改めて知っておきたいRed Hat Enterprise Linux 4 - サーバ編 2

レスキューモードによるシステムリカバリ

レスキューモードによるシステムリカバリ

RDPLE(Rapid Deployment Pack Linux Edition)にはブレードサーバのOS部分のイメージバックアップ、イメージリストアを行う機能があります。しかしRDPLEが利用できない場合や バックアップしたイメージファイルのフォーマットがシステムで決まっており、バックアップツールが導入できない場合などはバックアップソフトウェアなどの管理ツールを使わないで、ブレードサーバのOS部分のイメージバックアップリストアを行う方法が必要となる場合があります。

RDPLEなどの管理ツールを使わないでブレードサーバのOS部分のイメージバックアップ、リストアを行う手法としてはiLOのVirtual MediaとRHEL4のレスキューモードのddコマンドを併用する方法があります。またiLOが利用できない場合でもCD-ROMドライブをブレード サーバに装着することが可能です。

iLOのVirtual MediaとRHEL4のddコマンドを併用する方法

iLOを利用すればリモートからの作業が可能となるため管理の煩雑さが大幅に低減されます。大まかな手順は表3のようになります。


  1. 管理ノードからブレードサーバのiLOにアクセス
  2. ブレードサーバのVirtual Media機能により、管理ノードに保存してあるOSのインストールCD-ROMのisoイメージファイルをマウント
  3. ブレードサーバをレスキューモードで起動
  4. レスキューモードで起動したブレードサーバ上で、ddコマンドとssh/scpコマンドを併用して、ブレードサーバのOS領域をイメージ化して管理ノードへバックアップ、あるいはブレードサーバへリストア
表3:RDPLEを利用したリカバリ手順

Virtual Mediaとisoイメージおよびdd/ssh/scpを利用した方法

次にRDPLEを使わずにブレードサーバにインストールされたRHEL4を、iLOのVirtual MediaとレスキューCD-ROMのisoイメージおよびdd/ssh/scpを使ってバックアップリストアする手順です。以下は管理ノード側で行います。

まずRHEL4のCD-ROM1枚目のisoイメージを/dataに保存します。次にWebブラウザを起動して、バックアップしたいブレードサーバのiLOへアクセスします。次にiLOのVirtual Consoleでブレードサーバの画面を表示しておきます。

iLOのVirtual Mediaが起動したら、先ほど作成した/data以下のRHEL4のCD-ROM1枚目のisoイメージファイルをマウントしてください(Webブラウザで操作)。

次にiLOのVirtual Powerでブレードサーバの電源を投入して(指でブレードサーバの電源を押してもよい)、Virtual Consoleを使ってPOST画面を表示させて、ブレードサーバのSmartArrayのF8セットアップでRAID1を作成します。

すると/data以下に保存したCD-ROMのisoイメージでRHEL4のインストーラが起動しますので、インストール画面の最初でlinux rescueと入力してください。

レスキューモードを起動したらrootユーザでログインします(パスワードは聞かれない)。この時点で内蔵ディスクを使わずにレスキューモードで起動している状態です(ハードディスクを使わず、メモリ上のみで動作=レスキューモードで動作しています)。

管理ノードとネットワーク通信できるように、ブレードサーバのNICインタフェースに空いているIPアドレスを付与します。

ブレードサーバにIPアドレスを割り振る


# ifconfig eth0 172.16.10.253 netmask 255.255.0.0

次に管理ノードとネットワークの接続があるか確認するため、ブレードサーバ側から管理ノードへpingをうってください。



# ping 172.16.10.210

ネットワークの接続を確認したら、ブレードサーバのSmartArray内蔵ディスクがハードウェアとして認識されているか確認します(ここでは、fdiskコマンドに-lオプションを付け確認)。



# fdisk -l /dev/cciss/c0d0

 

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