教科書では教えてくれない「ネイティブの日常会話フレーズ」6選
はじめに
英語圏のネイティブの会話を聞いていると「それどういう意味?」というような表現を多く使っています。こういった表現を使うだけで、格好良く聞こえることはもちろん、本来は少し長い文で説明する必要があるような内容を簡潔に伝えられるようになります。
このような表現は数えきれないくらい多く存在しますが、中には聞くだけで理解できるようなものもあれば、時間をかけてじっくり読んでも意味が想像できないものもあります。
今回は、そういった表現の中から筆者が独断と偏見で6つ厳選して紹介します。いずれも、これまでに筆者が何度も使ったことがあり、かつネイティブと話した際にも頻繁に聞いたことがあるものを選びました。
この記事をきっかけに「こういった表現がある」ということを知っていただき、「もっと知りたい!」と思ってもらえると嬉しいです。
ネイティブの表現 その1:I wasn’t born yesterday.
この表現は、どのような意味だと思いますか? 直訳すると「私は昨日生まれたのではない」ですよね。ただ、日常会話でそんなことを言う機会なんてないと困惑してしまいますよね。
これは「昨日生まれたのではない」→「だから、そんなことは知っているよ!」という意味になります。面白いですよね。この表現からも分かる通り「馬鹿にするなよ」といったニュアンスが含まれたりもします。
それでは、例文を見ながら使い方を確認してみましょう。
A: You know you can pay for the tickets online, right?
B: Yeah, of course.I wasn’t born yesterday!
A: そのチケット、オンラインで支払いできるのは知っているよね?
B: もちろん。そんなことは知っているよ!
何か当然のように知っていることを言われて、少しイラっとしたときに使うのに適していますね。そんな状況に遭遇した場合は、ぜひこの表現を思い出して使ってみましょう!
ネイティブの表現 その2:Let’s play it by ear.
この表現は、筆者が個人的に大好きな表現のうちの1つです。読めば読むほど謎が深まりそうな表現ですが、意味は分かりますか? 直訳すると「それを耳で遊ぼう!」という感じになります。
でも「耳で遊ぶ」なんて意味が分からない上に、そもそも「『それ』って何だろう」と悩みますよね。実は、このLet’s play it by ear.という表現は「状況に応じて決めよう」という意味です。イメージとしては「色々な情報を集めて、それを参考にどうするか決めよう」といった感じです。
それでは、この表現をどのような感じで使えるか、例文で見てみましょう。
A: Do you want to go to the movies tonight?
B: Sounds good.
A: What do you want to watch?
B: I don’t know.Let’s just play it by ear.
A: 今夜映画観に行かない?
B: いいね。
A: 何観たい?
B: う~ん、分からないな。そのときに決めよう。
このような感じで、Let’s play it by ear.は色々な状況で使えます。特に自分が優柔不断だと思う方は覚えておくと便利ですよ。私も頻繁に使っています(笑)!
英語ではearやeye、head、armといった体の部位を使った表現は数多くあるので、それらを調べてみるのも面白いかもしれません。
ネイティブの表現 その3:I feel you.
これはたった3語しかない表現で、しかもどの単語も全く難しくないですよね。しかし、そのたった3語の表現を直訳しても「意味が分からない」という方が多いのではないでしょうか。
直訳すると「あなたを感じる」となります。筆者が学生時代よく聴いていたZardの「あなたを感じていたい」という曲がありましたが、その曲を知っていても、残念ながら、この表現の使い方のヒントにはなりません。
この表現の意味は「あなたの気持ちは分かるよ」となります。feelは恐らく「相手の心を感じることができる」というような意味で、そこから「気持ちが分かる」となっているのかもしれません。
もう少ししっかりした、かしこまった言い回しにするとI understand how you feel.と言うこともできます。しかし、I feel you.だと友達など親しい人に気軽に使える表現なので、ぜひ覚えておいてくださいね。
それでは、例文で使い方を確認してみましょう。
A: I studied until 4 am! I can barely stay awake.
