|
||||||||||||||||||||||||||||
| 1 2 3 4 次のページ | ||||||||||||||||||||||||||||
| プロジェクト失敗の要因 | ||||||||||||||||||||||||||||
|
プロジェクトがうまくいかなかった場合にその失敗要因を聞くと、「コミュニケーション不足でした」という回答が返ってくることが多くあります。この場合のコミュニケーションは、主に「ユーザーと開発メンバー間のコミュニケーション」、「開発メンバー同士のコミュニケーション」、「自社メンバーと協力会社の間のコミュニケーション」に分類されます。 もう少し細かく整理すると、図1のように経営者とのコミュニケーション、PMO(プロジェクト管理専門組織)とのコミュニケーション、ラインマネージャ(自部門/他部門)とのコミュニケーションなどもあります。今回は、プロジェクト失敗の要因として掲げられる"コミュニケーション不足"を回避するための、コミュニケーション管理について考えてみましょう。 |
||||||||||||||||||||||||||||
![]() 図1:プロジェクト管理におけるコミュニケーション |
||||||||||||||||||||||||||||
| PMBOKのコミュニケーション管理 | ||||||||||||||||||||||||||||
|
PMBOKにおけるコミュニケーション管理は、表1のように「コミュニケーション計画」、「情報の配布」、「進捗管理」、「プロジェクト完了手続き」、という4つのプロセスから構成されています。計画プロセスでコミュニケーション管理計画を立て、実行プロセスで情報の配付などのコミュニケーションを実施、管理プロセスで進捗管理や変更管理を行い、終結プロセスでプロジェクトの完了報告を行うという一連の作業内容が定義されています。 |
||||||||||||||||||||||||||||
|
||||||||||||||||||||||||||||
|
表1:PMBOKのCommunication Managementの4つのプロセス |
||||||||||||||||||||||||||||
| コミュニケーション計画プロセス | ||||||||||||||||||||||||||||
|
表1を見て分かるように、PMBOKのコミュニケーション計画には「ステークホルダー分析」が含まれています。ステークホルダーとは"利害関係者"のことです。組織管理で洗い出したプロジェクト体制図に登場するメンバー相互の関係を分析します。ただし、PMBOKのコミュニケーション管理は、ステークホルダーの企業としての立場をあまり考慮していません。プロジェクト参加者を全てメンバーとして考え、単純にメンバー相互のコミュニケーションを対象としているようです。 常駐・派遣型のプロジェクトはこれでもかまわないでしょう。ユーザーと開発メンバー、協力会社が同一の場所に集まってプロジェクトを遂行し、人月ベースで対価を支払う方法なら立場の違いはあまり気にしなくても良いと思います。しかし、請負ベースの開発プロジェクトの場合は、"企業間"の立場を考慮した方がしっくりいきます。 プロジェクトの失敗要因を考えた場合、ユーザーと自社開発メンバーと協力会社それぞれの間でコミュニケーション不足の内容が異なります。また、失敗を防ぐ為の管理ドキュメントテンプレートも、立場の違いにより異なります。そこで弊社のプロジェクト管理手法PYRAMIDでは、図1のようなステークホルダーの立場に分けてコミュニケーション計画を考えるようにしています。 コミュニケーション計画プロセスでは、プロジェクトを遂行するためのコミュニケーションルールを策定します。コミュニケーション計画の例を表2に示します。ここでは3つのステークホルダーの立場に分けてコミュニケーション計画を立てています。計画には、項目別に「誰から誰へ」「いつ」「どういう頻度で」「どういう情報を」「どういう手段で」というような取り決めを盛り込みます。 例えばユーザーとのコミュニケーションの場合は、打合せ議事録はどちらが書くか、質問&回答のやり取りはどうするか、仕様変更の伝達方法はどうするか、仕様書のレビュー方法はどうするか、などの取り決めがこれに当たります。 |
||||||||||||||||||||||||||||
|
||||||||||||||||||||||||||||
|
表2:3つの立場に分けたコミュニケーション計画の例 |
||||||||||||||||||||||||||||
| ドキュメントベースのためのルールとテンプレート | ||||||||||||||||||||||||||||
|
コミュニケーション管理のポイントは、「ドキュメントに残す」ことです。言った言わないのトラブルにならないように、必ずドキュメントに残すことにしましょう。そんなこと当たり前だと思うでしょうが、では、きちんと実践できているか振り返ってみてください。ついついプロジェクトが忙しくなると、ドキュメント作成の時間も惜しんで口頭ベースでになりがちだと思います。 そのために、きちんとプロジェクト計画プロセスで"ルール"として定め、さらに"ドキュメントテンプレート"を用意しておくのです。 |
||||||||||||||||||||||||||||
|
1 2 3 4 次のページ |
||||||||||||||||||||||||||||
|
|
||||||||||||||||||||||||||||
|
|
||||||||||||||||||||||||||||
|
||||||||||||||||||||||||||||
|
|
||||||||||||||||||||||||||||
|
||||||||||||||||||||||||||||
|
|
||||||||||||||||||||||||||||
|
||||||||||||||||||||||||||||
|
|
||||||||||||||||||||||||||||
|
||||||||||||||||||||||||||||
|
|
||||||||||||||||||||||||||||
|
||||||||||||||||||||||||||||


