第6回:ブレード・サーバへの導入 (3/4)

VMware ESX Server サーバ統合ガイド
VMware ESX Server サーバ統合ガイド

第6回:ブレード・サーバへの導入

著者:デル   2006/8/18
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ESX Serverソフトウェアのインストール

   ここでは、PE 1855を対象としたVMware ESX 2.5.1 Serverの様々なインストール方法について、概要を説明します。詳細なインストール手順は、「ESX 2.5 Server Installation Guide」や、「Dell PowerEdgeサーバを対象としたVMware ESX Server 2.5.1ソフトウェアの導入 - デプロイメント・ガイド」(下記URLのリソースセンター内)をご参照ください。
「ESX 2.5 Server Installation Guide」
http://www.vmware.com/pdf/esx/esx25_install.pdf
「Dell PowerEdgeサーバを対象としたVMware ESX Server 2.5.1ソフトウェアの導入 - デプロイメント・ガイド」
http://www.dell.com/vmware


CD-ROMを使ったインストール

   ESX Serverソフトウェアをインストールする最も簡単な方法は、CD-ROMドライブを使うことです。CDを使ってESX ServerをPE 1855にインストールするには、USB CDROMドライブが必要です。CDを使ったインストールが最も単純明快であることは確かですが、依然として手動の作業も必要となりますし、多くのブレード・サーバを扱う場合は時間もかかります。

   したがって、最初のインストールはCDから行い、2回目以降はスクリプトを使う方法が実用的です。次のセクションで、このスクリプトを使ったインストール手順を説明します。


スクリプトを使ったインストール

   VMwareは、スクリプトからインストールすることができます。スクリプトにより自動インストールが可能になるため、複数のブレード・サーバにESX Serverを導入する場合は便利です。スクリプトを使ってESX Serverをインストールするには、次の手順を踏みます。

   ESX Serverを導入するサーバのうち1台を、スクリプト・インストールのサポート・サーバとして構成します。このサーバが、ESXのインストールCDの内容を保存したデプロイメント・サーバとなります。

   ESXのマネジメント・ユーザ・インタフェース(MUI)を使って、ブート用フロッピ(またはキックスタート用ファイル)を作成します。このブート・フロッピ(または、PXE対応のキックスタート・ファイル)を使って、ターゲット・サーバを起動します。

   スクリプトを使ったESX Serverソフトウェアの詳細な導入手順は、「ESX 2.5 Server Installation Guide」の「Remote and Scripted Installation」セクションをご参照ください。

   静的なIPアドレスを使ってブート・フロッピのイメージを作成する場合は、ブレード・サーバごとに個別のブート・フロッピを用意する必要があります。DHCPアドレスを使ってイメージを作成する場合は、1つのイメージで複数のブレード・サーバがインストールできます。ESX Serverソフトウェアのインストールには、静的なIPアドレスを使用するよう強くお勧めします。


インストール後の処理

   これまで解説したいずれかの方法でESX Serverをインストールした後は、次の作業を実施してください。


NICの構成

   表2では、ESX Serverの導入時に採用できる4種類のNIC構成例をご紹介しました。以降に、それぞれの構成手順を示します。


構成1

   この構成では、NIC0をサービス・コンソール専用に、また、NIC1をVMkernel専用に割り当てます。NIC1は、VMとVMotionの両方の通信を処理します。この構成方法はデフォルト構成のため、特別な手順は必要ありません。


構成2

   この構成では、NIC0をサービス・コンソールとVMkernelで兼用します。NIC1は、VMkernel専用となります。NIC0はVMotionに加え、サービス・コンソールの通信も処理します。NIC1が処理するのは、VMの通信のみです。この構成を採用するには、次の手順に従ってください。

  1. サービス・コンソールにルート(root)レベルの権限でログインし、vmkpcidivy -iコマンドを実行します。これは対話形式のコマンドで、サービス・コンソールと仮想マシン間にデバイスを割り当てるとき、利用できます。ここではNIC0を構成して、サービス・コンソールと仮想マシンから共有できるようにします。
  2. サーバを再起動します。
  3. MUIを使って、2つの仮想スイッチを作成します。1つは仮想マシン用(NIC0)、もう1つはVMotion(NIC1)用です。

表4:構成2を採用した場合のインストール後の処理

※注4: VMotionを実行するには、全ブレード・サーバでスイッチ名を同一にする必要があります。

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デル株式会社
著者プロフィール
著者:デル株式会社
デルはスケーラブル・エンタープライズ戦略の重要な要素の1つとして、VMware社の仮想化技術を用いたサーバ統合ソリューションを提供しています。業界標準技術を採用した、デルのPowerEdgeサーバとDell | EMCストレージから構成されるハードウェアプラットフォームと、仮想化ソフトウェア「VMware ESX Server」、仮想マシン管理ツール「VirtualCenter」、仮想マシンの無停止マイグレーション技術「VMotion」を組み合わせることにより、柔軟でコストパフォーマンスに優れるサーバインフラストラクチャが構築可能です。

http://www.dell.com/jp/


INDEX
第6回:ブレード・サーバへの導入
  はじめに
  NICの構成
ESX Serverソフトウェアのインストール
  構成3
VMware ESX Server サーバ統合ガイド
第1回 VMware関連基礎用語
第2回 仮想化環境の設計と物理サーバから仮想マシンへの移行方法
第3回 サーバの構成
第4回 インストール時の注意点とチューニングポイント
第5回 SANブート
第6回 ブレード・サーバへの導入
第7回 Dell PowerEdge 1855ブレードサーバのVMware VMotion性能
第8回 ブレードサーバで構築するVMware ESX ServerのVLANネットワーク
第9回 VMware ESX Serverの性能〜ベンチマークテスト
第10回 ブレードサーバのLAMP性能特性とサイジング(前編)
第11回 ブレードサーバのLAMP性能特性とサイジング(後編)
第12回 メール・プロトコル環境における仮想CPU(導入編)
第13回 メール・プロトコル環境における仮想CPU(仮想化CPU機能編)
第14回 メール・プロトコル環境における仮想CPU(リソース管理編)
第15回 デュアルコア・サーバによるVMware ESX Serverの性能向上

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