実践!ビジネス・プロセス・インテグレーション 1

BO定義とインターフェース定義

はじめに「企業戦略におけるビジネス・プロセス・インテグレーション」 の連載では、ビジネス・プロセス・インテグレーション(BPI:Business Process Integration)と他の技術の違いやサービス・オリエンテッド・アーキテクチャ(SOA:Service Oriented Archi

小倉 弘敬, 佐藤 泉, 津田 佳一

2005年12月8日 20:00

はじめに

企業戦略におけるビジネス・プロセス・インテグレーション」 の連載では、ビジネス・プロセス・インテグレーション(BPI:Business Process Integration)と他の技術の違いやサービス・オリエンテッド・アーキテクチャ(SOA:Service Oriented Architecture)との関係などから、BPIの位置付けとBPIを実現するための要件と機能、それらを実現するメリットや難しさについて説明し た。

BPIを実現するための要件と機能の一覧
表1:BPIを実現するための要件と機能の一覧
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大表示します)


特に重要な点は、BPIの機能を単なる柔軟な業務システムを作るためだけではなく、柔軟なシステム基盤を作るためのSOAの中の重要なコンポーネントと位置付け、企業が存続するための企業戦略を支える技術として考えるということであると結論付けた。

本連載では、「企業戦略におけるビジネス・プロセス・インテグレーション」の内容を踏まえて、それらを実装する方法を紹介する。

ここでは実践方法をより具体的にイメージしていただくため、架空の会社を例に説明する。

天然の原木一枚板を使ったダイニング・テーブルのO社

O社は天然の原木一枚板を使ったダイニング・テーブルやサイド・テーブルの製作および販売を行っている。天然の原木一枚板はどれ1つとして同じものはなく、同じサイズのテーブルでも色・形や木目・節の位置などにより全然違う印象になる。

客は店に行って実際にテーブルを見てから気に入ったものを購入するが、一店舗においてあるテーブルの数は限られ、他の店に置いてあるものは見ることができない。他の店に見に行くにしても店舗が点在しているため、「写真でもいいから他の店舗のものを見たい」という要望がでていた。

O社としても店舗に来ることのできない地域の客に対して、販売を拡大したいという漠然とした希望はあった。幸いO社はインテリアの雑誌に度々とりあ げられ、店舗のない地域でのブランドイメージも確立していた。店舗のない地域における事前のマーケティング調査で、店に出向かなくても購入を希望する人が多いとの結果がでており、経営陣はビジネスとして成り立つと判断し、カタログ販売やその他の販売方法を模索していた。

そしてO社は上記の要求を満たすため、インターネットを使った商品注文システムを導入することにした。客はすべての店舗の商品をWeb上の写真で確認することができ、気に入ったものを注文することができる。決済はクレジットカードで行い、実際のテーブルは宅配会社を使って配達される。

このシステムは、大きく分けて2つの部分からできている。

1つ目は商品を注文するためのユーザインターフェースを提供するWebアプリケーション部分である。実際の客はこの部分しか見ることができない。客はWebブラウザから写真を見てテーブルを選び、気に入ったものがあれば、名前、住所、クレジットカード番号、メールアドレスなどの必要な項目を記入して注文を行うのである。

2つ目は上記で発生した注文から注文管理、在庫管理、カード決済、発送依頼など一連のビジネスプロセスを実行する部分である。この部分は今後の変更を考慮してBPIとして開発することとした。

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