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MARS FLAG Special Interview
今活用が求められる企業サイト内検索
株式会社マーズフラッグ 代表取締役社長 武井 信也氏

株式会社マーズフラッグ  代表取締役社長
武井 信也氏

幼少期よりプログラミングに魅力を感じ、アセンブラを初めとして多くの言語を経験する。学生時代にはオープンソースプロジェクトやネットワークコミュニティを主催。大手イベント制作会社勤務を経て26歳で独立起業し現職。
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   「絵がでる」検索ポータル「MARS FLAG」を提供するマーズフラッグは、国産の検索エンジンとして多くのユーザを獲得している。このノウハウを活かした同社の企業サイト内検索エンジン「MARS FINDER」は、2006年8月の三菱電機にはじまり、2007年には本田技研工業、キヤノンと続々と導入が進んでいる。今注目が集まる企業サイト内検索の重要性についてマーズフラッグの代表取締役社長 武井 信也氏に話を伺った。

今活用が求められる企業サイト内検索

— 立て続けて大手3社に「MARS FINDER」が採用されましたが、サイト内検索は企業Webサイトでどれほど重視されているのでしょうか
武井 信也氏 武井氏   非常に重視していると思いますし、その高まりをあらゆる観点から感じています。サイト内検索の検索窓というものは、つけざるを得ないというところからはじまります。Webサイトを公開し、コンテンツが増えたころには「サイトマップを見てください」といっても、量が多くなりすぎて目的のものが見つけられなくなります。ではナビゲーションによって解決しようとしても、Webの世界では、まだそこまで優れたナビゲーションはありません。

  そこでサイト内検索が必要になるのですが、最初から仕方なくつけた検索機能は、一般ユーザから見ても「使ってがっかり」するものでした。この印象そのものが、サイト内検索の歴史のすべてといえるでしょう。これは当社も含めて検索ビジネスに携わる企業が改善しなくてはならないところですね。


— 現在導入が進んでいる「MARS FINDER」は、どういった部分が採用のポイントとなっているのでしょうか
武井 信也氏 武井氏    まず企業から求められるのは基本性能です。検索用に入れたキーワードが漏れなくヒットするというのはあたりまえの話です。次には、結果が最適な順位で並んでいることが求められます。そして最後に検索以外に何ができるかという付加価値の面も必要です。

   当社の場合、検索結果に画面キャプチャを合わせて表示できるという付加価値を提供しています。我々は自身を「キャプチャリング・リーディング・カンパニー」と呼んでいるのですが、表示する画像の高画質化や処理速度の高速化などに挑戦しています。

   もちろん文字だけの検索でも高い基本性能を備えていることも重要な点です。当社の検索エンジンはインデックスの作成をほぼリアルタイムで行えます。例えば1秒に数百万ドキュメントに対するインデックス更新が可能です。

   大企業のWebサイトで、かなり過密なスケジュールの中で新しいページ/Webサイトを公開したとしても、すぐにインデックスを変更して検索可能な状態にし、検索順位も適切に表示できるのです。このような基本性能の高さも、今般の導入に結びついていると考えています。


— 基本的な検索性能以外の面ではどのような点がメリットなのでしょうか
武井氏    追加機能として喜ばれているのは、検索を行ったページに対して結果の並び順・優先順位をダイナミックに変えるものです。企業サイト内検索では、同じキーワードでも、どのページで検索したかによって、実はユーザが求める情報というのは異なります。

   例えば三菱電機のケースで「電源」というキーワードの場合、IRのページでは業務用電源のページが、家庭用機器のページでは家庭向けUPSや携帯電話用の電源などのページが、それぞれ優先して表示されます。この優先順位を自由に変更できる機能は、一般的な検索エンジンではタブーな面がありました。

   これは技術的な部分も関係しています。全文検索エンジンのインデックスは、元々の並び順を決めて検索速度を上げてきました。しかし、並び順を変えてしまうと、そのたびに転置インデックスを作り直す必要があります。しかしMARS FINDERの検索コアはそういった条件に縛られていないため、並び順を柔軟に変更させることができるのです。


— 国産の検索エンジンであるという点は、導入に影響がありましたか
武井 信也氏 武井氏    「国産だから採用した」という話は、正直なところまだ一度もいただいていませんね。しかしマイナスなポイントにもなっていません。弊社では、開発に携わるシステムエンジニアやプロジェクトマネジメントができる上級SEレベルの日本人がスタッフに揃っているので、要件に対して柔軟に対応できるというメリットがあります。

   例えば大型案件に限りますが、開発スタッフが直接クライアント企業の担当者からヒアリングを行っています。これが海外で作られた製品の場合、まず代理店が製品を販売し、カスタマイズ案件は別の製作会社やSIerが担当するケースが一般的です。そこから工数や見積もり、さらにカスタマイズが可能かどうかまでの判断が行われ、大きなタイムラグが発生します。

   これらのタイムラグは結果的にコストに結びついてきます。マーズフラッグの場合は、直接開発スタッフがヒアリングを行うため、その場でカスタマイズが可能かどうか、さらに必要な機能を実現できるかを直接答えることができます。この点は、間接的ではありますが国産であるという意義が大きいと考えています。

   また、現在MARS FINDERはASPサービスとして提供しているのですが、これを国内のデータセンターで処理している点も評価されていると思います。海外のサービスでは、検索のキーワードやログが一度海外に送信されてしまいます。しかし弊社のサービスの場合は国内ですべて処理されるため、セキュリティや情報漏洩の心配が少ないという面があると思います。


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