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オープンソースで構築する業務システム特集

第1回:オープンソースCRM『SugarCRM』
著者:ケアブレインズ  内田 隆平   2006/05/17
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コマーシャル・オープンソースCRMとは

   今回紹介するオープンソースCRM「SugarCRM」はコマーシャル・オープンソースである。オープンソースという言葉はすでに一般的に使われるようになったが、「コマーシャル・オープンソース」という用語はまだ新しく、馴染みがない方が多いと思うのではじめに解説をしておこう。

   「コマーシャル・オープンソース」とは、有償のオープンソース・ソフトウェアのことである。SugarCRM以外にもMySQL(リレーショナルデータベース)、Alfresco(コンテンツ管理システム)、JBoss(ミドルウェア)など、いくつかのソフトウェアベンダがコマーシャル・オープンソースの製品をリリースしている。

   これらのベンダーは、開発コミュニティに公開する無料のソースコードに企業用途向けの拡張機能やテクニカルサポートサービスを有償で付加して顧客に提供する。SugarCRMのような高度な業務アプリケーションではこのような付加価値サービスのニーズが必須になるためである。

   SugarCRMの場合も顧客が運用用途に求めるのは有償ライセンスの方が多い。このように、オープンソースソフトウェアに企業向けの付加価値サービスを付加したものがコマーシャル・オープンソースと呼ばれるソフトウェアであり、今後のオープンソース・アプリケーションの特徴を形作りそうだ。


SugarCRMとは

   SugarCRMは、同名の米国SugarCRM社が2004年にリリースしたコマーシャル・オープンソースCRMである。コミュニティ向けにリリースされる無償の「Sugar Open Source」と、有償の「Sugar Professional」「Sugar Enterprise」の3つのエディションがあり、それぞれの機能の違いは図1の通りである。

SugarCRMの機能一覧
図1:SugarCRMの機能一覧
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)

   Sugar Open Sourceエディションはコミュニティに公開されており、
http://www.sugarforge.org/)で本体と日本語化パックが自由にダウンロードできる。当エディションはすでに130万件もダウンロードされ(2006年3月現在)、コミュニティの参加人数も17,000名に達し、オープンソースの業務アプリケーションの中では世界で抜群の実績を誇る。日本語版は日本代理店であるケアブレインズがリリースしており、今まで8,000件のダウンロード実績がある。有償版SugarCRMも大手企業を中心に500社以上の導入実績を持ち、その数は急伸しているといえよう。

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株式会社ケアブレインズ 内田 隆平
著者プロフィール
株式会社ケアブレインズ  内田 隆平
株式会社ケアブレインズ取締役CTO。
東京大学農学部卒業、早稲田大学ビジネススクール技術経営学修士(MBA in Technology Management)。米国SugarCRMコア開発メンバー、SugarCRM日本語化リーダーを兼務。17,000名のSugarCRMコミュニティではトップ10コントリビューターとして表彰される。


INDEX
第1回:オープンソースCRM『SugarCRM』
コマーシャル・オープンソースCRMとは
  部門ごとに見るSugarCRMの主な機能
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