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| 品質とコストの関係 | ||||||||||||||||||||||||||||||
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品質とコストの関係を考える上での問題は、「どこまで品質を高めると、いくらコストは高くなるのか」ということが明確にならないことである。 ![]() 図1:適切な品質とコストの関係 図1は、「納入時の潜在欠陥が500万円単位に1個の欠陥で収めることが出来る実力ベンダーに、10倍の品質にまでシステムを良くした場合、どの程度費用は高くなるのか」という見積評価尺度を質問した時の図である。 このようなユーザの要求に対して、「それなら、これこれの理由でxx%高くなります」と透明性を持って見積回答をしてほしいのだが、そのような基準は存在しないのがソフトウェア産業の常識である。日本だけでなく世界中のソフトウェア産業において、発注者と受託者の間にはこのような問題が山積である。 「何かこの品質と価格の関係の糸口を見つけたい」、そのための調査が必要と考える。 |
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| 標準工期(適正工期)の考察 | ||||||||||||||||||||||||||||||
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プロジェクト全体工数と全体工期がともに記入されている105件のプロジェクトについて、工数の3乗根と工期の関係をグラフ化して回帰直線を引いた。工期・工数共に実績の回答がある場合には実績の工期・工数を、計画しかない場合には計画工期・工数を採用している。その意味ではほぼ実績ベースの分析と言える。 回帰の有意性が確認され、回帰直線が「Y = 2.67X + 0.1」と求められた。Y切片をゼロとして回帰をし直すと「Y = 2.69X」 となり、ほぼ 「Y = 2.7X」である。(Xは工数の3乗根) これは、COCOMO法(注3)とほぼ同じである。
※注3:
ソフトウェア開発の工数・期間の見積もり方法
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表1:回帰統計 |
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表2:分散分析表 |
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※注4:
「F(1,120,0.01) = 6.85」であるので高度に有意 |
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表3:切片・工数3乗根 (画像をクリックすると別ウィンドウに拡大表示します) |
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適正工期の判断(工期乖離度)について、標準工期に対して、単工期、長工期の基準を、それぞれ全体の20〜25%に設定することを前提にして、Yからの標準誤差(t値)を以下のように確定した。 |
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表4:工期乖離度 |
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その結果、工期乖離度別の割合は下記のとおりとなった。
※注5:
正規分布の片側22.5%点が0.75である事から設定した
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表5:工期乖離度別の件数・割合 |
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正規分布のように、対称な確率密度関数であれば、平均値から同等の距離で切った場合の面積(斜線の面積 = 確率)は同じ。![]() 図3:対称な確率密度関数 ところが、今回は、短工期が大きくて、長工期が小さい。ということは、図4のような分布になっている事が想定される。 ![]() 図4:短工期が大きくて長工期の場合 |
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書籍紹介 「ユーザー企業 ソフトウェアメトリックス調査2005」 本連載は日本情報システム・ユーザー協会より発刊されている「ユーザー企業 ソフトウェアメトリックス調査2005」をもとに記事を掲載しています。上記調査報告書は、ユーザ企業からの開発における品質・工期・生産性の標準的な値・指標の声を反映した報告書なっています。調査資料のご購入は下記のリンクより行えます。 「ソフトウェアメトリックス調査2006ご協力のお願い」 今年度も引き続き当調査を実施いたしますが、今年は開発実績データに加えて、保守に関しても調査項目を設け、保守作業を推進していく際の品質・工期・生産性に関する標準値を分析します。 他社と比較できる絶好の機会となりますので、是非、データのご提供に協力を賜りたく、よろしくお願い申しあげます。調査にご協力いただきました企業の方には、分析結果報告書を2006年4月予定で発送させていただきます。調査に関する詳細は下記URLをご参照ください。 http://www.juas.or.jp/project/survey/sec/2006/2006.html |
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