再開発、再利用性の向上
再開発、再利用性の向上
これまでBPIの実行時の特徴を中心に、要件とそれに解決をあたえる技術を解説してきたが、これからはBPIの開発における要件とそれを支える技術を解説する。
「第1回:企業戦略を支える技術としてのBPI」でも解説したように、BPIはシステムの柔軟性を高めることにその意義がある。システムの柔軟性とは、すなわち再開発の容易性や生産性を向上させることにつながるものである。では、具体的にどのような仕組みがあればシステムの柔軟性は高まるのだろうか。
システムの柔軟性とはシステムの変更の容易性であり、それには変更が必要な箇所だけを必要に応じて変更できる必要があり、共通の部分は他のシステムやコンポーネントから容易に再利用できることが必要である。つまり、変更頻度の異なる部分に応じてコンポーネント化が可能であり、変更が必要なコンポーネ ントのみを変更可能であることの必要性を意味する。
例えば上図のように、ビジネスプロセスが「プロセスサービス層」「データ変換層」「ビジネスルール層」「ユーザインターフェース層」「アプリケー ション層」の5つの層のコンポーネントに分離可能なBPIシステムだと、ビジネスルール部分だけに変更が必要な場合は他のコンポーネントのモジュールに一 切変更を行うことなく、ビジネスルール部分の修正と置き換えのみで対処が可能になる。
また、それぞれコンポーネントとして分離している部分は再利用が可能なため、例えば図2のビジネスプロセスで使用しているデータ変換のモジュールを、他のビジネスプロセスで再利用することも可能になる。
これによって再開発のコストを抑えられるため、コンポーネント化は開発の容易性を向上させることができる。
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この記事の筆者
日本アイ・ビー・エムソリューション開発 インテグレーション所属
ソフトウェア・エバンジェリスト。担当分野は、ビジネス・プロセス・インテグレーション(BPI:Business Process Integration)。WebSphere Business Integration(WBI)ソリューションセンターで、BPIソリューションの開発/提供に従事する。
入社以来、ワークフロー、ビジネスプロセスエンジン、ビジネスプロセスモニターなどのソフトウェア製品の開発やそれらの製品をベースとしたソリューションの提案活動に従事。
特に、SOAに則ったBPI(Business Process Integration)やBIO(Business Innovation and Optimization)を得意分野とする。
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