第7回:Dell PowerEdge 1855ブレードサーバのVMware VMotion性能 (2/4)

VMware ESX Server サーバ統合ガイド
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第7回:Dell PowerEdge 1855ブレードサーバのVMware VMotion性能

著者:デル   2006/8/23
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ブレードサーバ・ソリューション

   Dell PowerEdge 1855ブレードサーバ(図1)は、業界標準のインテルXeonプロセッサを搭載した高密度ラック・サーバ・ソリューションです。
デル・ブレード・サーバ・エンクロージャ
図1:デル・ブレード・サーバ・エンクロージャ

   PowerEdge 1855ブレードサーバは、デル・モジュラーサーバ・エンクロージャ内に挿入して使います。このシャーシの大きさは7U(約31cm=12.25インチ)です。標準のサーバ・ラックに設置でき、最大10台のブレードが収納可能です。ブレードへの電源、ファン、ネットワーク接続などはシャーシ側から提供され、オプションで、ファイバチャネルやInfiniBandへの接続もサポートします。

   このような仕組みのおかげで、ケーブル配線数が劇的に減りますし、新しいブレードを既存のシャーシに導入するのも容易です。

   1台のPowerEdge 1855ブレードサーバにつき、最大2基のインテルXeonプロセッサと最大12GBのDDR-2メモリをサポートします。現在、PowerEdge 1855では、2.8GHz〜3.8GHzのシングルコア・プロセッサをサポート。また、システム全体の消費電力と発熱量を大幅に削減する、低電圧版シングルコア・プロセッサ(3GHz)もご利用いただけます。

   さらに、2.8GHzのデュアルコア・プロセッサというオプションもご用意されています。デュアルコアを選べば、1台のブレードで最大4基のプロセッサコアが稼動できます。PowerEdge 1855には、2個のGigabitEthernetポートが標準搭載されていますが、オプションのドーターカードを使えば、Gigabit Ethernetポートがあと2つ増やせます。

   ファイバチャネル対応や、InfiniBand対応のドーターカードを選ぶこともでき、いずれも2個のポートをサポート。シャーシでドーターカードの接続をサポートするには、対応するパススルー・モジュール(Ethernet、ファイバチャネル、またはInfiniBand用)をインストールするか、もしくは、Ethernetまたはファイバチャネル用のスイッチ・モジュールをインストールしてください。

   今回のテストでは、シャーシに2台のDell PowerEdge 1855ブレードサーバを設置し、それぞれにVMware ESX Server 2.5.1をインストールしました。Dell PowerEdge 1855には、2基のインテルXeonプロセッサ3.2GHz(2MBの2次キャッシュを提供)、8GBのDDR-2メモリ、73GBの内蔵SCSI U320ディスク(10,000回転)を2台搭載しました。表1に、ブレード1台あたりの構成内容をまとめます。

項目
構成
オペレーティングシステム ESX 2.5.1
CPU 2MBの2次キャッシュを搭載したXeonプロセッサ3.2GHz×2
メモリ 8GB(2GBのDDR-2 DIMM×4)
内蔵ディスク 73GBのUltra320 SCSIドライブ(10000回転)×2
NIC 10/100/10001Mbps×2(オンボード)
ディスクコントローラ PERC 4im
ファイバチャネル・ドーターカード QLA 2342

表1:テストに使用したDell PowerEdge 1855ブレードの構成

   稼動したままのVMを移動する「ライブVMotionイベント」を実行するには、共有ストレージが必要です。そこで、Dell|EMC CX700ストレージ・コントローラに冗長サービス・プロセッサ(SPAとSPB)を構成し、これを冗長ファイバチャネル・スイッチに接続して、ストレージ・エリア・ネットワーク(SAN)を構築します。このSANに2台のPowerEdge 1855サーバブレードを接続しました。

   各ブレードには、Dell QLogic 2342ドーターカードをインストールしています。ファイバ接続を外付けのファイバチャネル・スイッチから提供するため、シャーシにはファイバチャネル対応のパススルー・モジュールを設置しました。

   CX700では、5台(4+1)のディスクで構成したRAID 5を2セット作り、LUNに割り当てました。この2つのLUNは、VMが使用します。合計20台のVMは、1つのLUNに10台ずつ割り振りました。両方のLUNと2台のブレードを同じストレージグループに割り当てることで、両ブレードからストレージが共有できるようにしています。表2に、両方のサーバが共有したストレージ構成をまとめます。

コンポーネント
構成
コントローラ Dell|EMC CX700×1
ディスク・エンクロージャ Dell|EMC DAE2×1
ディスク 73GB(10
LUN 5ディスクのRAID 5×2、HotSpareディスク×1
ソフトウェア Navisphere Manager、Access Logix

表2:Dell|EMCストレージのテスト構成

  &nbsp図2に、ネットワーク全体の構成図を示します。これには、ブレードのシャーシ、ファイバチャネルSAN、中央のサーバで実行されるVirtual Center、管理コンソールなどが含まれます。;

テスト用にセットアップしたネットワーク
図2:テスト用にセットアップしたネットワーク
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)

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デル株式会社
著者プロフィール
著者:デル株式会社
デルはスケーラブル・エンタープライズ戦略の重要な要素の1つとして、VMware社の仮想化技術を用いたサーバ統合ソリューションを提供しています。業界標準技術を採用した、デルのPowerEdgeサーバとDell | EMCストレージから構成されるハードウェアプラットフォームと、仮想化ソフトウェア「VMware ESX Server」、仮想マシン管理ツール「VirtualCenter」、仮想マシンの無停止マイグレーション技術「VMotion」を組み合わせることにより、柔軟でコストパフォーマンスに優れるサーバインフラストラクチャが構築可能です。

http://www.dell.com/jp/


INDEX
第7回:Dell PowerEdge 1855ブレードサーバのVMware VMotion性能
  今回の概要
ブレードサーバ・ソリューション
  ESX Serverの最適化
  テスト結果
VMware ESX Server サーバ統合ガイド
第1回 VMware関連基礎用語
第2回 仮想化環境の設計と物理サーバから仮想マシンへの移行方法
第3回 サーバの構成
第4回 インストール時の注意点とチューニングポイント
第5回 SANブート
第6回 ブレード・サーバへの導入
第7回 Dell PowerEdge 1855ブレードサーバのVMware VMotion性能
第8回 ブレードサーバで構築するVMware ESX ServerのVLANネットワーク
第9回 VMware ESX Serverの性能〜ベンチマークテスト
第10回 ブレードサーバのLAMP性能特性とサイジング(前編)
第11回 ブレードサーバのLAMP性能特性とサイジング(後編)
第12回 メール・プロトコル環境における仮想CPU(導入編)
第13回 メール・プロトコル環境における仮想CPU(仮想化CPU機能編)
第14回 メール・プロトコル環境における仮想CPU(リソース管理編)
第15回 デュアルコア・サーバによるVMware ESX Serverの性能向上

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