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オープンソースの適用可能性を示す
オープンソースの適用可能性を示す

第12回:OSSのプロがいなくても大丈夫必要なソフトの情報はこうして探す(後編)
著者:イーシステム  芝 国雄   2006/7/5
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フレームワークの設計思想を理解する

   Javaでアプリケーション開発を経験したエンジニアであれば、何かしらのフレームワークを使った経験があるだろう。現在、Javaのフレームワーク製品は、ベンダが販売しているものもあわせると相当な数になる。どの製品も、用途をあらかじめ想定して設計されている。つまり製品を理解することは、その製品の仕様を把握することと同義だといえるだろう。それは実装する時のルールであったり、拡張する時のルールであったりする。
導入実績、稼働実績をチェックし、評価版があれば試用して適材適所を判断する

   フレームワークには、得意分野と不得意分野がある。適用領域をあらかじめ想定して設計されているので、適材適所を考えることも大切だ。こうしたポイントは、導入実績や稼働実績から、ある程度判断できるが、評価版が提供されている場合は試用して判断すべきだろう。また製品紹介のセミナーに参加したり、個別に製品紹介の場を設けてもらうことも望ましい。


必要な機能の有無、カスタマイズの可否、他のフレームワークとの連携の可否を把握する

   フレームワークを選定する際は、そのフレームワークでは提供されていない機能を追加(カスタマイズ)できるか、またどのように追加作業するのかを確認する必要がある。

   そして、フレームワークをカスタマイズする場合に、完璧を求めてはいけない。70点〜80点くらいでよしとするくらいの気持ちが大事だ。

   フレームワークに多くの機能を持たせ過ぎると、柔軟性がなくなるばかりでなく、煩雑になり理解できなくなる恐れがある。フレームワークを利用する目的は、システム開発の生産性の向上であり、完璧なフレームワークを開発することではない。


「属人性のジレンマ」を考える

   読者の皆さんは、「属人性」という言葉を聞いたことがあるだろうか。

   これは、ソフト開発の世界では「その開発者に依存した能力」と解釈できる。その開発者でなければ書けなかったり、メンテできないプログラムコードは「属人性が高い」となるわけだ。

   属人性が高いということは、ソフト開発ではあまり歓迎されない。

   そのため、属人性を低くしたり、排除するために標準化という動きがとられる。

   これにより、プログラムコードの品質を一定以上に保ち、可読性を高め、メンテナンス性を向上し、結果的にシステム開発の生産性を上げることにつながる。

   フレームワークの導入目的の1つにも、属人性の低減があげられる。それは言い換えると、「誰にでもできるようにすること」だ。誰にでもできるようになると、人月単価は下落する。

   また、優秀な技術者にとっては、退屈な仕事になるかも知れない。すると、より高収入や能力を活かせる仕事を求めて、優秀な開発者の流出がはじまる恐れもでてくる。

   だが、属人性が高いとシステム開発の生産性は向上しない。このジレンマを感じるのは私だけだろうか?

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イーシステム株式会社 芝 国雄
著者プロフィール
イーシステム株式会社  芝 国雄
グプタ事業部 部長
1995年、日本グプタ(現イーシステム)入社。米グプタ社製品の統合開発ツールの「Team Developer」、RDBMSの「SQLBase」といった製品の日本語化をはじめ技術支援や販売、マーケティング業務に従事。主に、ユーザ企業のシステム開発の現場で、システムの設計に関わる事前調査や助言などの上流工程から、プログラミング時のトラブルシューティングまで、幅広く支援していた。2000年4月、携帯電話を活用したワイヤレスソリューション事業の立ち上げに従事。2001年、グプタ事業に専念し、現在に至る。


INDEX
第12回:OSSのプロがいなくても大丈夫必要なソフトの情報はこうして探す(後編)
  はじめに
フレームワークの設計思想を理解する
  生産性向上の評価は競合他社を対象にする