイスで会話し、忍者のように行動することが求められる」と大西氏は説明した。

NDAの苦労

NDAの苦労

NDAを結ぶ場合以外でも、たとえば米国本社と現場の間で調整役になることが求められる。「現場で言ったことと、それを本社に伝えることは、同じ言葉ではなくてフィルターする必要がある。その逆も同じ」と大西氏は語る。たとえばネガティブな反応や、事情の違いによる言葉などをダイレクトに返すと、破綻してしまうという。

間に立つ苦労

間に立つ苦労

また時間(時差)の管理もある。大西氏の経験では、2015年のプロジェクトでは夜中に2時間ごとに起き、メールをチェックして返事していて大変だったという。

時間(時差)の管理の苦労

時間(時差)の管理の苦労

変更管理についても回復力が必要だと説明された。良い話と悪い話がミーティングや変更ごとに起こり、バックアッププランもロールバックプランもない、そこでテストに多くの時間を使うという。

変更管理の苦労

変更管理の苦労

最後にリリースに向けて。「心身の健康が重要だ。最後の3~5日はとてもとても大変なので」と大西氏は語る。ここでは、処理すべきタスクの管理を負担の軽い方法でする必要がある。「おすすめは、残りの項目と完了した項目をコアメンバーにメールすること」(大西氏)。

リリースに向けての苦労

リリースに向けての苦労

こうしてリリース日がやってくる。この段階ではもはやできることはなく、様子を見ているだけだ。そしてプロジェクトが成功すれば、忍者ではなく日常の役割に戻る。

まとめとして大西氏は「1つ1つは難しくないが、回復力が重要」という点を強調した。

フリーランスのライター&編集者。IT系の書籍編集、雑誌編集、Web媒体記者などを経てフリーに。現在、「クラウドWatch」などのWeb媒体や雑誌などに幅広く執筆している。なお、同姓同名の方も多いのでご注意。

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