米Microsoftが「Visual Studio Code」(β)をオープンソースで公開、米国Netflix社がオープンソースのクラウド管理ツール「Spinnaker」をリリース、ほか

2015年11月20日(金)
吉田 行男
米国Microsoft社は18日、コードエディタ「Visual Studio Code」のβ版をオープンソースで公開したと発表しました。

こんにちは、日立ソリューションズの吉田です。

そろそろ秋が深まって、北海道では天気予報に雪マークが見られるようになり、最低気温も氷点下を記録するようになってきました。また今年の11月は例年になく多雨で、この時期の雨を「山茶花梅雨」と呼ぶそうです。そろそろ冬の到来を感じさせる頃ですね。

今週もOSSに関する注目すべきトピックをとりあげましたので、ゆっくりとご覧下さい。

「IIJ GIO統合運用管理サービス」が統合監視ソフトウェア「Zabbix」に対応

インターネットイニシアティブ(IIJ)社は16日、ユーザー企業の複数システムを一元的に監視・運用する「IIJ GIO統合運用管理サービス」において、外部システムと連携可能なAPIを開発し、オープンソースの統合監視ソフトウェア「Zabbix」との連携を開始したと発表しました。今回、同サービスにおいてAPI機能を利用したZabbixとの連携が可能になり、現状のシステム監視環境を変更することなく、IIJ GIO統合運用管理サービスの監視対象に含めることができ、複数あるサーバーの監視アラートの統合的な運用や、監視アラートのレポートをサービスポータルで参照できるなど、システム全体の効率的な運用を行えるとのことです。

(参照記事:http://www.iij.ad.jp/news/pressrelease/2015/1117.html

米国Microsoft社、「Visual Studio Code」(β)をオープンソースで公開

米国Microsoft社は18日、ニューヨークで開催中の開発者イベント「Microsoft Connect(); 2015」(以下「Connect();」)において、コードエディタ「Visual Studio Code」のβ版をオープンソースで公開したと発表しました。Visual Studio Codeは、同社が今年4月の開発者会議「Build 2015」で発表したWindows、Mac、Linuxで使用できる無償のコードエディタで、Gitによるソースコード管理、IntelliSense、コードリファレンス、デバッガなどの機能を搭載しています。また、米国Google社がオープンソースで公開している言語「Go」やPascal、F#など多数の言語をサポートしています。

(参照記事:http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1511/19/news058.html

米CoreOS、コンテナの安全性モニタリング「Clair」をオープンソースとして公開

米国CoreOS社は13日、コンテナ向けの脆弱性検出ツール「Clair」をオープンソースで公開しました。Clairはコンテナのセキュリティ欠陥をモニタリングするツールで、API主導の解析エンジンを利用し、コンテナをレイヤ単位でスキャンし脆弱性データベースから既知の脆弱性を検出してユーザーに警告します。開発者はこれを利用して、継続的にコンテナの脆弱性をモニタリングするサービスを構築できるとしています。オープンソースで公開した理由は、インフラのセキュリティを改善するツールをすべてのユーザーとベンダーに提供することが重要だと考えているからです。

(参照記事:https://osdn.jp/magazine/15/11/16/150000

米国Netflix社、オープンソースのクラウド管理ツール「Spinnaker」をリリース

米国Netflix社は16日、Google、Microsoft、Pivotalと共同開発した新しいオープンソースプロジェクト「Spinnaker」をリリースしました。Netflixは、オープンソースベースの「Continuous Delivery」(継続的デリバリー)プラットフォームとしてSpinnakerをアピールしており、「Google Cloud Platform」やAWSおよび「Cloud Foundry」上でクラスタのデプロイメントと管理をサポートしています。

(参照記事:http://japan.cnet.com/news/service/35073683/

レポート「OSSプロジェクトに見る企業間の「協業と競争」は自転車ロードレース?
─「Enterprise User''s Meeting Japan 2015」レポート」公開

11月9日、The Linux Foundationは横浜で「Enterprise User's Meeting」を開催しました。このイベントは、エンタープライズ市場におけるLinux/オープンソースの活用事例を紹介するイベントで、この記事では詳しくレポートしています。その中でも、OpenDaylight Executive DirectorであるNeela Jacques氏のオープンソースプロジェクトに関する講演が興味深かったとのことで、IT業界の現状を自転車のロードレースという比喩を使い、差別化する以外の点では、始めはどんどんと協力し、最後には競争するという『協業と競争』が起こっていると説明していました。ここ数年は、特にこのような傾向が強くなってきています。

(参照記事:http://gihyo.jp/news/report/2015/11/1601

編集後記

今週は「第14回 北東アジアOSS推進フォーラム」が東京で開催され、筆者も参加してきました。
日本だけでなく中国および韓国からの方も含めて約150名が参加し、昼の大会だけでなく、夜にはお酒を酌み交わしながら海外の方々と交流することができ、大変有意義なイベントでした。

イベントのご案内
OSSウォッチ番外編 ~ 吉田行男と振り返る今年のOSS業界

Think ITで2014年11月7日に第1回が公開された「週刊OSSウォッチ」。本日11月20日公開分でなんと50回を迎えることになりました。
そこで、著者の吉田氏をはじめ、OSS関連のゲストをお呼びして今年1年を総括するイベントを開催します。

【開催概要】
開催日:2015年12月11日(金)
時間:19:30~22:00(19:00受付開始)
内容:
 (1)19:30~20:30 吉田さんご講演+OSS関係者パネルディスカッション(仮)
 (2)ラウンジでビアバッシュ!
会費:無料

参加をご希望の方は、下記イベントサイトよりお申し込みください。
http://connpass.com/event/396/

皆さまのご参加を心よりお待ちしております。

2000年頃からメーカー系SIerにて、Linux/OSSのビジネス推進、技術検証を実施、OSS全般の活用を目指したビジネスの立ち上げに従事。また、社内のみならず、講演執筆活動を社外でも積極的にOSSの普及活動を実施してきた。2019年より独立し、オープンソースの活用支援やコンプライアンス管理の社内フローの構築支援を実施している。

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