第10回:ブレードサーバのLAMP性能特性とサイジング(前編) (4/4)

VMware ESX Server サーバ統合ガイド
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第10回:ブレードサーバのLAMP性能特性とサイジング(前編)

著者:デル   2006/8/31
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LAMPスタックの構成

   テスト結果の前にLAMPスタックの構成について補足説明をします。

1. RDM(ロウ・ディスク・マッピング)のセットアップ

   仮想マシンの作成後、ESX MUIを使って、各仮想マシンに2台目のハードディスクを追加します。仮想ディスクの種類を尋ねられたら、[System LUN/Disk]を選択してください。続いて表示される画面から適切なLUNを選び、わかりやすいメタデータ・ファイル名を付けてください。

   RDMの詳細については、本連載の範囲外となるため触れていませんが、詳細を知りたい方は、以下のURLをご参照ください。


   新しく追加したハードドライブは、ゲストOSの起動時に/dev/sdbとして認識されます。ゲストOSのインストールが終わったら、ルート(root)でログインし、fdiskなどのパーティション・ユーティリティを使って20GBのパーティションを作成してください。このパーティションは、/dev/sdb1として認識されます。次に、下記のコマンドを実行して、MySQLユーザがロウ・デバイスに読み書きできるようにします。

# chown mysql.mysql /dev/sdb1


2. MySQLのセットアップ

   RHEL3 U4をインストールした後、次の手順に従ってください。


ステップ1

   ルート(root)の権限で次のコマンドを実行し、稼動中のMySQLサービスをすべて停止します。

# /etc/init.d/mysql stop


ステップ2

   以前にインストールされていたMySQLはすべて削除します。

# rpm -nodeps e `rpm qa|grep i MySQL`


ステップ3

   MySQLバイナリをインストールします。

# rpm ivh MySQL-client-5.0.7-
0.i386.rpm MySQL-devel-5.0.7-
0.i386.rpm MySQL-server-5.0.7-
0.i386.rpm


ステップ4

   /etc/my.cnfファイルを編集します。下記に従ってパラメータを変更してください。

パラメータ
key_buffer_size 16M
table_cache 32M
read_buffer_size 2M
read_rnd_buffer_size 4M
myisam_sort_buffer_size 16M
thread_cache 250
innodb_data_file_path /dev/sdb1:20Gnewraw

表5:変更するパラメータと値

   また注意点として、既存の/etc/my.cnfファイルがない場合、/usr/share/mysql/my-large.cnfファイルを/etc/my.cnfにコピーしてください。


ステップ5

   これでロウ・デバイスを初期化する準備が整いました。MySQL データベースを開始します。

   MySQLは、20GBのロウ領域を初期化しなければならないので、起動処理が長時間に及ぶことがあります。

   進行状況は、/var/lib/mysql/hostname.errファイルから監視できます。

# /etc/init.d/mysql start


ステップ6

   innodb_data_file_pathパラメータの値を、/dev/sdb1:20Gnewrawから/dev/sdb1:20Grawに変更してください。つまり、「new」というキーワードを削除します。次に、MySQLを再開します。

# /etc/init.d/mysql restart


3. PHPの構成

   php.netからphp-5.0.4 tarballを入手し、次の手順に従ってください。


ステップ1

   ルート(root)の権限で、このphpソースファイルを解凍します。

# tar zxvf php-5.0.4.tar.gz


ステップ2

   ルート(root)の権限で、phpモジュールを構築します。

# cd php-5.0.4
# ./ configure --with-apxs2=/usr/sbin/apxs2 -with-mysqli=/usr/bin/mysql_config
# make
# make install


4. Webサーバの構成

   次にWebサーバの構成について解説します。


ステップ1

   /etc/httpd/conf/httpd.confファイルに次の行を追加します。

KeepAlive On
KeepAliveTimeout 50
ServerName hostname:80
AddType application/x-httpd-php .php


ステップ2

   apacheサービスを再開します。

# service httpd restart


5. データベースのセットアップ:

   以下のURLから、Online DVD Storeアプリケーションをダウンロードします。


   このアーカイブ・ファイルを解凍したら、ds2ディレクトリに保存されているREADMEファイルの指示に従って作業を進めてください。


次回は

   今回は各コンポーネントの構成と、LAMPスタックの構成についての補足説明をしました。次回はLAMPの性能をサイジングについて解説していきます。

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デル株式会社
著者プロフィール
著者:デル株式会社
デルはスケーラブル・エンタープライズ戦略の重要な要素の1つとして、VMware社の仮想化技術を用いたサーバ統合ソリューションを提供しています。業界標準技術を採用した、デルのPowerEdgeサーバとDell | EMCストレージから構成されるハードウェアプラットフォームと、仮想化ソフトウェア「VMware ESX Server」、仮想マシン管理ツール「VirtualCenter」、仮想マシンの無停止マイグレーション技術「VMotion」を組み合わせることにより、柔軟でコストパフォーマンスに優れるサーバインフラストラクチャが構築可能です。

http://www.dell.com/jp/


INDEX
第10回:ブレードサーバのLAMP性能特性とサイジング(前編)
  概要
  各コンポーネントの構成
  MySQLとPHPのインストール
LAMPスタックの構成
VMware ESX Server サーバ統合ガイド
第1回 VMware関連基礎用語
第2回 仮想化環境の設計と物理サーバから仮想マシンへの移行方法
第3回 サーバの構成
第4回 インストール時の注意点とチューニングポイント
第5回 SANブート
第6回 ブレード・サーバへの導入
第7回 Dell PowerEdge 1855ブレードサーバのVMware VMotion性能
第8回 ブレードサーバで構築するVMware ESX ServerのVLANネットワーク
第9回 VMware ESX Serverの性能〜ベンチマークテスト
第10回 ブレードサーバのLAMP性能特性とサイジング(前編)
第11回 ブレードサーバのLAMP性能特性とサイジング(後編)
第12回 メール・プロトコル環境における仮想CPU(導入編)
第13回 メール・プロトコル環境における仮想CPU(仮想化CPU機能編)
第14回 メール・プロトコル環境における仮想CPU(リソース管理編)
第15回 デュアルコア・サーバによるVMware ESX Serverの性能向上

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