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オープンソースで構築する業務システム特集

第6回:CRMと統合した中小企業向けオープンソースERP「Compiere」
著者:アルマス  ジリムト   2006/7/10
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CompiereというERP

   オープンソースは2、3年前までは共有モジュール/開発プラットフォーム/ミドルウェア/フレームワークという分野で主に利用されており、多くの人が携わっているというよりも、一部の開発者向けのものという印象がありました。それが近年では業務アプリケーションや汎用グループウェア、基幹システムといった分野にも浸透してきているのです。

   オープンソースのERPであるCompiereは日本だけではなく、世界各国の中小企業に導入実績があります。ERPシステムを無償に近い低コストで素早く導入するということは従来では考えられませんでしたが、Compiereはそれを実現したといえるでしょう。

   2005年の8月から筆者は日本においてCompiereの導入サポートを実施してきましたが、その素晴らしさについては日を追うごとに実感しています。まだまだ日本市場では認知されていませんが、今回の特集ではERPとして何ができてどこが素晴らしいのか、どの業種に適用しているかなど、Compiereについての魅力を詳しく説明します。

CRMを統合した物販流通業およびサービス業向けERP

   CRMを統合したERPであるCompiereは、主に物販流通業およびサービス業中小企業向けに開発されたコンパクトで柔軟性を持つERPです。Compiereの機能を大きく分けると、「顧客関係管理」「販売管理」「仕入購買管理」「材料在庫管理」「経理会計処理および実績分析」という5つの部分となり、具体的には次の機能を実装しています。

  • 多言語への完全対応
  • 複数の通貨への対応
  • 複数の税率への対応
  • 複数の会社への対応
  • 複数の組織への対応
  • 複数の在庫保存箇所への対応
  • 多会計分析ディメンション対応および柔軟価格体系
  • 割引体系のサポート

表1:Compiereが実装している機能

   Compiereは全世界の顧客の要求に対応できるような汎用性と柔軟性があり、特に拡張要求に対して素早く対応できるデータモデルを実装しています。この部分がCompiereの最も注目されるべき特長といえるでしょう。

   これら特長に関する全般的な理解を深めるために、本特集では「実装されている機能の汎用性」と「拡張運用しやすさ」に分けてCompiereを説明します。


Compiereの機能の汎用性

   まずCompiereに実装されている機能の汎用性について、5つの項目に分けて説明します。


1. 顧客関係管理

   どのようなビジネスにおいても必ず取引相手がいるはずです。そして取引先は1種類だけではなく、顧客/得意先/仕入先/従業員/販売代理といった種類があります。そのためCompiereではあらゆる取引相手をビジネスパートナーという形で一元化して管理することができるように作られています。

   このことによって、同じビジネスパートナーを顧客や仕入先、従業員もしくは販売代理として定義することができます。さらにビジネスパートナーの間に関連関係を設定することによって、「第1のビジネスパートナーに商品を注文→第2のビジネスパートナーに代金を請求→第3のビジネスパートナーが代金を支払う」という組み合わせのケースにも適用できます。

   Compiereの顧客関係管理は、主に取り引きを中心とした顧客管理システムになります。顧客残高監視/支払督促メール自動配信/販促キャンペーン/一括メール配信/パートナーリクエスト管理/リクエストからの注文書作成など、様々な機能が実装されているのです。

   また、ビジネスパートナーの担当者はCompiereの標準機能であるWebStoreにログインして、自分の取引状況を確認することもできます。

Compiereのパートナー管理画面
図1:Compiereのパートナー管理画面
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)

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コンペアージャパン
http://www.compiere-japan.com/
大手企業ERP導入サポートした経験を活かして、日本の中小企業のために、オープンソースERPシステムCompiereの日本語版パッケージの提供から導入コンサルティング、カスタマイズ開発および運営サポートを提供している。
運営会社
株式会社アルマス
http://www.almas.co.jp/
株式会社フォーワンファースト
http://www.411.co.jp

株式会社アルマス ジリムト(吉日木図)
著者プロフィール
株式会社アルマス  ジリムト(吉日木図)
株式会社アルマス代表取締役社長
内モンゴル大学電子学部修士卒業。18年のシステム開発経験を持ち、日本では大手外資系会社のERPシステム導入運営サポートを3年間経験したほか、主にはOSSベースのシステム開発を担当し、Struts,Torque,DisplayTag,Quartz,JasperReport,iText,jChart, HttpClientなどOSSを使った自社開発プラットフォームjWare(Java Web Application Rich Engine)をベースに多数のプロジェクト完成。中小企業向けオープンソースERP&CRMであるCompiereの日本語化プロジェクトをリードしている。


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INDEX
第6回:CRMと統合した中小企業向けオープンソースERP「Compiere」
CompiereというERP
  2. 販売管理
  WebStore
  複数の在庫保管場所への対応
オープンソースで構築する業務システム特集
第1回 オープンソースCRM『SugarCRM』
第2回 オープンソースECシステム「osCommerce」
第3回 「GARAGARADOA」をオープンソースとした影響
第4回 オフコンからWebシステムへの流れ
第5回 Cervezaが残す軌跡
第6回 CRMと統合した中小企業向けオープンソースERP「Compiere」
第7回 ユーザビリティとカスタマイズ機能に秀でた「Compiere」の特長
第8回 オープンソースERP「Compiere」の導入事例
第9回 国産オープンソースCRM「SalesLabor」、FAQシステム「QuestionLabor」
第10回 低コストでのPOS導入を可能にした「フランシーヌ」