オープンソースのビッグデータプラットフォームを提供するホートンワークス、最も成長の速い企業を目指す
Apache Hadoopをベースにしたビッグデータプラットフォームを提供するホートンワークスジャパン株式会社は、2017年4月21日に新社長就任と最新のHadoopディストリビューション、Hortonworks Data Platform 2.6(HDP)の発表をメディア向けに行った。
この記者説明会は、元レッドハットの廣川裕司氏が執行役員社長として就任したことを知らしめるのが主な目的で、Hortonworks Data Platform 2.6は、すでに4月4日にアメリカで発表されているものを改めて日本語に翻訳されたプレスリリースとして配付したということになる。
廣川氏は冒頭の挨拶で「これまで赤い色のオープンソースの会社だったが、これからは緑色、つまり信号機で言えばGo!のサインのオープンソースの会社に移りました」と冗談めかして語るように、レッドハットの社長として在籍していた期間からしばらくの合間を挟んでまたオープンソースの会社にリーダーとして復帰したことを、廣川氏自身も喜んでいることが見て取れた。
廣川氏が掲げた会社概要には「次世代データプラットフォームのデファクトスタンダードを提供するオープンソースソフトウェア企業の世界的リーダー」になるということが明記されており、具体的には「最も成長の速いソフトウェア企業」になって、「HDPをデファクトスタンダード」にする、「パートナー、顧客から最も信頼されるデータプラットフォームのリーダーになる」というのがビジョンであるという。
発表会には三菱ふそうトラック・バス株式会社のCIOも登壇し、導入事例としてHDPを紹介するなど、ハイタッチセールスを重要施策として掲げる廣川氏ならではの人選といったところだろう。
廣川氏によれば、この記者発表会よりも前に行われた新社長就任パーティには100名近い招待客が参加したということで、IT業界の重要パートナーだけではなくこれまでの経歴から繋がる人脈がいかんなく発揮されたことが披露された。つまりメディア向け説明会よりも先に顧客、パートナー向けにはお披露目がされていたわけで、メディアよりもハイタッチセールスを優先する姿勢が明らかになった言える。
また施策としてパートナーのエコシステムを拡充することを目標としているとして、「Hortonworks Friends」というマイルストーンが提示された。これはレッドハットやマイクロソフト、ヴイエムウェアなどが行っている認定制度とは異なるという。目標として2022年に10,000名のHortonworks Friendsを目指すようだが、その具体的な説明は行われなかった。
HDP 2.6の紹介では、実行速度の向上、AWSやAzure上での利用、IBM Power Systemsへの対応などが、マーケティングディレクターの北瀬氏より説明された。北瀬氏との質疑応答では、コンテナベースのワークロードの対応、機械学習への取り組みなどをぶつけてみたが、どれも対応する計画があるという答えだった。北瀬氏によれば、より詳しくは6月にサンノゼで開催されるDataworks Summitで開示される可能性があるとのことだった。
アップストリームへの貢献を維持したまま、安定版であるHadoopディストリビューションを提供し、サポートについてサブスクリプションで課金するというビジネスのスタイルは、レッドハットと同様だと説明された。また同社には、データフローのオーケストレーションツールであるApache NiFiの日本人として初のコミッターも社員として在籍すると説明し、改めてオープンソースコミュニティへの貢献を印象付けた形になった。
パワフルなトップセールスマンをリーダーとして迎えた、ホートンワークスジャパン株式会社の次の一手に注目したい。
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