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英語の4技能「話す」「聞く」「書く」「読む」で一番大切なものはどれか

2020年11月4日(水)
宮園 順光(みやぞの よりみつ)

はじめに

皆さんは、英語で「話す」「聞く」「書く」「読む」の4つの技能のうち、どれが一番得意ですか?

日本人の英語学習者の多くは「話すことが苦手」と言うのをよく耳にします。TOEICでは、リスニングセクションの方がリーディングセクションより毎回平均点が高くなるため、「読む」ことより「聞く」ことの方が得意な人が多いという結果が出ています。

しかし、英語の映画などを観ていると、何を言っているのかは聞き取れなくても、文字に起こして読んでみると理解できるという経験をしたことがある方も多いのではないでしょうか。

では、英語の4技能で一番難しいのはどれでしょうか。また、そもそも4技能で一番大切なのはどれで、最初にどの技能を伸ばせば良いのだろうか、という疑問が浮かんできます。

結論から言うと、突出して習得が難しいという技能はなく、いずれかの技能が一番大切ということもありません。どれか1つだけを伸ばすというのではなく、自分に必要な技能を意識しつつ、4つの技能すべてを伸ばすことが不可欠なのです。

それでは、その理由を詳しく見ていきましょう。

実は4つの技能は深く関連している

「話す」「聞く」「読む」「書く」という4つの技能は、それぞれ独立した技能だと考えている方が多くいます。しかし、実はこれらの技能は深く関連しているのです。つまり、1つの技能を上げることは、他の技能の向上にも繋がるのです。

例えば、皆さんは英語で会話をする際、「話す」ことに意識が行きがちかもしれませんが、会話するということは、スピーチのような一方向なものではなく、情報を伝えるには「話す」、情報を知るには「聞く」という人と人とのやり取りが生じます。「話す」と同時に「聞く」ということが必要不可欠なのです。

また、上手に英語を話せるようになるためには、何が必要だと思いますか。文法や単語、イントネーションといったものが挙がるのではないでしょうか。そして、発音と考えた方も多いはずです。では、正しく言葉を発音できるようにするには、どうしたら良いのでしょうか。

そうです、模範例を真似するのが一番です。そして、そのために必要なのは「聞く」ことです。話せるようになるためには「聞く」という技能もとても大切ですし、「話す」力を伸ばそうとした場合、「聞く」力も一緒に伸びてくるのです。

「それは分かるけど、他の『読む』と『書く』技能とは全然関係ないのでは?」という声が聞こえてきそうです。先の「英語が話せるようになるために必要なことは何か」という質問で、文法や単語と考えた方もいらっしゃるのではないでしょうか。

小学生以下(正確には小学校中学年以下)であれば文法も耳から聞いて覚えることも可能ですが、中学生以上になると物事を論理的に考えるようになります。文法を感覚で捉えるのではなく、文法というルールを目で確認し、それを話したり、書いたりということに繋げながら覚えていきます。

ちなみに、筆者は小学校5年生の途中に、全く英語が分からない状態で海外へ行きました。人の話を表情等から感覚的に聞いて推測すると同時に、ひたすら単語を辞書で引いていたことを今でも覚えています。

話を戻しましょう。例えば単語を覚えるには、漢字を覚えるときと同じように、繰り返し書くことが効果的です。単語を知ることで、情報を話すことも、聞くことも、読むこともできるので、これらも全て関係があると言えます。

ここで挙げた例はほんの一部ですが、4つの技能が独立した技能ではなく、しっかりと関連性があることをお分かりいただけたのではないでしょうか。

1つの技能を上げることで、他の技能を上げることにも繋がります。重要なことは「どれを意識して上げるか」ということです。

自分に必要なものから意識して上げる

ここまで説明してきたように、4つの技能はどこかで関連しています。無理をして4つの技能すべてを伸ばそうと別々に学習しなくても、例えば「話す」技能を伸ばす過程で「聞く」技能を伸ばす学習が入ったり、「書く」技能を伸ばす過程で「読む」技能を伸ばす学習が入ったりします。

