第10回:ブレードサーバのLAMP性能特性とサイジング(前編) (2/4)

VMware ESX Server サーバ統合ガイド
VMware ESX Server サーバ統合ガイド

第10回:ブレードサーバのLAMP性能特性とサイジング(前編)

著者:デル   2006/8/31
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各コンポーネントの構成

   ここでは、今回のテストに用いたDell PowerEdge 1855ブレードサーバとESX Server 2.5.1の導入および構成内容について説明します。

   以降に、VMware ESX Server 2.5.1、ゲストOS、LAMPスタック・コンポーネントの導入と構成に用いた具体的な手順、使用したハードウエア・コンポーネント、テスト環境に用いたアーキテクチャを示します。さらに、データベースのセットアップと作成手順についても説明します。

ハードウェア・コンポーネントの接続

   表2は、テスト環境で使用したハードウェア・コンポーネントをまとめたものです。

コンポーネント 構成
サーバ PowerEdge 1855ブレードサーバ
プロセッサ 2MBのL2キャッシュを搭載した、ハイパースレッディング対応の
インテルXeonプロセッサ3.6GHz
メモリ 4GBのシステム・メモリ
ストレージ Dell|EMC CX 400に15台のFC2ディスクを搭載
スイッチ Brocade Silkworm 3850
クライアント PowerEdge 750
ネットワーク PowerConnect 5224

表2:ハードウェア・コンポーネント

   図1に、各ハードウェア・コンポーネントの接続方法を示します。

テスト環境に使用した各種のハードウェア・コンポーネント
図1:テスト環境に使用した各種のハードウェア・コンポーネント


SANの構成

   ファイバチャネル・スイッチのゾーニングとNavisphereのストレージ・グループを正しく設定した後、4つのLUNを作成しました。各LUNは、それぞれ3台の66GBディスク(10,000回転)を使ってRAID 0を構成しました。

   LUNのうち1つは、ESX Serverシステム用のRAID 5 VMFSボリュームを作成するのに使い、残り3つのLUNは、ロウ・ディスク・マッピング(RDM)を使う仮想マシン専用に割り当てました(注2)。

注2: ESX Server 2.5のリリース以降から、ロウ・デバイス・マッピング(RDM)によって、VMFSボリューム内にある特別なファイルをロウ・デバイスのプロキシとして動作させることが可能になりました。このマッピング・ファイルは、ディスクへのアクセスを物理デバイスにリダイレクトするときや、ディスクを管理するときに使われるメタデータを含んでいます。このようなマッピング機能のおかげで、VMFSの管理機能に、高性能なロウ・デバイスを取り入れることができます。RDMの詳細は、以下のURLをご参照ください。
http://www.vmware.com/pdf/esx/esx25_rawdevicemapping.pdf

   ロウ(生)デバイスを使う理由の1つは、性能上のメリットがあるからです。ロウ・デバイスに対しては、データベースの高度なデータ管理アルゴリズムが適用されるため、性能を最大限に伸ばすことができます。


ESX Server 2.5.1のインストール

   「Dell VMware ESX Server 2.5.1デプロイメント・ガイド(注3)」に記載された推奨手順に従って、PowerEdge 1855ブレードサーバにESX Server 2.5.1ソフトウェアをインストールしました。

注3: Dell PowerEdge でESX Server を使用するときの推奨事項は、以下のURLをご参照ください。
http://www.dell.com/downloads/global/solutions/vmware_251_deployment_guide.pdf

   次の表3に、インストールしたESX Serverのコンポーネントを示します。

コンポーネント 構成
ESX Server 2.5.1-13057
VirtualCenter 1.2-11392

表3:ESXのコンポーネント

   ESX Serverソフトウェアは、PowerEdge 1855ブレードサーバの内蔵SCSIハードディスク(73GB)にインストールしました。2台の73GBディスクを使ってミラーリングを構成することで、フォルトトレランスを提供しています。オンボードのGigabit NICのうち一方をサービスコンソール専用に、もう一方を仮想マシン専用に割り当てました。


VMの作成とゲストOSのインストール

   ESX Serverソフトウェアをインストールした後は、VMware VirtualCenterを使用して2つのVMを作成し、どちらのVMにも、Red Hat Enterprise Linux 3 Update 4(RHEL3 U4)をインストールしました。

   それぞれのVMにつき、1基の仮想CPU、512MBのRAM、1台の仮想ディスク(「.vmdk」ファイルをVMFSボリュームに作成)、1台の物理ディスクを設定しています。この物理ディスクは、RDMを使ってシステムLUNに直接アクセスします。いずれのゲストOS上にも、VMToolをインストールしました。

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デル株式会社
著者プロフィール
著者:デル株式会社
デルはスケーラブル・エンタープライズ戦略の重要な要素の1つとして、VMware社の仮想化技術を用いたサーバ統合ソリューションを提供しています。業界標準技術を採用した、デルのPowerEdgeサーバとDell | EMCストレージから構成されるハードウェアプラットフォームと、仮想化ソフトウェア「VMware ESX Server」、仮想マシン管理ツール「VirtualCenter」、仮想マシンの無停止マイグレーション技術「VMotion」を組み合わせることにより、柔軟でコストパフォーマンスに優れるサーバインフラストラクチャが構築可能です。

http://www.dell.com/jp/


INDEX
第10回:ブレードサーバのLAMP性能特性とサイジング(前編)
  概要
各コンポーネントの構成
  MySQLとPHPのインストール
  LAMPスタックの構成
VMware ESX Server サーバ統合ガイド
第1回 VMware関連基礎用語
第2回 仮想化環境の設計と物理サーバから仮想マシンへの移行方法
第3回 サーバの構成
第4回 インストール時の注意点とチューニングポイント
第5回 SANブート
第6回 ブレード・サーバへの導入
第7回 Dell PowerEdge 1855ブレードサーバのVMware VMotion性能
第8回 ブレードサーバで構築するVMware ESX ServerのVLANネットワーク
第9回 VMware ESX Serverの性能〜ベンチマークテスト
第10回 ブレードサーバのLAMP性能特性とサイジング(前編)
第11回 ブレードサーバのLAMP性能特性とサイジング(後編)
第12回 メール・プロトコル環境における仮想CPU(導入編)
第13回 メール・プロトコル環境における仮想CPU(仮想化CPU機能編)
第14回 メール・プロトコル環境における仮想CPU(リソース管理編)
第15回 デュアルコア・サーバによるVMware ESX Serverの性能向上

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