インターフェース定義(WSDL)
インターフェース定義(WSDL)
次にプロセスを構成する各システム間のインターフェースについて設計を行っていく。インターフェースとはシステムが提供しているサービスの呼び出し方を定めたものである。
今回のビジネスプロセスでは、プロセスに接続する各システムはすべてWebサービスとして自身のサービスを公開しており、その場合のインターフェース定義はWSDLとなる。WSDLについては「BPIのビジネス要件とそれを実現するための機能」も参照して頂きたい。
以下、BO定義の場合と同様に注文管理システムを例にとってインターフェースの作成手順について見ていこう。
注文管理システムでは、サービスとして「注文情報の入力処理」を外部に公開する。このサービスは入力として注文情報を受け取り、その情報を注文管理システムに入力した後、結果を呼び出し元に返す。これを仕様として記述すると表6のようになる。
| サービス名 | 入力 データ名 |
入力 データ型 |
出力 データ名 |
出力 データ型 |
説明 |
| inputOrder | order | Order | result | boolean | 注文データを受け取って注文管理システムに注文情報を入力した後、処理結果を戻り値として返す |
ここで、入力データ型には先ほどのBO定義で作成したOrderを、出力データ型にはbooleanを指定している。
インターフェースの成果物であるWSDLファイルはここで定められた仕様を記述する定義体となる。ここでの仕様を記述しているWSDLの具体的な内容は以下の通りである。
xmlns:tns="http://OrderProcess/OrderSystem"
xmlns:wsdl="http://schemas.xmlsoap.org/wsdl/"
xmlns:xsd="http://www.w3.org/2001/XMLSchema"
name="OrderSystem"
targetNamespace="http://OrderProcess/OrderSystem">
xmlns:bons1="http://OrderProcess"
xmlns:tns="http:// OrderProcess/OrderSystem"
xmlns:xsd="http://www.w3.org/2001/XMLSchema">
schemaLocation="xsd-includes/http.OrderProcess.xsd"/>
インターフェース開発はインターフェース仕様からこのようなWSDLを作成する作業となる。WSDLの場合もBO定義の場合と同様にツールを利用することでより簡単で直感的な操作での開発が可能となる。
WIDではインターフェースの開発用にインターフェースエディタと呼ばれるGUIのエディタが用意されている。このエディタでは今回のインター フェース仕様で定めた項目をほとんどそのままエディタ上で記述していくだけでWSDLファイルを作成することができる。図5がこのエディタでの開発画面である。
このエディタ上で仕様にそってWSDLのオペレーションを定義し、各オペレーションに対して入力や出力のパラメータを記述していくことがWIDを使用した場合のインターフェースの開発手順となる。
以上がインターフェース定義についての開発の流れである。実際の開発では今回注文管理システムに対して行ったのと同様の手順でプロセスが関わるすべてのシステムについてのインターフェースを定義していくことになる。システムが既にWSDLを公開している場合にはそのままそれを使用する。
終わりに
今回はビジネスプロセス設計ステップにおいて成果物として定義した「BO定義(XSD)」と「インターフェース定義(WSDL)」について、注文管理システムを例に仕様の策定から実装の開発までの流れを紹介した。次回はビジネスプロセスやヒューマンタスクなどのコンポーネントの実装について見ていく。
