JBossCache
JBossCache
先ほど、JBossはTomcatの機能を使わず独自の方法でHTTPセッションレプリケーションを実現すると述べましたが、それを実現するのが"JBossCache"です。
JBossCacheはトランザクションやノード間レプリケーションに対応したキャッシュ機構であり、単独でも活用できますがHTTPセッションレ プリケーションに関しては最初から組み込まれており、ユーザはJBossCacheを意識することなくレプリケーションを利用できます (JBossCacheもまた、通信基盤としてJGroupsを使用しています)。
HTTPセッションレプリケーションの細かい設定とチューニングを行いたい場合は以下のファイルを編集します。
- jboss-web.xml
- jbossweb-tomcat55.sar/META-INF/jboss-service.xml
- tc5-cluster-service.xml
jboss-web.xml
"jboss-web.xml"は、"web.xml"と共にWARファイルの"WEB-INF"ディレクトリに収めるJBoss固有のDD(Deployment Descriptor)です。
「replication-config」要素の子要素として"replication-trigger"と"replication-granularity"が設定可能です。
replication-triggerの設定値
アプリケーションがHTTPセッションに対しどのような操作を行ったときに、レプリケーションを実行するかを決定します。設定できる値は以下の通りです。
- SET
- "setAttribute"メソッドが実行された場合のみ。
- SET_AND_GET
- "setAttribute"あるいは"getAttribute"メソッドが実行された場合。
- SET_AND_NON_PRIMITIVE_GET
- "setAttribute"メソッドが実行された場合と、"primitive"でないオブジェクトに"getAttribute"メソッドが実行された場合("primitive"とは、"String"のようにオブジェクトが変更されないもの)。
デフォルト値は"SET_AND_NON_PRIMITIVE_GET"です。
replication-granularityの設定値
レプリケーションを行う粒度を決定します。設定できる値は以下の通りです。
- SESSION
- HTTPセッションオブジェクト全体をレプリケートします。
- ATTRIBUTE
- 変更を受けた"Attribute"のオブジェクトのみレプリケートします(「変更を受けた」の判定基準は"replication-trigger"に依存します)。
- FIELD
- 変更を受けた"Attribute"のオブジェクトのフィールドのみレプリケートします(AOPにより実現しますが、まだサポートされていません)。
パフォーマンスを向上させるには"replication-tigger"を"SET"に、"replication-granularity" を"ATTRIBUTE"にするとよいでしょう。ただし"setAttribute"メソッドが呼ばれた場合にのみレプリケーションされるた め、"getAttribute"で取得したオブジェクトを変更した場合には必ず"setAttribute"を実行するようにしましょう。
"replication-trigger"と"replication-granularity"の設定
SET
ATTRIBUTE
![]()