第6回:ブレード・サーバへの導入 (4/4)

VMware ESX Server サーバ統合ガイド
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第6回:ブレード・サーバへの導入

著者:デル   2006/8/18
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構成3

   この構成では、NIC0をサービス・コンソールとVMkernelで兼用します。NIC1は、VMkernel専用となります。NIC0は、VMに加え、サービス・コンソールの通信も処理します。NIC1が処理するのは、VMotionの通信のみです。この構成を採用するには、次の手順に従ってください。流れは構成2とほぼ同様です。
  1. サービス・コンソールにルート(root)レベルの権限でログインし、vmkpcidivy -iコマンドを実行します。これは対話形式のコマンドで、サービス・コンソールと仮想マシン間にデバイスを割り当てるとき、利用できます。ここではNIC0を構成して、サービス・コンソールと仮想マシンから共有できるようにします。
  2. サーバを再起動します。
  3. MUIを使って、2つの仮想スイッチを作成します。1つは仮想マシン用(NIC1)、もう1つはVMotion(NIC0)用です。

表5:構成3を採用した場合のインストール後の処理

※注5: VMotionを実行するには、全ブレード・サーバでスイッチ名を同一にする必要があります。


構成4

   この構成では、NIC0をサービス・コンソールとVMkernelで兼用します。NIC1は、VMkernel専用となります。VMkernelはNICのボンディング(結合)機能をサポートしており、NIC0とNIC1をチーム化することができます。ボンディング機能により、NICの冗長構成と負荷分散が可能になります。この構成を採用するには、次の手順に従ってください。

  1. サービス・コンソールにルート(root)レベルの権限でログインし、vmkpcidivy -iコマンドを実行します。これは対話形式のコマンドで、サービス・コンソールと仮想マシン間にデバイスを割り当てるとき、利用できます。ここではNIC0を構成して、サービス・コンソールと仮想マシンから共有できるようにします。
  2. 構成ファイル(/etc/vmware/hwconfig)の最後に次の行を加え、NICのチームを設定します。
    nicteam.vmnic0.team = "bond0" nicteam.vmnic1.team = "bond0"
  3. NIC1を、このチームのプライマリNICに指定することができます。これにより、NIC1はVMとVMotionを処理し、NIC0はサービス・コンソールを処理するようになります。これは、オプションですので、必ずしもこのようにする必要はありません。vmnic0(ESX ServerソフトウェアがNICに付ける汎用的な名前。ここではNIC1の名前として仮定)をプライマリNICとして設定するには、/etc/vmware/hwconfigファイルに次の行を追加します。
    nicteam.bond0.home_link = "vmnic0"
  4. サーバを再起動します。

表6:構成4を採用した場合のインストール後の処理

※注6: プライマリNICを指定するときは、vmkpcidivy -iコマンドを実行して、実際のNIC名を調べてください。


VLANのセットアップ

   構成1〜4のいずれを採用する場合も、VMotion用のNICは、別のVLANに接続することを強くお勧めします。別のVLANに接続すれば、このNICを他のネットワークから切り離すことができ、VMotionトラフィックの安全性が高まります。ESX Serverソフトウェアの仮想スイッチを使ってVLANをセットアップする方法は、「ESX 2.5 Server Administration Guide」をご参照ください。

   PowerConnect 5316Mスイッチ・モジュールを使ってVLANをセットアップする方法は、以下のURLに掲載されている「Dell PowerConnect 5316M System - User Guide」をご参照ください。



PowerConnect 5316Mスイッチ・モジュールを使ったフォルトトレランスの設定

   構成4でPowerConnect 5316Mスイッチを使い、NICのフェイルオーバを実現するには、ESX ServerのMUIから「Options」タブのアドバンスト構成を選びます。そして、次のパラメータ値を1に変更してください。

Net.ZeroSpeedLinkDown = 1

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デル株式会社
著者プロフィール
著者:デル株式会社
デルはスケーラブル・エンタープライズ戦略の重要な要素の1つとして、VMware社の仮想化技術を用いたサーバ統合ソリューションを提供しています。業界標準技術を採用した、デルのPowerEdgeサーバとDell | EMCストレージから構成されるハードウェアプラットフォームと、仮想化ソフトウェア「VMware ESX Server」、仮想マシン管理ツール「VirtualCenter」、仮想マシンの無停止マイグレーション技術「VMotion」を組み合わせることにより、柔軟でコストパフォーマンスに優れるサーバインフラストラクチャが構築可能です。

http://www.dell.com/jp/


INDEX
第6回:ブレード・サーバへの導入
  はじめに
  NICの構成
  ESX Serverソフトウェアのインストール
構成3
VMware ESX Server サーバ統合ガイド
第1回 VMware関連基礎用語
第2回 仮想化環境の設計と物理サーバから仮想マシンへの移行方法
第3回 サーバの構成
第4回 インストール時の注意点とチューニングポイント
第5回 SANブート
第6回 ブレード・サーバへの導入
第7回 Dell PowerEdge 1855ブレードサーバのVMware VMotion性能
第8回 ブレードサーバで構築するVMware ESX ServerのVLANネットワーク
第9回 VMware ESX Serverの性能〜ベンチマークテスト
第10回 ブレードサーバのLAMP性能特性とサイジング(前編)
第11回 ブレードサーバのLAMP性能特性とサイジング(後編)
第12回 メール・プロトコル環境における仮想CPU(導入編)
第13回 メール・プロトコル環境における仮想CPU(仮想化CPU機能編)
第14回 メール・プロトコル環境における仮想CPU(リソース管理編)
第15回 デュアルコア・サーバによるVMware ESX Serverの性能向上

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