連載 :
  ReadWrite Japan

未来のオールインワン・ケーブル「USB Type-C」の特徴とは?

2015年4月4日(土)
ReadWrite Japan

先月、アップルとグーグルの両社が新しい接続ポート、USB Type-C(もしくは略してUSB-C)が装備されたラップトップを発表した。Macbookの場合、これが唯一のポートになる。

USB-Cは過去のUSBとの対比でリバーシブルだと言われる。どっちの向きでも差せるわけだ。向きを間違えて差し直すことはなくなるわけだが、USB-Cにはそれ以上の価値がある。

pic001

USB-Cはデータ、電源、オーディオビデオの伝達ができる

より多くの電力、データを伝達でき、ビデオ出力からファイルのコピーまで様々なタスクをこなすことができる。これによりスマートフォンやタブレット、新手のラップトップは飛躍することだろう。

手っ取り早くいうと、これがその他多くのケーブルの代替品になると言う意味であなたがUSB-Cを将来見る機会は確実に増えると言うことだ。

電力とスピード

pic002

Macbookの場合、これが唯一のポートになる

USB2.0の業績及びUSB3.1の最新の成果を下地にUSB-Cの開発は2013年に始まった。初めから「薄くスマートな」と言うことは規格においてUSB3.0 Promoter Groupの狙いであった(このグループはHP、インテル、マイクロソフト、Renesas Electronics and Texas Instrumentsなどの代表から構成されていた)

USB-Cの出力は最大で100W 20Vになる。携帯の他にラップトップとモニターの電源も供給できると言うわけだ。つまりこれにより煩わしいACアダプターは終わりを迎えることになる。充電はさらに急速化し、これと並行してデータ通信も行える。

データ通信速度の理論値は最大で10Gbpsと、USB3.0の倍に上る。HDの動画を1秒で転送しきるのに充分だ(HDDなどがボトルネックにならなければだが)。その基礎となる技術の進歩はUSB2.0が3.0に上がった時とは異なる。物理的なコネクターが主な違いだ。

ここでUSB3.0から3.1へのアップグレードと混同してはいけない。このように考えて欲しい。USB3.1は10Gbpsの通信速度と100Wの電力供給を可能にするプロトコル及び内部的な技術規格を策定した。USB-Cではこれらの機能を実現するためのプラグを送り出したと言うことだ。USB3.1は2013年7月頃からあるが、USB-Cとこれは消費者にとって新しいものだ。

これはケーブルメーカーやハードメーカーがUSB-CをUSB2.0/3.0の接続にも使えるよう設計できるという意味で注目に値することだ。ほとんどのUSB-Cケーブルは3.1に対応しているが、その仕様について見て見るべきだろう。

8.4×2.6mmの18ピンケーブルで、先程述べた様に表裏どちらの向きでもさせる。またMicroUSB同様1万回の抜き差しに耐える。この理想的なコネクターはケーブルの両端に付けられるため、表裏だけでなく、どちら側を差すかという意味でも間違えることがない。

アップルのライトニングケーブルと同じくUSB-Cにも回路が組み込まれており、端末がどちら側か、何をしなければならないか(電力供給、データ通信、動画)を判断する。これまでのUSBケーブルにはこの様な判断を行える仕組みは備わっていなかった。

USB-C規格にはその将来を明るくさせる様々なものが盛り込まれており、私たちはこのタイプのポートをもっと使うべきだ。初期のUSB同様オープンな規格なので、一つの企業が独占される様なものではない。

USB-Cの未来

pic003

グーグルはPixelの両側にUSB-Cポートを配備した

さらに薄く効率的なUSB規格は、さらに薄く軽量なラップトップや、充電が早く終わるスマートフォンの登場を意味する。製造者が新しい規格に移行するのに時間がかかるのは何時ものことだ。この移行が完了するまでの間、使い勝手の悪いアダプターや複数の規格に対応した微妙なデバイスを使うことになるかもしれない。

新しいMacbookやChromebook Pixelが示した様に、USB-Cによって配備されるポートの数は減る。この事により、ハードのデザインはさらにコンパクトに、接続されるケーブルの数は更に減ることになる。

外付けHDDにおける電源別取りとUSB供給のものとの違いはなくなろうとしている。ベンダーはUSBから電源供給できるもっと大容量の外付けHDDを作ることが出来る様になる。USB-Cはそういうデバイスを潤滑に動かすために十分な電力を供給できるからだ。

電力供給は両方向で行える。一定の条件かでは、周辺機器からホストとなるデバイスへの電力供給が可能となる。(例えば携帯やバッテリーパックからラップトップを充電すると言ったケースだ) 多くのデバイスを接続する場合でも、ケーブルの接続が減るため取り回しがしやすくなる。

データや動画についても同じだ。携帯で再生している動画をラップトップの画面に映すもしくはその逆ことが出来る。あと数年後、このケーブルを使ってラップトップ、スマートフォン、タブレットを充電しつつ、動画や画像を大きなTVで再生しているのかもしれない。

USB-Cはケーブルを万能かつより一般的な物にし、モバイルデバイスをより小さく、より早く充電出来る様にできるがこれは始まりに過ぎない。あと立った数年のうちに、あなたはこれ無しで生活できなくなるのかもしれない。

画像提供:Google and Apple

※本記事はReadWrite Japanからの転載です。転載元はこちらをご覧ください。

※本ニュース記事はReadWrite Japanから提供を受けて配信しています。

連載バックナンバー

Think ITメルマガ会員登録受付中

Think ITでは、技術情報が詰まったメールマガジン「Think IT Weekly」の配信サービスを提供しています。メルマガ会員登録を済ませれば、メルマガだけでなく、さまざまな限定特典を入手できるようになります。

Think ITメルマガ会員のサービス内容を見る

他にもこの記事が読まれています