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「即活用!企業システムにおけるプロジェクト管理」

第7回:コミュニケーション管理

著者:システムインテグレータ  梅田 弘之   2005/1/25
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プロジェクト完了手続きプロセス

   PMBOKのプロジェクト完了手続きでは、「プロジェクト完了記録」というものがアウトプットとして定義されています。PYRAMIDでは、これに相当するドキュメントテンプレートとして図4のような「プロジェクト完了報告書」を用意しています。弊社では、プロジェクト終了時にレビューを開催し、その結果を「プロジェクト完了報告書」にまとめて提出するルールとしています。このような完了報告書を書くのは、主に次の3点を目的としています。
  • 成果の報告
  • プロジェクトの反省
  • 次への課題、問題点洗出し

   これは、連載第1回で説明したPDCAサイクル(リンク)のAction(改善)工程に相当する作業です。全てのプロジェクトにおいて、流れ解散ではなく完了レビューを実施することにより、メンバーのスキルアップやPYRAMID自体の機能改善が実現するのです。

プロジェクト完了報告書のテンプレート
図4:プロジェクト完了報告書のテンプレート
(画像をクリックするとEXCELファイルをダウンロードできます。/21KB)



まとめ

   コミュニケーション管理は、プロジェクトが成功するために最も重要なコミュニケーションをスムーズにするための重要な管理エリアです。実際、優秀なプロジェクトリーダの多くは、コミュニケーションにかなりの労力と時間を費やします。コミュニケーション管理は、ヒューマンスキルの占める割合の大きな項目ですが、同時にツールの効果も大きなエリアです。

   リーダおよびメンバーのコミュニケーションスキル・アップとツールの活用の両面で、コミュニケーション力アップを実現してください。

「コミュニケーション管理」
  • プロジェクト失敗要因の多くに、コミュニケーション不足があげられる。
  • プロジェクトのスタート時には、ステークホルダーを明らかにした上で、コミュニケーション計画を作成する。
  • Q&A管理や変更管理など、有効なツールが使える場合は積極的に利用する。
  • プロジェクト終了時には、「プロジェクト完了報告書」を作成し、次のプロジェクトに生かす。
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著者プロフィール
株式会社システムインテグレータ  梅田 弘之
東芝、住商情報システムを経て1995年にシステムインテグレータ社を設立。 常駐・派遣主体の労働集約的な日本のソフトウェア業の中で、創造性にこだわってパッケージビジネスを行っている。 国際競争力のない日本のIT産業が、ここから巻き返しを図るための切り札は「プロジェクト管理」だと信じ、実践的なプロジェクト管理手法「PYRAMID」を自社開発している。


INDEX
第7回:コミュニケーション管理
  プロジェクト失敗の要因
  管理ツール利用を積極的に推奨
  質問管理
プロジェクト完了手続きプロセス