第4回:Virtual Serverを理解する(後編) (2/2)

仮想化技術 完全攻略ガイド
Virtual Server 2005 R2で次期Windows Server環境を試す

第4回:Virtual Serverを理解する(後編)
著者:慶應義塾大学環境情報学部(SFC)学部生  小野 雄太郎
2006/11/16
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リソース制御機能

   リソース制御機能は、Virtual Serverの特徴的な機能の一つです。この強力なリソース制御機能を使いこなすことで、複数のバーチャルマシンを1台のマシン上で快適に同時実行できるようになります(図16)。
各バーチャルマシンのCPU利用率を制限できる
図16:各バーチャルマシンのCPU利用率を制限できる
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   このリソース制御機能は、バーチャルマシンのインスタンスが利用できるCPU利用率を制限します。制限方法には、バーチャルマシンのインスタンス間で重み付けをしてCPUの割当量に優先度をつける方法、あらかじめインスタンスが常に利用できるCPU時間を確保する方法、ひとつのインスタンスが使用できる最大のCPU利用率を制限する方法の3つがあります。

   インスタンスが使用できる最大CPU利用率を制限する方法は、複数のインスタンスを同時に実行している場合でも、特定のインスタンスが処理を独占してほかのインスタンスに影響を及ぼさないようにするために活用できます。またゲストOSのインストール時なども、インスタンスがCPUを大量に利用してしまいますが、この最大CPU利用率の制限をあらかじめ適用しておくことで、ホストOS自体の動作へ影響を与えないようにすることもできます。


統合管理

   Virtual ServerのWeb管理コンソールは、管理コンソールがインストールされているサーバーだけではなく、複数のサーバーに接続して同時に管理できます。Virtual Serverを複数のサーバーにインストールし、Web管理コンソールはひとつのサーバーにのみインストールして管理を集約する、といったこともできます(図17)。

他のサーバー上のVirtual Serverを管理
図17:他のサーバー上のVirtual Serverを管理
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自動化:スクリプティング

   Virtual Serverには、管理を自動化するためスクリプトからアクセスできるCOMコンポーネントが付属しています。このCOMコンポーネントをスクリプトなどから利用することで、Virtual Serverの管理を自動化することが可能です。また、Virtual Server上でイベント(バーチャルマシンの起動やシャットダウンなど)が発生したときに、自動的に事前に設定されたコマンドを実行する機能もあります(図18)。

スクリプトで管理を自動化できる
図18:スクリプトで管理を自動化できる
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Virtual Serverへのマイグレーション

   Virtual Server移行ツールキットは、物理的なサーバーで実行中のシステムをVirtual Server上のバーチャルマシンに移行するための処理を自動化するツールキットです。このツールを利用すれば、旧型のサーバーで提供しているサービスを、最新のハードウェア上で動作するバーチャルマシンとしてサービスを移行するようなことが可能になります(注3)。


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慶應義塾大学環境情報学部(SFC)学部生 小野 雄太郎
著者プロフィール
慶應義塾大学環境情報学部(SFC)学部生   小野 雄太郎
Microsoft MVP for Windows Server - Networking, Jan 2004 - Jan 2007.
1982年生まれ。エンタープライズネットワークやIPv6といったネットワーク技術のほか、Windows Server Systemの設計や運用などを独学で習得。幅広い分野をひとりでカバーする。MCSEをはじめCCDA/CCNAといったベンダー資格も多数保有する。2004年より慶應義塾大学に在籍中。


INDEX
第4回:Virtual Serverを理解する(後編)
  はじめに
リソース制御機能
Virtual Server 2005 R2で次期Windows Server環境を試す
第1回 Virtual Server 2005 R2概要
第2回 Virtual Serverのインストール
第3回 Virtual Serverを理解する(前編)
第4回 Virtual Serverを理解する(後編)
第5回 評価環境の構築
第6回 バーチャルマシンの複製
第7回 Active Directory環境の準備
第8回 Windows Vistaの評価

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