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| CMMIで目指すもの | ||||||||||
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実際、システムインテグレータやソフトウェアベンダーはCMMIで何を目指せばよいのでしょうか。ここでは、「ソフトウェア開発の品格」という少し違った視点でCMMIを捉えたいと考えます。 一部に誤解されいる人たちがおられるのですが、CMMI導入を考えている企業の方の中には企業価値としてCMMIを認証取得のように捉えており、導入そのものをゴールとして目指しているところも見受けられます。しかしCMMIは企業の認証資格ではなく、導入しただけでは意味はありません。 本来、CMMIは自社の成熟度の達成状況をはかるものです。言い換えれば、CMMI取得はその企業のソフトウェアプロセスレベルの品質を高める上での通過点です。あくまで通過点なので、ソフトウェアプロセスのPDCAを回すことがCMMI作成の最終的な目標となのです。 一方、CMMIのようなソフトウェア開発の指標では、ソフトウェアプロセスの品質がよければおのずと製品の品質もよくなるといわれます。つまり、いくら直接ソフトウェアの製品自体の品質を求めても、ソフトウェアプロセスが悪ければ決してよい品質の製品はできません。 要するに、CMMIを導入することによりソフトウェアプロセスの品質を高め、ソフトウェアプロセスのPDCAサイクルを回していくことが重要なのです。 しかし現実のソフトウェア開発において、ソフトウェアプロセスの品質やソフトウェアプロセスのPDCAサイクルを考えて開発を行っているでしょうか。ソフトウェア開発をするにあたり、高品質・高生産性・短納期という旗を掲げてはいるものの、納期厳守、目標品質値の達成、そして原価キープのためには手段は考えずにプロジェクトやソフトウェア開発を行っているのではありませんか。 まだ、これら3つを追いかけているのなら許される範囲かもしれませんが、納期厳守や原価キープだけを優先させて品質をおろそかにしていることは許されないでしょう。 ソフトウェア開発にも「美しさ」が必要であり、CMMIは美しさを引き立てるための有効な手引書なのです。 |
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| ソフトウェア開発の品格 | ||||||||||
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ではソフトウェア開発の「美しさ」とは何でしょうか。もちろん期間やコストを無視して高品質なものを求めるものではありませんし、自社の開発標準をそのまますべてのソフトウェア開発に押し付けるものでもありません。 期間/コスト/品質を全体として最適にしたものであり、自社の開発標準を個々のソフトウェア開発にうまく適用させることができ、さらにフィードバックだけでなくフィードフォワードできることがソフトウェア開発での「美しさ」になるのです。 この「美しさ」は、個々のソフトウェア開発やプロジェクトだけでなく、組織として企業がその「美しさ」を持っていなければなりません。すなわち、そこには「品格」がなくてはならないのです。 つまりソフトウェア開発の美しさとは、「ソフトウェア開発の品格/プロジェクトの品格/組織としての品格/企業としての品格」といえるでしょう。これら品格を備えるためには、ソフトウェアプロセスの品格やプロジェクトマネジメントの品格が問われます。品格は「あるかないかという単純な物差し」で計りがちですが、そうではなくて徐々に備えてくるものなのです。 「今、どの程度の品格が備わっているのか」「あとどのくらいのことを理解し、理解後にはたして想定した品格になるのか」「今の状態は、以前の状態の品格を損ねていないか」など成熟させていくものです。成熟度を知るためには「その成熟度では何が理解され、できているか」をソフトウェアプロセスで知る必要があります。そのためCMMIが重要なKPI(注1)となるのです。
※注1:KPI(Key Performance Indicator)
企業が企業目標やビジネス戦略のために設定した、具体的な業務プロセスをモニタリングするために設定した指標で特に重要なもの。 これからのソフトウェア開発は成熟度をはかることにより、ソフトウェア開発の品格を組織としての企業として捉えることが重要になってきます。筆者たちはCMMIを活かすことによって、ソフトウェア開発の品格を持つことができると考えています。そして、それがCMMI作成で目指すものではないでしょうか。 次回は、CMMIのレベル2での主要キーワードになっているプロジェクトマネジメントについて考えてみましょう。 |
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