ルータの負荷軽減のため、最適な集約ルートを割り出す
2015年4月13日(月)
■集約ルートを見つけ出す
集約ルートを見つけ出す方法の1つを図2で説明します。
①集約の対象となるサブネットのアドレス範囲をネットワークアドレスの小さいものから順に並べます。これにより、ひとまとめにしたときのアドレス範囲の下端と上端が分かります。
図2 集約ルートを見つけ出す
②すべてのサブネットの中で最も短いプレフィックス長を見つけ、それから1ずつ減じていって、そのプレフィックス長と集約の対象となるサブネットの中で一番小さいネットワークアドレスを用いてアドレス範囲を算出し、そこにすべてのサブネットのアドレス範囲が含まれるかを確認します。プレフィックス長を1つ短くすると元のプレフィックス長のサブネットを2つ集約することができます。
/23(10.1.6.0/23)では、10.1.9.0/24がまだ入っていません。
③すべてのサブネットが含まれない場合は、さらにプレフィックス長を1ずつ減じて、同様に繰り返します。
/20(10.1.0.0/20)になると、3つのサブネットを含めることができました。
求まったプレフィックス長とサブネットのネットワークアドレスから、ホスト部の全ビットを0にして、新しい集約されたルートのネットワークアドレスを求めます。
10.1.0.0/20が、最適な集約ルートとなります。
この例の場合は、結果的に10.1.0.0/24から10.1.15.0/24までの16個の/24のルートを集約してしまうことになります。
この記事で紹介した書籍 | |
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Wendell Odom 著/株式会社クイープ 訳 |
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