重要なことは、学習者自身が4つの技能の中で一番必要と考えるものから意識して伸ばすことです。そうすることで、必然的に他の技能を伸ばす学習も行うことになります。

ここで1点だけ注意が必要です。例えば「聞く力を伸ばすために、ひたすら英語を聞いていれば良い」、または「話す力を伸ばすために、英会話学校やオンライン英会話で決められた時間内だけでただ英語を話していれば良い」とは考えないことです。

英語の最適な習得方法は人やレベルによって異なりますが、調べたり、真似したり、様々なことを行う必要があります。情報収集して色々な学習方法を試しながら、「これは自分に効果的だ!」と思えるものを見つけ、伸ばしたい技能を伸ばすようにしましょう。

以降では、英語の学習者が、どの技能を一番意識して伸ばすべきかを見て行きます。

「話す」力が必要な人とは

4つの技能のうち、話す力を一番に意識して伸ばすべきなのは、下記のような方です。

  • これから海外で働くことが決まっている方
  • 海外に留学する予定の方
  • 今すぐに仕事や学業で英語が必要な方
  • 英語でプレゼンテーションやスピーチをすることが多い方
  • 普段英語は使わないが、海外旅行へ行く予定の方
  • 海外の友達とオンラインで話すことが多い方

会話をすることが中心ですが、話す力を伸ばすために適切な学習を行えば、会話に必要な聞く力など、他の技能も同時に伸ばすことができます。

「聞く」力が必要な人とは

次に、聞く力を一番に意識して伸ばすべき方です。

  • 英語のセミナーやプレゼンテーション等を聞くことが多い方
  • YouTubeや動画配信サービスで動画を楽しみたい方
  • きれいな発音や英語特有の音の変化をつけて話せるようになりたい方
  • TOEICのリスニングセクションの点数を上げたい方

実際は、話す力が必要として挙げた方々も該当しますが、話す力を一番に意識しながら、聞く力も同時に伸ばす方が得という意味で、話す力を伸ばす人の方が若干数が多くなっています。決して、話す力のほうが聞く力よりも大切だという訳ではありません。

「読む」力が必要な人とは

続いて、読む力を一番に意識して伸ばすべき方です。

  • 論文や書物を多く読む必要がある方
  • 業務でEメールや書類を読むことが多い方
  • 趣味で英語の本を沢山読む方
  • インターネットで英語の情報を収集することが多い方
  • TOEICのリーディングセクションの点数を上げたい方

読む力は、目から様々な情報を得るために必要です。現代はインターネットが発達しているため、検索すれば簡単に海外の情報を得ることができます。上記に該当する方は、こういった情報を正しく理解するために、意識して読む力を鍛えるようにしましょう。

「書く」力が必要な人とは

最後は、聞く力を一番に意識して伸ばすべき方です。

  • Eメールを沢山書く必要がある方
  • 英語で報告書や提案書等を書く必要がある方
  • メッセンジャーやチャットでのやり取りが多い方
  • 記事や書籍を書く方

最近の傾向として、業務で英語を使うという方の多くは、会話ではなくEメールでやり取りをしています。そういった方は、書く力を一番に意識しながら英語力を伸ばすと良いでしょう。

おわりに

いかがでしたか。英語の4つの技能は全て大切であるということが、お分かりいただけたのではないでしょうか。

「話す力を伸ばしたい」と考えて実際に効果的な学習を行った場合、他の技能を伸ばすことにも繋がります。よって、学習者の皆さんは、どの技能が必要かを考えた上で、その技能を一番に意識して学習しましょう。そうすることで、他の技能も伸ばすことに繋がるだけでなく、「あれもこれも伸ばさないと」という焦りや混乱を避けることができます。

様々な学習法を試しながら、しっかりと必要な英語力を身につけるようにしましょう。

著者
宮園 順光(みやぞの よりみつ)
株式会社グローレン
株式会社グローレン 取締役。小学校〜高校卒業までをベルギーで過ごす。上智大学を卒業後、大手英会話スクールにて7年間教務主任として多くのクラスを担当。外国人講師の指導にも従事。マンツーマン英会話教室の代表を経て、2014年から現職にて語学プログラムの総監修を務める。これまで1万人以上にレッスンを提供。TOEIC990点、英検1級。

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