意外と使えるUML 1

UMLの手軽で有効な利用方法

1. はじめにオブジェクト指向モデリング言語として誕生したUML(Unified Modeling Language)は、今日、ソフトウエア業界で広く利用されています。しかし、読者の中には「UMLを使ったことが無い」または「使ってみたが効果が無かった」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。そこ

中原 慶, 近藤 寛喜

2010年9月7日 20:00

1. はじめに

オブジェクト指向モデリング言語として誕生したUML(Unified Modeling Language)は、今日、ソフトウエア業界で広く利用されています。しかし、読者の中には「UMLを使ったことが無い」または「使ってみたが効果が無かった」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そこで、本連載では、UMLの導入に敷居の高さを感じている方を対象に、UMLを用いたモデル(以降、UMLモデル)の、手軽で有効的な利用方法を、筆者の経験を交えて紹介します。

なお、UML仕様に基づいた厳密で正確なモデルの作成方法や、モデル駆動開発の方法といった、敷居が高いトピックについては解説しません。もっと根本的なUMLモデルの活用方法を紹介します。

2. モデリングとモデルのメリット

2.1. コミュニケーション・ツールとしてのUML

UMLモデルについて解説する前に、そもそも「モデリング」や「モデル」とは何なのかを説明します。

あるお店の場所を表す案内図を例に考えてみましょう。お店の案内図は、最寄り駅や、大きな道路からお店までの経路を、特徴的な建物や交差点などを目印に、描かれています。この地図には、航空写真のような、厳密な建物の大きさや数といった情報は必要ありません。「顧客にお店の場所を示す」という目的に従い、必要最小限の情報(本質)だけを残しています(図1)。

このように、対象を、ある視点や目的にしたがって抽象化し、本質を際立たせる行為を、モデリングと呼びます。そして、ある視点で対象を抽象化したものを、モデルと呼びます。

図1: 航空写真(左)と、抽象化/モデル化した案内図(右)の例(クリックで拡大)

 

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