第5回:SANブート (3/4)

VMware ESX Server サーバ統合ガイド
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第5回:SANブート

著者:デル   2006/8/16
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VMware ESX ServerでのSANブート環境による問題

   VMware ESX ServerでSANブートを構築した場合、Boot時などでActive Pathが変更(SP_AからBへBoot LUNが移動など)した場合、カーネルパニックが発生する等の症状でESXが起動しなくなる事があります。

   これは、Boot時にPathの切り替わりにより「/dev/sda」デバイスが不明となってしまい、「/」:rootや「/boot」がマウントできなくなるため起こります。


復旧方法

   復旧方法は以下の通りです。

  1. ストレージ操作により、従来のSPへLUNに戻す
  2. HBAもしくはFCスイッチで、Pathを確認し、本来のPathをDisableに新規でPathを構築させ、「/dev/sda」として認識させる

表2:復旧方法

   上記復旧方法を、適応するためにはVMware ESX Serverの知識だけでなく、SAN全般の知識(HBA/Storage/FCスイッチなど)が必要となり、トラブルシューティングに工数がかかります。

   但し、上記内容を十分配慮いただくことでマルチパス(HBAに対してnのPathを持つ構成)でもVMware ESX ServerでのSANブート環境を構築することは可能です。次項を参照して頂き、最適な構成をご検討ください。


ホスト側の設定

   VMware ESX ServerにおけるSANブート環境でのDELL推奨構成について解説する。まずはホスト側の設定を行う。


HBA/SPのPathは1:1とする

   現時点ではESXはI/Oロードバランシングの機能を持っていない為、1:1の構成でも問題ありません。

   1:2の構成にでもESX起動時のPath管理は正常に動作しますが、保守運用の観点を簡略化するために1:1の構成をお勧めしたします。

HBA/SPのPathの1:1
図7:HBA/SPのPathの1:1


ブートディスクのHost LUNは基本的には0とする

   各VMware ESX Serverにブートディスクをアサインする際には、他のデータディスクよりも最前でアサインする。その他のLUNにしますと、ブート時のディスクスキャンの順番が狂った場合、「Noブートdevice available」というエラーで起動できない場合がある。

Storage管理Soft(Navisphere Manager)より LUN50がブートディスクとしてHost LUNを「0」に設定
図8:Storage管理Soft(Navisphere Manager)より
LUN50がブートディスクとしてHost LUNを「0」に設定


HBA(ホストバスアダプタ)の設定

   HBA(ホストバスアダプタ)は、VMware ESX ServerではQlogic製品がサポートされています。以下、設定はQlogic製品を元に記載させていただきます。

Qlogic Fast!UTIL
図9:Qlogic Fast!UTIL

  1. サーバのHOSTより「ctrl + Q」Fast!UTILを起動後、各HBAより「Configuration Settings → Adapter Settings」からHost Adapter BIOS「Enabled」を選択
  2. 「Configuration Settings → Selectable Boot Settings」からSelect Boot「Enabled」を選択
  3. 「Configuration Settings → Selectable Boot Settings」からBoot PathとLUNの選択。「HBA1 → SP_A0_WWN --LUN0」「HBA2 → SP_B1_WWN --LUN0」

表3:HBAの設定

Qlogic Fast!UTIL(Selectable Boot)
図10:Qlogic Fast!UTIL(Selectable Boot)

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デル株式会社
著者プロフィール
著者:デル株式会社
デルはスケーラブル・エンタープライズ戦略の重要な要素の1つとして、VMware社の仮想化技術を用いたサーバ統合ソリューションを提供しています。業界標準技術を採用した、デルのPowerEdgeサーバとDell | EMCストレージから構成されるハードウェアプラットフォームと、仮想化ソフトウェア「VMware ESX Server」、仮想マシン管理ツール「VirtualCenter」、仮想マシンの無停止マイグレーション技術「VMotion」を組み合わせることにより、柔軟でコストパフォーマンスに優れるサーバインフラストラクチャが構築可能です。

http://www.dell.com/jp/


INDEX
第5回:SANブート
  はじめに
  VMware ESX ServerでのPath障害の動き
VMware ESX ServerでのSANブート環境による問題
  DELL|EMC CX側の設定
VMware ESX Server サーバ統合ガイド
第1回 VMware関連基礎用語
第2回 仮想化環境の設計と物理サーバから仮想マシンへの移行方法
第3回 サーバの構成
第4回 インストール時の注意点とチューニングポイント
第5回 SANブート
第6回 ブレード・サーバへの導入
第7回 Dell PowerEdge 1855ブレードサーバのVMware VMotion性能
第8回 ブレードサーバで構築するVMware ESX ServerのVLANネットワーク
第9回 VMware ESX Serverの性能〜ベンチマークテスト
第10回 ブレードサーバのLAMP性能特性とサイジング(前編)
第11回 ブレードサーバのLAMP性能特性とサイジング(後編)
第12回 メール・プロトコル環境における仮想CPU(導入編)
第13回 メール・プロトコル環境における仮想CPU(仮想化CPU機能編)
第14回 メール・プロトコル環境における仮想CPU(リソース管理編)
第15回 デュアルコア・サーバによるVMware ESX Serverの性能向上

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