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| OSS普及を阻害する学校ITサポートの構造的問題 | ||||||||||||||
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本実証実験を通じて最も痛感したことは、現状の学校IT環境へのサポートが貧弱だということです。PCやLANなどのハードウェアの購入費だけはかろうじて予算化されても、学校のIT環境を維持管理するためのサポートについてはほとんど予算化されません。学校のIT環境を維持管理するためには次のような作業が必要となります。 |
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表1:学校のIT環境の維持管理する作業例 これらの作業は、ITに比較的強い教員がボランティアで行っている場合が多いのですが、PCを納入した企業が無償でアフターサポートとして行っていることもあります。 OSS普及のためにはサポートの重要性が指摘されていますが、学校教育現場においてはサポートが適切に行われていません。この現状を解決しなければ、OSSのサポートにこれ以上の予算がつくことも考えにくく、OSSの普及も困難となってしまうでしょう。このため学校のITサポートの構造的問題は、OSSの普及において隠れた大きな障害であることを認識しておく必要があるでしょう。 ただ最近は教育委員会がITサポート要員を派遣し、IT環境の維持管理を支援するケースも少しずつですが増えてきているようです。この傾向が強まれば、OSSを導入した場合の維持管理のコストメリットが活きてくると期待できるでしょう。 |
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| 教員の立場からOSSを考える | ||||||||||||||
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OSSの導入の際、学校でのITサポートの他に、教員間あるいは学校間のIT活用能力の差が想像した以上に大きいことも問題だと考えさせられました。 OSSを導入するか否かの議論は、私のようにOSS推進の立場からすると最重要のトピックなのですが、学校教育現場から見れば枝葉末節の問題の1つとしか捉えられていません。このような状況ですので、学校あるいは個々の教員にとって、個々のIT活用能力を向上させることが最重要課題なのです。 このことは学校にOSSを導入しようとする企業側の方にはよく理解していただきたいです。教員がITを活用することが学校へのOSS導入の目的ではなく、あくまで教育を円滑にする手段としてOSSがあるのだと捉えていただきたいです。OSSによって管理負担の低いIT環境が安価に導入でき、IT活用教育がいかに豊かで容易になるかを教員の立場から考えて説明できることが肝要です。 |
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| 明らかになった技術的課題 | ||||||||||||||
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本実証実験ではOSSデスクトップ環境の技術的課題も明らかになりましたので、その概要を下表にまとめます。これらの課題はいずれも一朝一夕に解決できる問題ではありませんが、一歩ずつでも改善し続けて行くことが、今後の学校へのデスクトップOSS普及への近道であると考えています。もちろんその課題は、OSSに関わるすべての人で1つずつ解決して行きたいものです。
表2:OSSデスクトップ環境の主な技術的課題 |
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