クラウドはビジネス成長の原動力に。IBMがOpen Cloud Summit Japan 2014を開催

2014年4月19日(土)
Think IT編集部

日本アイ・ビー・エムは4月16日、「Open Cloud Summit Japan 2014」を都内で開催した。イベントは早い段階で満席となり、ネット視聴含む事前登録は1,800人。非常に注目度が高いことが明らかにされた。

IBMコーポレーション ソフトウェア&クラウド・ソリューション 上級副社長のロバート・ルブラン氏がオープニングセッションに登壇し「必ずしもテクノロジーだけではなくビジネスへの期待値が重要、マーケティング担当者はクライアントに対してリアルタイムにアプローチする必要が出てきた。そういったニーズを実現するためにクラウドは不可欠であり、ビジネスの変革を起こしている。」と、クラウドがもたらす機会についてIBMの視点・取り組みを語る。

「クラウドで働き方も変わる、開発者には可能性が開かれている」ルブラン氏

IBMはクラウドへの積極投資を進めている。IaaS分野のソフトレイヤーの買収は記憶に新しく、PaaS分野のBlueMixは今後のIBMをけん引するミドルウェアを目指していくという。また、100個以上のSaaS分野のアプリケーションを提供している。IBMが目指すのは、インフラからアプリケーションまであらゆるレイヤーでサービスを提供することだと強調した。

ソフトレイヤー買収後も、1,200億円をかけてデータセンターの拡張をし、40,000人以上がクラウドのエキスパートとしてトレーニングを受けている。IBMのクラウドに対するコミットメントが見て取れる。

オープンクラウドの現在と今後

続いて、ゲストスピーカーとして国際大学グローバル・コミュニケーション・センター客員研究員の林 雅之氏が登場。本イベントのキーワドにもなっている「オープンクラウド」を早くから唱えており、関連書籍も執筆している。

「ビジネス展開を考えたときにオープンクラウドは今年2014年がカギになる」林氏

オープンクラウドの起源は2009年の3月に公開されたマニフェストにある。標準に準拠する、ベンダーロックインをしない、コミュニティで協調していくことなどが掲げられている。オープンクラウドが成長している背景として、林氏はエコシステムが重要だと指摘する。ユーザーはクラウドロックインから回避され、プライベート環境も構築できる。サービサーは自社開発に費やすコストが削減され、ガラパゴス化も回避できる。開発者はコミュニティから充実した支援が受けられる、といった具合にそれぞれの立場でメリットが享受できるようになっている。

「IBMも積極採用しているIaaSレイヤーのOpenStackだが、すでに一部ではコモディティ化も始まっている。次はオープンPaaS、オープンネットワークが重要になり、ソフトウェアで制御するクラウドコントロールがさらに加速していくだろう。」と今後の展望を語った。

とは言え国内の事例としてはまだまだ。ビッグユーザーがOpenStackを採用し始め、事業者だけではなくユーザー側での利用が進んでいることを示した。今後のマーケット動向としてIDC Japanの調査結果を紹介。オープンソースクラウド基盤は2015年ごろから本格普及の予定となっている。

今後もコニュニティへ積極投資していく

IBMコーポレーション ソフトウェア・グループ 技術理事 クラウドパフォーマンスCTO アンドリュー・ヘイトリー氏は、古くからIBMの技術に携わってきた。オープンクラウドアーキテクチャの構築に際し、OpenStack導入を主導したキーマンでもある。

IBMではすでに新しいサービスの85%がクラウド用に開発されており、2年以内には25%がクラウド上で利用されることになる。新入社員の72%が大学でクラウドを勉強している。もともとEclipseなどオープンテクノロジーでIT改革を加速させてきた会社であり、オープンソースのエコシステムを活用し自社商品開発につなげている。

ヘイトリー氏「オープンテクノロジーのコミュニティこそが我々にスピードを与えてくれた」

ヘイトリー氏は、まだコミュニティメンバーが200名くらいのころにOpenStackにのカンファレンスに参加し、エンジニアの情熱に圧倒されたという。コミュニティのエコシステムが重要だと感じ、すべてをIBMでやるのではなくOpenStackに賭けようと判断した。経営層を説得させるのは大変だったが、最後はLinuxよりも成功するように頑張れと言われたという。IBMではバージョンがあがるごとにプロジェクトへのコントリビューションを高め、Havana(OpenStackのバージョンのコード名)では400人近くまでメンバーを増やし、コアコントリビューター100名ほどがコードを提供している。IBMのクラウド戦略の基礎になっている。

このOpenStackの経験を活かし、早い段階からオープンなエコシステムを探している。TOSCA、Chef、Cloud Foundryのコミュニティも価値があると感じ。Cloud Foundry Foundationは立ち上げメンバーにもなっている、同時にCloud Foundryをベースにした自社ブランド「BuleMix」のベータ版を早期にサービスインしている。

IBMが注目するオープンPaaSのCloud Foundry

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2004年の開設当初からOSS(オープンソースソフトウェア)に着目、近年は特にクラウドを取り巻く技術動向に注力し、ビジネスシーンでOSSを有効活用するための情報発信を続けています。クラウドネイティブ技術に特化したビジネスセミナー「CloudNative Days」や、Think ITと読者、著者の3者をつなぐコミュニティづくりのための勉強会「Think IT+α勉強会」、Web連載記事の書籍化など、Webサイトにとどまらない統合的なメディア展開に挑戦しています。

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