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調査レポート
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Linuxディストリビューション比較
第4回:MIRACLE LINUX
著者:
市民電子情報網 安田 幸弘
2006/11/15
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MIRACLE LINUXの特徴
MIRACLE LINUXの最大の特徴は、日本で開発されたサーバ用ディストリビューションという点にある。
数あるサーバ用途向けディストリビューションの中でもMIRACLE LINUXはOracleデータベースとの親和性が高く、データベースを中心とした基幹業務の分野で高い安定性と性能を実現する工夫がなされている。これはMIRACLE LINUXの開発者がOracleデータベースの実力を100%発揮するためのノウハウを知り尽くしているからだ。
図1:Oracleデータベースのインストールサポートツール
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)
ミラクル・リナックスは、Sambaを使ったWindows互換のファイルサーバに関して、高いノウハウを持っていることでも知られている。
コンピュータ上で日本語(マルチバイト)を扱う際には混在した文字コードが使われることがあり、さらに外字と呼ばれる規格外の文字の利用も企業によっては不可避であり、これらは大きな問題となっている。確かにSambaは標準的に日本語をサポートしているが、これはミラクル・リナックスからのフィードバックに負う部分が大きい。
サーバ用途向けのディストリビューションで使われるノウハウは、日本以外の国でももちろん通用する。ミラクル・リナックスは、日中韓の3ヶ国が共同で開発しているディストリビューション「Asianux」にも参画している。
Asianuxはアジア発のエンタープライズLinuxで、それぞれ独自の開発を行っていた日本のミラクル・リナックスと中国のRed Flagおよび韓国のHAAN Softの3社による共同開発のディストリビューションだ。Red Hat Enterprise Linuxをベースに開発が行われ、各ベンダーがそれぞれのブランドでビジネス展開を行っている。
各国のLinux事情は国ごとに違いがあるが、シェアの小さいローカルなディストリビューションはベンダーの支持を得にくいという面がある。またそれぞれが別々の製品開発を行った場合、全体的な開発コストは大きなものとなってしまう。
こうした問題に対してAsianuxは、日中韓の共にマルチバイトの文字を扱うという点から、3つのディストリビュータが同じプラットフォームに注力することで、アジアでの存在感を高めることに成功している。
図2:MIRALCE LINUXはAsianuxに参画している
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)
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著者プロフィール
株式会社市民電子情報網 安田 幸弘
取締役。主にオープンソースソフトウェアを使用した非営利組織向けのネットワークサービスの提供やサーバの運用/管理を行うとともに、フリーの技術ライターとしてインターネット、サーバ管理などに関して書籍や雑誌記事を執筆している。
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