モバイルを諦めたMicrosoft、iOS開発者を求める
Pathというソーシャルアプリが韓国のインターネット企業 Daum Kakaoに買収されていたが、これに関して耳にすることはあまりない。だが最近、目を引くツイートがでた。
❝皆さん、こんにちは! 2015/12/31に出たPathのWindows Phone版のアップデートに向けて、必死に取り組んでいます。❞
東南アジアでは多くのユーザーを抱えているPathだが、Windows Phoneプラットフォームについては諦めていた。Microsoft自身も諦めており、同モバイルOSではなく、PCからスマートフォンまでの全てをWindows10で動作させようとしているところだ。
そんな中、Microsoftはある問題を抱えている。重要なのはモバイルユーザーがどこにいるかという観点から、開発者はiOSかAndroidにかけているのだ。Windows10スマートフォンが世に出ようとしているところだが、アプリの不足により見通しは明るくない。
|Windowsとの懸け橋
そうして、モバイル開発者たちが慣れないプラットフォームで新たにコードを書くことなく、既にあるコードをWindows10プラットフォームで動作させることが出来るソリューションを作ろうと、Microsoftは必死に取り組んでいる。彼らの戦略とは、iOS、Android、Web、デスクトップPC用に書かれたコードや培われた技術を、デスクトップ・モバイルアプリの統合的な配布プラットフォームとなるWindows Storeに取り入れられるようにする、ブリッジの役目を担う一連の技術を確立することだ。
まず、MicrosoftはプロジェクトIslandwoodとして知られるiOSとのブリッジについて、2015年8月のWindowsブログで詳しく述べた。この時は「開発中の」オープンソースツールキットとして発表された。このiOSとWindows10をつなぐツールのソースと説明はGitHubで公開されている。
そして今、MicrosoftはWebツールも間もなくリリースを控えていると発表した。このツールは次のようなものだという。
❝アプリとブリッジの互換性を自動的に解析し、ブラウザ上ですぐに結果が分かるものだ。利用中のブリッジツールがサポートしていないライブラリに対する提案や助言、回避策に加えて、Windowsにアプリを取り入れるためにどれほど作業が必要か正確に知ることができる。❞
Microsoftは未だブリッジを作り上げることに苦労している。去年の11月の時点では、プロジェクトAstoriaとして知られるAndroid用ブリッジは進捗が遅れているようだった。
プロジェクトWestminsterとして知られるWeb用ブリッジは状況がましなようだ。.NETアプリや32ビットWindowsアプリ向けのブリッジ、プロジェクト Centinnialも同様で、今年中にはパブリックテストが可能になるとのことである。
皮肉なことに1990~2000年代当初までは、Windowsといえば開発者が主に取り組んでいたプラットフォームであり、他のOSの方がポーティングツールを用意しなければならなかった。Linuxで.NET互換性のためのMonoプロジェクトなどはその一例だ。だが今や状況は逆転し、Microsoftはポーティングの苦しみを味わっているのである。
ReadWriteJapan編集部
[原文]
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