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ITインフラの新しい展望
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第2回:IBM System z9 - IBMオープン・メインフレームの新しい潮流
著者:日本アイ・ビー・エム  川口 一政   2005/10/24
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IBM Systems Agenda

   e-businessからオンデマンド・ビジネスへ…。単にインターネットに接続するだけだったお客様の業務形態が、近年では本格的なITとしてビジネスと連携をはかるように変化してきました。IBMはこのような変化を支え、オンデマンド・ビジネスの基盤となるインフラの方向性として発表したのがIBM Systems Agendaです(第1回も参照ください)。

   IBM Systems Agendaでは、Virtualization、Openness、そしてCollaborationという3つの方向性を示しました。その方向性を具現化する第1弾の製品として7月28日に発表したのが、IBMオープンメインフレームの最新サーバーであるIBM System z9 109(z9-109)です。

IBM System z9
図1:IBM System z9


IBM System z9 109とVirtualization

   今まででもメインフレームで多くの仮想化技術を実現してきました。1980年代にはまず1台のサーバーを物理分割するPPAR(Physical PARtition)を、1980年代の後半には1台のサーバーでサーバー資源を共用する論理分割(LPAR:Logical PARtition)を実装しました。

   昨今ではCPUの共用だけではなく、チャネルやI/Oの共用ができるようになり、仮想化のレベルを高めました。zSeriesやz9ではz/VMを使用して、1つのシステム上に数千もの仮想サーバーを立ち上げることを可能にし、よりすぐれた統合化効果を提供することが可能になりました。さらに以下であげる機能をサポートし、資源を有効に活用することができるようになっています。

IRD(Intelligent Resource Director)
メインフレームでは、オートノミック機能を実装したIRDを2001年に実装しました。IRDでは共用する資源を各論理区画のワークロードとその優先順位に基づいて、動的に資源割振りを自動チューニングします。IRDによってシステム全体の資源を有効に利用することができるようになったのです。
WLM(ワークロード・マネージャー)
WLMは多種多様なトランザクションを管理します。変化するワークロードに対して、ユーザーがポリシー・ベースの目標を設定(システムには「どのパラメータをどう変更するか」ではなく、「何して欲しいか」を設定)できるようになるため、急なビジネス課題へのシステム対応をより容易にします。
並列Sysplex
複数のサーバーやシステムをシングルシステム・イメージとして稼動できる並列Sysplexでは、WLMによってシステムにまたがってワークロードを適正分配させ、複数サーバーの仮想化を実現しています。

表1:仮想化機能

   これらzSeriesでつちかった技術を異機種混在の世界に移植しているのが、EWLM(Enterprise Workload Manager)およびIBM Virtualization Engine(VE)です。VEは今日における混在型のIT環境が持つ特有のニーズを解決できるように支援します。


IBM System z9 109とOpenness

   Opennessに対しては、従来のメインフレームの役割を超えた新たな価値と可能性を提供します。z9-109は、SOA、Webサービス、J2EE、Linux、およびオープン・スタンダードを全面的にサポートします。新しいワークロードに特化した専用プロセッサー(表2)は優れた価格性能比を実現し、またサーバー統合環境構築によってTCO削減やセキュリティ強化に高い効果を発揮します。

zAAP(System z9 Application Assist Processor)
zAAPは価格性能比の高いJava専用のプロセッサーであり、「統合メリット」と「メインフレーム・レベルのサービス品質」の両方をお望みのお客様に戦略的なz/OS Java実行環境を提供します。
IFL(Integrated Facility for Linux)
IFLは、Linuxワークロードの処理に特化したプロセッサーです。コスト・パフォーマンスの高いLinux専用の処理機構であるIFLとz/VMとの組み合わせにより、多数のLinux環境を経済的に構築することが可能になります。IFLもzAAPもz9-109では、前モデル比でパフォーマンスを約35%改善しています。

表2:専用プロセッサー


IBM System z9 109とCollaboration

   Collaborationという意味では、イノベーションを支える最新のテクノロジーを提供してきました。それらをハードウェア、オペレーティング・システム、ミドルウェア、そして自動化などと組み合わせて、お客様に最適となるトータル・ソリューションをご提供しています。またz9-109では、最先端の高度なセキュリティ機能や優れた災害対策システムをご提供しています。

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「IBM」「zSeries」「z/VM」「z/OS」は、米国または米国内外におけるIBM Corporationの登録商標です。

「Linux」は、Linux Torvaldsの登録商標です。

「IBM System z9」「Virtualization Engine」は、米国または米国内外におけるIBM Corporationの商標です。

その他の社名・製品名は、それぞれ各社の商標または登録商標です。
日本アイ・ビー・エム株式会社 川口 一政
著者プロフィール
日本アイ・ビー・エム株式会社  川口 一政
日本アイ・ビー・エム株式会社 ICP-シニア・コンサルティングI/Tスペシャリスト アドバンスト・テクニカル・サポート
1984年入社。システム・エンジニアとして銀行のアプリケーション開発を担当。1993年よりサーバーのスペシャリストとして並列Sysplexのテクニカル・サポートを担当。現在はzSeries全般のテクニカル・サポートとして、日本のみならずアジア・パシフィック各国の技術サポートを担当。


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INDEX
第2回:IBM System z9 - IBMオープン・メインフレームの新しい潮流
IBM Systems Agenda
  IBM System z9 109の位置づけと4つの特長
  特長2:比類なきスケーラビリティー
  IBM System z9 109の概要
ITインフラの新しい展望
第1回 IBMのITシステムのパラダイムシフト
第2回 IBM System z9 - IBMオープン・メインフレームの新しい潮流
第3回 iSeriesのシステム・アーキテクチャーに見る仮想化技術
第4回 IBM System p5の仮想化機能とオープンへの取り組み
第5回 xSeries、BladeCenterの仮想化技術とオープン化への取り組み
第6回 IT基盤の展望 IBM のオープン化と先進技術への取り組み