サブネットマスクの分析[サブネットマスク変換とサブネット設計]

2015年3月2日(月)
中山 貴夫

■サブネットマスクに基づくサブネット設計

 
次に、サブネットマスクを用いたサブネット設計に関する問題です。例題を2問、以下に示します。
 
公式ガイドブック13章の問題5
 
公式ガイドブック13章の問題7

※問題5と7は『シスコ技術者認定試験 公式ガイドブック Cisco CCENT/CCNA ICND1 100-101J』 p.348とp.349より抜粋。

 

●クラスフルアドレッシングとクラスレスアドレッシング

 
IPv4アドレスのサブネットに関してはクラスレスアドレッシングとクラスフルアドレッシングという2つの考え方があります。
クラスA、B、Cを考慮して、各クラスのホストビットをサブネット(プレフィックス)とホストに分割するのがクラスフルアドレッシングです。
 
例えば、10.10.0.0/16 というサブネットについて考えると、クラスAなのでネットワークビットは8ビット、ホストビットは24ビットです。このホストビットをプレフィックス8ビット、ホスト16ビットに分割していると考えます。(ホストビット24)-(サブネットマスク16ビット)=(プレフィックス8ビット)という計算です。下の図を参考にしてください。
 
クラスフルアドレッシングの例
 
一方、クラスレスアドレッシングでは、クラスA、B、Cは考慮せず、単純にネットワーク(プレフィックス)ビットとホストビットのビット数のみを考えます。
 
同じく10.10.0.0/16 というサブネットの場合、サブネットマスクが /16 なので、ネットワークビットが16ビット、ホストビットが16ビット(32-16)と考えます。
 
 
クラスレスアドレッシングの例
 
 
どちらの場合でも、サブネットマスクによってホストビット数が決定することには変わりありません。
 

●例題

 
それでは例題を見ましょう。例題5は、IPアドレスとサブネットマスクから、ネットワーク・サブネット・ホストのそれぞれのビット数を求める問題です。クラスフルアドレッシングというのを見落とさないよう注意しましょう。
 
まず、ネットワークビットはクラスを基に判断します。10.55.66.77なのでクラスA、つまりネットワークビットは8ビットです。次にサブネットマスクからホストビットを判断します。255.255.255.0は/24なので、32-24で8ビットがホストビットです。最後に、サブネットは全体32ビットからネットワークとホストのビット数を引けばよいので、32-8-8=16ビット、となります。よって、正解はホストが8ビットのcです。
 
ネットワークが24ビットの選択肢eですが、この問題はクラスフルアドレッシングなので間違いです。
 
例題7は、IPアドレスが10.55.66.77、サブネットマスクが255.255.255.0であり、例題5と同じです。しかし、今度はクラスレスアドレッシングなので、クラスは気にせずに考えます。サブネットマスク255.255.255.0は/24なので、ネットワーク(プレフィックス)ビットが24ビット、ホストビットは32-24=8で8ビットとなります。よって正解はbとdです。
 
この記事で紹介した書籍
シスコ技術者認定試験 公式ガイドブック Cisco CCENT/CCNA ICND1 100-101J

Wendell Odom 著/株式会社クイープ 訳
価格:4,400円+税
発売日:2014年03月05日発売
ISBN:978-4-8443-3553-5
発行:インプレスジャパン

シスコ技術者認定試験 公式ガイドブック Cisco CCENT/CCNA ICND1 100-101J

本書は、シスコ技術者認定のうち、CCENT/CCNAの認定を目指す人のための公式ガイドブックです。2013年に改訂されたICND1の試験内容に対応しています。新ICND1は、旧ICND1からトピックの削除と追加が行われています。ICND1の合格により、CCENT認定を受ければ、CCNA認定への最初のステップをクリアしたことになります。本書を携えつつCiscoプロフェッショナル認定試験突破に向けて大きな一歩を踏み出しましょう。

Amazon詳細ページへImpress詳細ページへ

 

京都女子大学 現代社会学部 講師、シスコ認定アカデミーインストラクタ。2010年よりシスコネットワーキングアカデミーの授業を担当。専門はネットワーク監視・管理・運用技術。学内ネットワークの運用責任者。

連載バックナンバー

Think ITメルマガ会員登録受付中

Think ITでは、技術情報が詰まったメールマガジン「Think IT Weekly」の配信サービスを提供しています。メルマガ会員登録を済ませれば、メルマガだけでなく、さまざまな限定特典を入手できるようになります。

Think ITメルマガ会員のサービス内容を見る

他にもこの記事が読まれています