B: I feel you. That was me last week.
A: 朝4時まで勉強してたよ! 辛うじて起きていられる感じだよ。
B: 気持ちは分かるよ。先週の私がそうだった。
I feel you.は「マイナスなこと」に対して「気持ちが分かる」と伝える際に使うので、使いどころに注意しましょう!
ネイティブの表現 その4:Look at you go!
これもなかなか面白い表現です。覚えておくと友達や親しい同僚と話しているときに使えます! どうでしょう。意味は分かりますか?
このまま読むと「あなたが(どこかへ)行くのを見て!」となりますが、これを読んでも全く意味が分からないですよね。しかも、話している相手がどこかへ行ったら、そもそもこの表現を誰に向けて言えば良いの? ということになってしまいますよね。
実はこれ、相手の行動や状態などに感心していたり、感動していることを伝える際に使う表現で、「良い感じだね」「絶好調じゃないか」といった意味になります。もちろん、相手が目の前にいるときに使います。
それでは、これも例文を見ながら、この表現の使い方を確認してみましょう。
A: I asked Jess on a date and we’re going out this weekend.
B: Look at you go! I’m so happy for you.
A: Jessをデートに誘って、今週末一緒に出かける予定なんだ。
B: 絶好調じゃん! 嬉しいよ。
このような感じで、相手を褒めたりする際に、この表現がパッと出てくれば、さらに友情関係も深まりますね。
ネイティブの表現 その5:Same old same old.
これはアメリカ人の友人や同僚がよく使っているのを聞くことがあります。same oldを2回連続で言っているのは謎ですよね。直訳すると「同じ古さ、同じ古さ」となり、これまでに見てきた表現の中でもトップレベルに意味不明です。
この表現ですが、日本人であれば少し視点を変えて考えると解読できるかもしれません。要するに「古さは同じ」のように、逆にしてみてください。そうすると「古さ」よりも「同じ」という単語が強調されますよね。これで気付かれた方もいるかもしれませんが、「今までと同じ」=「変わらない」ということなのです。「変わらないよ」「相変わらずだよ」などと訳すことができます。
それでは、例文を見ながら使い方を確認して行きます。
A: How’s everybody at the office?
B: Oh, same old same old.
A: 会社のみんなはどうしてる?
B: うん、相変わらずだよ。
会話からも分かる通り、久しぶりに会った人との挨拶で使える表現ですね。
ネイティブの表現 その6:Cut me some slack.
多くの人が仕事でslackを使っていると思いますが、この単語は本当に存在する英単語で「緩い」や「たるんだ」といったマイナスな意味があります。名詞だと、ロープや帆の「たるみ」を指します。slack offとすれば「サボる」という意味になるので、覚えておくと意外に使えますよ。
このcut me some slackとは、どのような意味だと思いますか。直訳すると「たるみ」を「少し切る」となってしまい、意味が分からなくなりますね。
この表現は「大目に見てよ」「勘弁してよ」といった意味を持っています。誰かに厳しいことを言われて「さすがにそれは理不尽だ」と思った場合、この表現を使うと良いですね。これも例文で使い方を確認してみましょう。
A: Have you finished the report I asked for this morning?
B: Hey, cut me some slack here. I haven’t even had time for lunch.
A: 今朝お願いした報告書は終わった?
B: 勘弁してよ。まだ昼食を食べる時間も取れてないんだよ。
本当に参っていて、言われたことにいら立ちを表すときに使ってみてくださいね。
おわりに
今回はネイティブが日常的に使っている会話フレーズということで、教科書では学べない表現を6つ紹介しました。今回の表現を覚えて、機会があればぜひ使ってみてくださいね。
今回紹介したような表現は数多くあるので、他の表現も調べて徐々にレパートリーを増やしていくことで、さらにネイティブの会話が理解できたり、ネイティブが話すような英語に近づけるようになります。