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BIの現状と今後
BIの現状と今後

第4回:BIの将来展望
著者:野村総合研究所  城田 真琴   2006/4/6
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はじめに

   前回は、オープンソースBIの中でもレポーティング機能を中心とした「BIRT」「JasperReports」とデータマート/DWHの「Bizgres」を紹介した。今回は前回に続いて、オープンソースBIの中でも包括的な機能を有する「Pentaho」プロジェクトを紹介する。そして、本連載の締めくくりとして、BIの将来を展望する。
Pentahoプロジェクト

   Pentahoは、リポーティング/分析、ダッシュボード、データマイニング、ワークフローツールなど、非常に多くの機能を有するオープンソースのBIプロジェクトである(図1)。

Pentahoのアーキテクチャの概要/出所:Pentaho
図1:Pentahoのアーキテクチャの概要
出所:Pentaho(http://www.pentaho.org/

   このプロジェクトは米国のPentaho社が中心となって開発を進めており、同社の開発陣には、ビジネス・オブジェクツ、コグノス、ハイペリオン、IBM、オラクル、SASといった大手ベンダーでBIソフトの開発経験を持つメンバーが含まれている。

   またプロジェクトの特徴としては、単に商用製品の置き換えとしてオープンソースのBIを提供するだけではなく、機能・特徴そしてそこから得られるメリットという面からユーザに選んでもらえるようなBIソフトの開発を目指していることにある。言い換えれば、「オープンソースだから」という理由でユーザに選んでもらうのではなく、「(品質が)良いから」という利用で選んでもらえるようなBIソフトの開発を目指しているのである。

   機能面での特徴としては、ワークフローのサポートをあげておきたい(図2)。

Pentaho ワークフローの画面イメージ/出所:Pentaho
図2:Pentaho ワークフローの画面イメージ
出所:Pentaho(http://www.pentaho.org/

   ワークフローの機能とレポーティングや分析の機能を連動させることによって、業務プロセスと各プロセスにおけるパフォーマンス指標をリンクさせて管理することができるため、業務を遂行する上でボトルネックとなっているプロセスを特定することが可能だ。

   そしてそのプロセスを改善し、結果をチェック・分析、そしてまた新たなボトルネックを抽出するといった一連のサイクルを通すことで、継続的に業務プロセスの最適化をはかることができるようになる。

   また技術面では、次からあげる特徴を備えている。

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野村総合研究所 城田 真琴
著者プロフィール
野村総合研究所  城田 真琴
IT動向のリサーチと分析を行うITアナリスト。大手メーカーのシステムコンサルティング部門を経て2001年、野村総合研究所に入社。専門は、BIの他、SOA、EAなど。最近はSOX法対応ソリューションのリサーチを手がける。著書に「EA大全」(日経BP社)、「2010年のITロードマップ」(東洋経済新報社)(いずれも共著)など。


INDEX
第4回:BIの将来展望
はじめに
  スケーラビリティ
  Netezza Performance Server
  RFIDが促進する新たなDWH/BI需要