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| 格付け問題 | ||||||||||||||||||||
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後日、ミーティングが行われると唐突に、「このオープンソースのDBに関連するコミュニティとやらの格付けってどうですか」とH部長からの質問がありました。「格付け?」最初は何に対する質問かと思ってとまどってしまいましたが、S&PやMoody'sと呼ばれる格付け会社が付与する企業への財務信頼性を示す格付けのランクのことを聞いているということが理解できました。 コミュニティへ格付けが付与されているかどうかもわからないために、その場の答えに窮してしまった格好となりましたが、何故そのような質問をすることになったかという真意を確認してみました。その答えから察すると、オープンソースのDBの信頼性を開発しているコミュニティの財務信頼性に置き換えて評価しようとしているようでした。 財務部門出身者としてサポートの存続可能性を財務の視点からはかろうとしており、サポートがなくなることをもっとも恐れているということはわかりました。ただコミュニティという性質上、多額の資金調達をはかる必要はほとんどなく、わざわざ財務格付けを取る必要はありません。おそらく、同じ質問を商用DBのベンダーにもしたうえで比較しようとしているのだろうと容易に想像できました。 |
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オープンソースを活用する場合、ユーザ企業のメリットとしてあげられるのは次のことだと思います。
表2:オープンソースを活用するユーザ企業のメリット |
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| ただ当時のA製鉄に限っていえば、表2の1のみを追求していて2については考慮していない状況でした。むしろ、2をユーザ企業のかわりに行ってくれるベンダーを望んでいました。 |
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| オープンソースソフトウェアの普及へ向けて | ||||||||||||||||||||
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再度オープンソースのDBの有用性や今後の発展性をアピールをしましたが、「3年後にまた検討します」とのH部長の一言により、結局この話はお蔵入りとなりました。この時の寂寥感を忘れずに今でも心して営業をしています。ただ、これがほんの数年前のユーザ企業のオープンソースへの見方だったのです。 今でこそオープンソースのDBは商用のDBをしのぐ勢いで普及しており、ユーザ企業やSIerの中でも一般的なものとして扱われています。ユーザ企業側においてオープンソースという言葉自体への抵抗感は薄れましたが、個別のオープンソースソフトウェアに対する実際のアプローチには慎重なものがあります。 今後も各種オープンソースソフトウェアを積極的にユーザ企業に紹介していく必要があると思います。当社ではこの時の苦い経験もありますので、オープンソースに関する調査活動の成果の公開を通じて、ユーザ企業へのオープンソースソフトウェアの普及を促しています。 |
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